#せかい部×SDGs探究 高校生レポーターの2か月 by 渡邉万里 / 北高等学校(愛知県)#貧困をなくそう

トビタテ!留学JAPANを知っていますか?
トビタテ!留学JAPANは、文部科学省が「留学をしたい」という高校生・大学生を支援してくれるキャンペーンです。私も応募させていただいたのですが、新型コロナウイルスで留学応募の審査が中止になってしまいました。そして9月中旬、トビタテ!留学JAPANに新たなプロジェクトの募集があることを知りました。それは、設定された社会課題に関係する5つのテーマのなかからメインテーマを選択し、SDGsについてオンラインで講義が受けられる「#せかい部×SDGs探究」高校生レポーターの募集でした。
私も参加させて頂きました!!

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私のテーマは…

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                    です!


ところで、貧困とは?

貧困には、2つあります。
絶対的貧困です。絶対的貧困とは、必要最低限の生活を
維持するために必要な物資を購入できる所得水準に達し
ていない人々の事です。世界銀行の所得水準の定義では
1日1.9ドル未満、200円未満で生活している人々
を指します。

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相対的貧困です。相対的貧困とは、所得中央値の一定割合(=50%)を下回る所得のみを得て、生活している人々の事です。先進国で割合が高いものの、多くの人に知られていない事実です。

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読んでくださっている方に2つ質問です!
1.世界ランキングで日本の相対的貧困の割合は何位だと思いますか?
Ⓐ87位 Ⓑ52位 Ⓒ27位

2.日本のひとり親家庭の貧困率は?
Ⓐ25% Ⓑ48% Ⓒ33%
                     (答えは3行下にあります)

私自身、貧困は1日1,9ドル未満の生活で暮らしている人々の事だけと思っていました。学校での授業や講演会でも貧困について学ぶ機会がありましたが、先進国の貧困について、#せかい部×SDGsの講義で知ることができました。続けて紹介させて頂きます。
                 (答え:1→Ⓒ27位 2→Ⓑ48%)

日本の子どもの貧困対策について

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みなさんは、子どもの貧困対策についてどうお考えでしょうか?
子供の私からして、高校の授業料無償化はとてもありがたいです。なぜならその分、参考書や大学受験料に回せるからです。高校の授業料無償化で、高校に通えている生徒もたくさんいます。でも、高校の授業料無償化がなくなってしまうと、高校に通う事もできないけれど、将来満足のいく給料をもらう事もできないと、八方ふさがりになってしまいます。そうならないように、政府は子どもの貧困対策をしています。子どもの貧困対策により、現在15歳の子どものうち、貧困状況にある子どもの進学率、高校中退率が改善した場合、生涯所得合計が2.9兆円増え、政府の財政が1.1兆円改善します。

子どもの貧困対策を受けて、高校の進学率は増加したものの、大学の進学率は低い事が現状です。なぜなら、ひとり親世帯の子どもは高校卒業したら働こう、児童養護施設では18歳に退所しなくてはならないため働こう、となってしまう人が多いからです。

子どもの貧困について活動しているNPO法人キッズドア

NPO法人キッズドアは、貧困の連鎖を断ち切るため、
小学生から高校生、若者など、幅広い年齢層に向けて
無料学習会や、居場所支援、社会問題に対し啓発活動
を行っています。

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Poverty is a form of social exclusion caused by lack of resources.
貧困は資源不足により、社会的に排除されている状態です。

このことは、貧困は自己責任ではないと表しています。

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今では、スマートフォンがないと
仲間外れにされてしまったり、いじめられることもあり、スマートフォンを買ってもらうために、学校の給食以外、もやしばかり食べて生活をしていた子や、今年は、新型コロナウイルスが感染拡大した事で、経済状況が悪化し、ご飯が食べられなくなった子もいます

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ひとり親家庭の子どもの2人に1人は貧困状態にあります。しかし、データでは、ひとり親世帯の就労率は先進国で1位なのに対し、ひとり親世帯の相対的貧困率も1位です。世界で1番働いているのに、世界一貧困状態にある日本のひとり親。この状況には、理由があります。母子家庭が多い日本で、母子家庭の平均年収は200万円(正規雇用44%・非正規雇用56%)、父子家庭の平均年収は420万円(正規雇用68%・非正規雇用32%)です。父子家庭は正規雇用の割合が高いのに対し、母子家庭は割合が低いです。日本は、ジェンダー不平等をなくそうとしていますが、いまだに男女の給料の差は大きいままです。

私たちにもできることがあります。
それは、「話しかけること」です。私は、小学生の時、お風呂に入らず、同じ服で学校に来ている子がクラスにいました。しかし、私はクラスメイトから「臭い」と言われているのを見て、クラスメイトを止めることも、その子に話しかけることもできませんでした。今もその子がどうしているのか、高校生になった今も気になっています。もし、これから先、同じような子に出会ったら、友達となれるよう話しかけます。

特定非営利活動法人Learning for All

誰もが経済的な理由で辛い思いをしなくてもいいように
一人でも多くの人が誰かの困難を想像し寄り添えるように


どんな活動をされているのか紹介させて頂きます。

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親の無関心、借金、いじめ、DVや、スローラーナーなどは、子どもにすべてのしかかってしまいます。しかし、それを隠すのではなく、社会に頼っていくことが大切だと感じました。貧困や家庭問題は恥ずかしいことではないからです。どの家庭にも、問題はあります。だからこそ、お互いに助け合っていく心が大切なのではないでしょうか。


アメリカの貧困対策アクション

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① サンフランシスコの学校
週1回フードバンクが登校時間に学校に来ます。子どもを送りに来た親が自由に、レッテルをはられずに、食料を無料でもらうことができます。もらえる食料は卵から野菜、果物など。

② マサチューセッツ州ローエルの学校
寄付で集まった服や靴、防寒具などを学校に配る民間の活動で、学校には生徒が自由に日用品を選べる“クローゼット”があります。「まず学校に来ることが貧困の連鎖から抜け出す手段」として、恥ずかしくない服、生活必需品が学校でそろえることができたら、登校しやすいという発想で始まりました。

③ アラバマ州
モビールの学校では、給食がない週末に子どもが自宅で食べられるものを学校の先生がランドセルやリュックにこっそり入れます。1袋に7品入っています。
学区によって学校ではなく、シラコーガでは地域の人々が協力して行っています。子ども達が受け取っても恥ずかしくないように、子ども達が憧れる、フットボールの選手らに食べてもらう工夫もしています。

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アメリカでは、国土が広すぎて、新鮮なものが食べられず、加工食品が中心の食生活となり、栄養バランスが崩れてしまいます。すると、病気で働けなくなってしまい、貧困状態となってしまいます。そのため、アラバマ州では、コミュニティカフェを開き、貧困状態に陥ってしまわないように、健康の支援も行われています。

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フィンランドの教育

フィンランドといえば、高福祉国家です!!

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☆ここで問題です☆
なぜ国民は高い税金を払い続けられるのでしょうか?
ⓐ税金の使い道を明確に表示しているから
ⓑ金持ちが多くて税金が高いほど経済が循環するから
Ⓒ税金を払っていないとすぐ警察にばれるしくみになっているから

(答えはフィンランドの教育の項目が終わった後にあります)

・どんな家庭状況でも平等       
     ⇒授業料無料(プレスクールから大学院)
     ⇒世界で初めて無料の学校給食(プレスクールから高校)
・学びへのアクセスが平等
     ⇒学習達成度UP
     ⇒Well-being
    (身体的・精神的・社会的に良好な状態)の向上
     ⇒公共図書館の有効活用

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・教育の質が平等
     ⇒高い質の教師(全幅の信頼を置く親)
     ⇒地域や学校間格差の減少=偏差値のない世界
・年齢にかかわらず誰でも学べる
     ⇒「学ぶことを学ぶ“Learning to learn”」 生涯教育
     ⇒ Leaning Society としてのフィンランド

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・初等教育におけるナショナルコアカリキュラム
     ⇒政府が決めたカリキュラムを基に、
     ⇒各学区・学校ごとに現場レベルに落とし込む
    (フィンランドが目指すのは、「主体的に考え、行動する」国民)

          (答え:ⓐ税金の使い道を明確に表示しているから)


一般社団法人キリマンジェロの会 さくら女子中学校

みなさんは、発展途上国の学校の授業の状況を知っていますか?
さくら女子中学校は、 タンザニアにある女子中学校です。
この学校がどのような設備で、どのような授業を行っているのかを紹介させて頂きます。


設備について
 ・校長室
 ・教室棟
 ・寮
 ・理科室       
 ・食堂兼体育館のダイニングホール
 ・図書室          
 ・先生の住むシェアハウス

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理科の実験に使う試験管やガスバーナーなどもすべてそろっており、理科の実験も行われるので、暗記だけの授業になっていません。そして、図書室には、教材や文庫本は勿論、日本の漫画もあり、充実した図書室になっています。

授業について

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理数系や英語の授業のほか、環境問題やジェンダー問題についても授業があります。また、結納の際、男子の家にお金を払うことは必要かなど伝統について ディベートしたり、調べたことや授業で習った事についてプレゼン、スピーチが行われています。

進路について
さくら女子中学校の皆さんは、将来の夢に向かって勉強に励んでいました。さくら女子中学校を卒業した後は、大学に進学したり、日本に留学する子もいます。


「貧困をなくそう」をテーマにして

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私は中学生の時、英語の授業でフェアトレードチョコレートがテーマの話を読みました。そこには、カカオ農家の多くはカカオが正当な値段で取引されないため、貧困な生活を強いられており、家族を支えるため子どもたちは働き、学校には行けていないと書かれていました。
中学生までの私は、ご飯を残すと親に「世界には食べられない子供がたくさんいるんだよ」といわれていただけでしたが、中学3年生の時、英語の教科書を通して、世界の貧困問題を目の当たりにしました。

高校生になり、「私も何かしたい。」と思い、留学ボランティアに参加しようとトビタテ留学!JAPANに応募しましたが、冒頭での通り、新型コロナウイルスにより審査中止となりました。しかし、高校生の私として何かできることがしたかったので、「#せかい部×SDGs高校生探究」レポーターに参加させて頂きました。各プログラムの講義では、私が知らなかった社会課題が山積みでした。今は、新型コロナウイルスの影響でボランティア活動や社会問題に取り組む活動が少ないので、「自分で行動していこう」という気持ちが芽生えました。

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この2か月間で取り組んだことが2つあります。

1つ目は、フェアトレードのチョコレートや海外の学校を支援してくれる会社のお菓子を買ったことです。高校生の私が、手軽に買うことができる値段だったので、これからもチョコレートを買う時は、フェアトレードや学校支援のチョコレートを買います。
2つ目は、 #onigiriactionに毎日参加 したことです。おにぎりアクションは10月1日から10月31日まで行われるアクションで、おにぎりの写真やイラストの投稿1つで5食届けられます。今年は、31日間で202,143枚投稿され、寄付上限の900,000食寄付されました。

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これから先私は、日本の貧困問題をなくすことができるように、日本にも貧困があるということを広めていきます。貧困をなくすために子ども食堂や、募金活動などのボランティアに参加し、学校でもアクションを起こしていきます。

また、元々高校生の間に、カンボジアで公衆衛生ボランティアに参加する予定だったので、大学生になったら必ず海外ボランティアとして貧困による格差をなくすための協力をします。そして、将来、私は看護師になります。2030年には、貧困で医療が受けられない人がいない世界にするため、私も看護師になったら医療ボランティアに参加します。

私は、家族や地域の方のほかに、多くの医療従事者の方に助けられ、支えられ、今の私があります。私が大学卒業する、7年後は、私の番です。今、新型コロナウイルスにより、世界中の医療現場がひっ迫しているとニュースで耳にします。まだ、私は看護師ではないので、医療現場で役に立てません。だからこそ、今、自分のやるべき、感染予防、勉強を精一杯行っていきます。


北高等学校(愛知県)渡邉万里 
#せかい部 ×SDGs探究PJ高校生レポーター(貧困をなくそう)


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