無関係ではいられない問題 by 遠藤春果/N高等学校(山形) #ジェンダー平等を実現しよう

プロジェクトを通して自分は今までどれだけ偏った知識で物事を考えていたのだろうと思った。このレポートではジェンダー平等について日本と世界を比較しながら書いていく。

・考え方を改める
今回の講義の中で、「Diversity」という言葉が何度も出てきた。ジェンダー平等を学ぶだけでなく、SDGsを学ぶ上で切っても切り離せない存在だと改めて感じた。性別、人種、国籍、宗教、学歴、など様々なカテゴリーに分かれる中で、互いに違いを認め合い、それを活かして社会を発展させるという考え方。
ダイバーシティの考え方の中で日本が一番遅れていることはなんだろうか。それは性別だと思う。またこれからの日本でもっと関係してくるであろう人種や宗教などは、今は身近に感じづらいカテゴリーかもしれない。しかし性別はどうだろうか。性別というカテゴリーはどの国でも一番身近に感じるし、小さなコミュニティーにいても関係してくると思う。
高校生である私は女性に生まれてきて辛いと感じたことはない。しかし、疑問はある。なぜ校長先生や教頭先生などは男性職員がほとんど占めているだろう。なぜ生徒会の生徒会長や議長は男子が務め、女子は副会長にしか立候補しないのだろう。
中学生の頃はそこまで深くは考えてこなかったが、今思うと中学生だった私は「上に立つのは男性だ」ということを当たり前だと思っていたのかもしれない。
でも男性と女性で身体的な違いがあったとしても、女性の方がまとめる力が劣っていることは無い。「男性だから、女性だから」ではなく、個人単位でもっと評価すべきだと思う。「男性でも女性でも」の考え方は、決して難しいものではない。身近なところからダイバーシティの考え方は取り入れていくことができるはずだ。

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・日本の現状
キックオフミーティングから始まった、せかい部×SDGs探究のプログラム。キックオフミーティングと課題のありかの講義で感じた日本のジェンダー平等の深刻さ。
ジェンダーギャップ指数のランキングでは157ヵ国中121位、先進国では最下位という悲しい現実を目の当たりにした中でプログラムがスタートした。
 政治・経済・教育・健康の4つの分野のうち、健康におけるジェンダー平等は比較的進んでいる。遅れをとっているのは、政治と経済の分野だ。だからこそ、学生はジェンダーの問題についてあまり悩まない人も多く、身近に感じづらいのかもしれない。しかし国民の意見を代弁する議員の割合が男性と女性で大きく異なるということは、私たちの生活に大きく関わってくると思う。
また男女での賃金格差や雇用形態などは、私たちが数年後働くことになったときに大きく関係してくる。だからこそ私たちの世代がもっと真剣に問題意識を持つべきだと思う。危機感を持って考えられるのは、今の社会を担っている大人ではなく、これからの社会を創っていく私たちではないだろうか。

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・ジェンダー平等先進国
ニュージーランド大使館ENZの方の話は、とても印象的だった。ニュージーランドは日本では想像できないほど、女性議員とLGBTQ+議員の割合が高い。その背景には国の歴史が浅いことが関係しているそうだ。多様な人種・宗教を受け入れ、新しい改革を進めてきたニュージーランドにはステレオタイプというものが無いそう。
私は生まれてからずっと日本で生活しているが、ジェンダーステレオタイプはたくさんあると思う。例えば、私が小学生のとき学校で書いた将来の夢は、男子と女子で大きく違った。しかしニュージーランドではそのようなものもなく、女子であってもパイロットなど日本では男性
の職業というイメージがある職業を夢に持つ子も多いと言っていた。私は講義を聞き、無意識のうちに沢山の偏見を持っているなと実感した。そして私たちは幼い頃から男子と女子が色々なことで分けられることから、偏った考え方が当たり前と感じてしまうのかもしれない。幼い時の自分たちに罪はない。しかしこれから社会に出る私たちがそのような偏った考え方を持っていてもよいのだろうか。一度自分の考え方を見つめなおし、「普通」とは何かを考え直すべきだと私は思う。

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・貧困問題との関係性
貧困の講義ではタンザニアにあるさくら女子中学校についてお話を聞き、タンザニアでのジェンダー問題を知ることができた。タンザニアでは女性が教育を受ける必要性を感じていない人も多いという現状がある。また進学したとしても、結婚や妊娠などで中退する生徒も多いそう。それ以外にも男性職員や男子生徒からのレイプなどの問題がある。
この講義を聞き、国によってジェンダー問題はかなり異なっているということが分かる。生活レベルによってもジェンダーへの価値観は違う。発展途上国と日本を比べてみると日本の方が恵まれていると思う。先進国である日本は発展途上国の支援をする立ち位置に置かれていると思う。その日本が、今のままでいいのだろうか。今のままでは本当の大切さを伝えられないと思う。ジェンダーの問題はたとえ問題となっていることが違っていたとしても、どの国でもしっかり取り組む必要性があると思う。

・世界と比較して
私は「ジェンダー平等を実現しよう」以外の講義もいくつか受講したが、その中で改めてSDGsの1つ1つのゴールは繋がっていると感じた。またいくつかの国のジェンダー平等の問題について聞いたとき、世界には様々なジェンダー問題が存在するのだと感じた。
今回書いたタンザニアと日本のジェンダー問題でも、課題解決へのアプローチの仕方は異なる。教育分野に力を入れていくか、政治分野を改革するべきか。タンザニアや日本に限らず、国によって抱えている課題があるはずだ。
世界と比較したとき、自分の国が進んでいるところと遅れているところがより見えてくると思う。そのうえで自分たちの国は何が足りなくて、何が必要なのかを考えることが大切であるのではないのだろうか。


・ジェンダー平等は男女だけの問題ではない
SDGsの「ジェンダー平等を実現しよう」というゴールの中のターゲットでは、主に女性差別の問題が掲げられている。もちろん男女平等を進めることはとても大切だ。しかし人間の性のあり方は男性・女性だけではない。性自認があたえられた性と異なる人もいれば、性的指向も人それぞれだ。それなのに日本では同性婚を認める法律がないことや、差別的な発言をする人などLGBTQIA+に対する考え方も他の先進国から遅れをとっているように感じる。
日本でもLGBTQIA+へのサポートは少しずつ進んでいると思う。しかしはLGBTQIA+に対して、当たり前という認識まで変えていく必要があると思う。そのためには、ただ支援したいと思うだけではなくしっかりとLGBTQIA+に対する知識を持つことが大切だと私は考える。 

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・知ることの大切さ
「ジェンダー平等を実現しよう」のゴールに限らず、SDGsについて知らないことが沢山あった。もちろんまだまだ知らないことがある。「SDGs」と聞いて自分には関係ないと思っている人もいると思う。正直、自分の友達にSDGsについて話しても「難しそうだね」「そういうことを考えていて偉いね」と他人事のように捉えられてしまうことが多々あった。
しかしSDGsの内容が全く関係してこない人はいるのだろうか。無関心ではいられても、無関係でいることはできないと思う。これからの未来をよりよくするためにも、地球を守るためにもまずは自分事としてSDGsの目標と向き合う必要があると思う。今すぐに変えられることは多くは無いかもしれない。だからこそ、知って、考えて、少しずつ行動に起こしていくことがこれからもっと必要になってくると思う。
日本の現状を知り、世界の現状を知る。そのときにおのずと私たちがするべきことが見えてくると思う。


N高等学校 (山形)  遠藤春果
#せかい部 ×SDGs探究PJ高校生レポーター(ジェンダー平等を実現しよう)


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