あなたにできること by 川西満葉 / 福山暁の星女子高等学校(広島) #貧困をなくそう
・はじめに
私は「#せかい部×SDGs探究」の貧困をなくそうのプロジェクトに参加しました。そこで学んだこと感じたこと、そしてあなたにできることを書いていきます。
今回は「日本の子どもの貧困」に焦点を当ててお話をしていきます。
・私について
まずは「なぜ私がこのプロジェクトに参加したのか」についてお話します。
私がこのプロジェクトに参加したのは、私自身が父子家庭で養護施設、児童相談所で生活をしていた時期があり、貧困状態について自分のことについてもっと知りたいと思ったからです。また私の将来の夢が児童指導員なので、将来の夢にも一歩近づける機会だと思ったからです。(児童指導員とは、主に児童養護施設などで子どもと一緒に生活し、子どもの体の健康だけではなく心の健康などもサポートする職業です。)
・日本の子どもの貧困の現状
次に日本の子どもの貧困の現状についてです。私のNoteの記事にも掲載したように、この日本には13.5%(約7人に1人)の割合で貧困に苦しんでいる子どもがいます。この数字はOECD(経済協力開発機構)36ヵ国中23位。1人親世帯となると34位(ワースト2位)です。
・相対的貧困ってなに?
実は貧困には「絶対的貧困」と「相対的貧困」の2種類があります。
絶対的貧困とは、いわゆる私たちが思い浮かべるご飯や服などがない状態のことです。
相対的貧困とは、その国や地域の水準の中で比較して、大多数よりも貧しい状態のことを指しています。相対的貧困はその性質から「見えにくい貧困」とも言われています。
#せかい部 ×SDGs探究プロジェクトのプログラムで、NPO法人 Learning For Allの木村 駿さんにお話しを伺いました。その時に聞いた「忘れ物をしている子は本当に忘れているのではなく、実はお金が無くて買えないのかもしれない。」という木村さんの言葉がとても印象に残っています。私の祖母も、『小学校の時に学校で「色鉛筆を持ってきなさい。」と言われたがお金がなくて買えなかったので忘れたことにした。』と言っていました。祖母はいまでもそのことを覚えています。子どもの貧困は心に深い傷を残すことを改めて実感しました。
13.5%という数字からもわかるように、日本には相対的貧困に苦しむ子どもがとても多いです。しかし、私たちは貧困状態の子どもを身近に感じることはとても少ないです。それはなぜなのでしょうか。
・「貧困」を身近に感じないわけ
それは、大きく4つあります。
① 貧困に苦しんでいる人がそれを恥ずかしいと感じ周りに言わないから。
② 助け合いの社会がなくなり無縁社会になっているから。
③ 自分が貧困状態にあることを知らない子どもが多いから。
④ 日本に多い「相対的貧困」は「見えにくい」貧困であるから。
今回は④の理由に注目し、見えにくい貧困に苦しむ子どもを救うための政策や支援を紹介します。
・見えにくい貧困を救うために
「見えにくい貧困」に苦しむ子どもを救うために内閣府や企業はさまざまな支援を行っています。
〔内閣府の支援〕
日本で貧困に苦しんでいる子どものために、内閣府は「子供の未来応援国民運動」を行なっています。
子供の未来応援国民運動とは・・
子供の貧困対策大網(H26.8閣議決定)に基づき、H27年10月から運動開始されました。子供を社会全体で応援する機運を高め、子供の貧困対策が国を挙げて推進されるようにするための官公民の連携・協働プロジェクトです。
・私の学校での取り組み
私は、今回のプロジェクトを通じ、貧困に苦しむ子どもたちのために何か支援をしたいと思い、古本回収をすることにしました!!
現在はホール、図書館、会議室前の3ヶ所に回収場所を設置しています。集まった本はVALUE BOOKSさんへ送り、査定されます。そしてその査定金額がVALUE BOOKSさんを通して子どもの未来応援基金に寄付されます。
今回の古本回収をするにあたって、同世代の暁の星の生徒にも日本の貧困の現状を知ってもらいたいと思い、Classiでの配信や学年朝礼での発表を行いました。
生徒のみなさん、多くの本を持ってきてくださりありがとうございました。まだ古本回収は続いているので引き続きよろしくお願いします。
・私たちにできること
上記のような古本回収以外にも私たちにできる支援はたくさんあります。
今回は2つ紹介したいと思います。
① 寄付付き商品を買う
(株)オランダ家では、基金への寄付付きのお菓子「ミッフィーサブレ」を販売しています。(平成30年9月〜)
私はミッフィーちゃんがとても好きなので、この商品を知ってすぐに買いました!!とてもおいしかったです。
② 寄付型自動販売機で飲み物を買う
「子供の未来応援基金寄付型自動販売機」で、飲み物を1本買うと1本につき10円が基金に寄付されます。
最近は内閣府の中にあったり、市役所や体育館の中にあったりと寄付型自動販売機が増えて来ていると感じます。
みなさんも寄付型自動販売機を見つけたらぜひ1本買ってみてください!
ここまでに、日本の子どもの貧困の現状と国の政策・私たちにできることについて話してきました。それでは次は私が願う世界についてです。
・私が願う世界
「私が願う世界」。それは貧困によって夢を諦める子どもが1人もいない世界です。残念ながら現在の日本では夢をお金のせいで諦めてしまっている人が多いように感じます。お金のせいで夢を諦めることがあってはなりません。誰もが夢を叶える権利があります!!
そこでみなさんにお願いです。
どうか子どもの貧困について知り、支援をしていただけないでしょうか?
支援と聞くと難しく感じるかもしれません。
学生の私にも、「NPO法人に寄付」「子供の未来応援基金に寄付」などのように直接的にお金を寄付する余裕はありません。
しかし、もっと誰でもできる支援があります。
それは子どもの貧困について知り、「選択肢を増やす」ことです。
選択肢を増やすとは・・
例えば、
「喉が渇いて自動販売機で飲み物を買いたい時に寄付型自動販売機で買う」「本やCDを売るなら㈱バリューブックスさんなどの買取金額が基金に寄付されるところへ送る」「着られなくなった子ども服を捨ててしまうなら、㈱キャリーオンさんなどの買取金額が基金に寄付されるところに送る」などです。
ぜひいつもの生活の中に少し選択肢を増やしてみてください!
・あなたへ
ここまで読んでくださいまして、ありがとうございました。このレポートを読んでくださっているあなたがもし、「居場所がない。学校の勉強についていけないけど塾に行くお金がない。」などで苦しんでいるなら近くのNPO法人などを調べてみてください。
あなたを助けてくれる大人はたくさんいます。
・最後に
私は今回「#せかい部×SDGs探究プロジェクト」に参加して、子どもの貧困についての知識だけではなく、ジェンダー平等や生物多様性など多くの分野について知ることができました。また、知識を得るだけではなく行動に移せたことは自分自身の成長だと感じています。
現在は新型コロナウイルスの影響で、ボランティアなどをすることは難しいですが、落ち着いたら今回お話を伺った「キッズドア」さんや「Learning for All(ラーニングフォーオール)」さん、近くの子ども食堂などでもボランティア活動をしてみたいです。
先日、学校の友達が「私にもできることってあるかな?」と聞きにきてくれました。その言葉を聞いた時、とても嬉しかったです。
今まで私が発信してきたことはちゃんと届いていたということを実感したからです。10代の私たちにもできることはたくさんあります!
まずは、社会問題を自分ごとにして考えてみてください。
このレポートを持って「#せかい部×SDGs探究プロジェクト」の活動は終わってしまいますが、私の探究活動はまだまだ続きます。
そして将来は児童指導員になり、私が受け取った支援を返します!
このような素晴らしい機会を与えてくださった#せかい部×SDGs探究プロジェクトのみなさん、貴重なお話をしてくださったナビゲーターのみなさん、そして一緒に探究活動をした171人の仲間たち、本当にありがとうございました。
〈引用〉
・〔1-1〕課題のありか 前内閣府 平田菜摘さん
・〔1-3〕学習支援の最前線 キッズドア 渡辺由美子さん、アレックス・ベンカートさん
・〔1-6〕家でも学校でもない「こどもの居場所」 Learning for All 木村駿さん
・https://corporate.valuebooks.jp/charibon/ VALUE BOOKS (charibon、こどものみらい古本募金)
・http://orandaya.net/miffy-sable/ オランダ家
・http://kjf.or.jp/kodomonomirai.html 子供の未来応援基金寄付型自動販売機
・https://kodomofukufund.jp/ キャリーオン (こども服みらいファンド)
福山暁の星女子高等学校(広島) 川西満葉
#せかい部 ×SDGs探究PJ高校生レポーター(貧困をなくそう)
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