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警察官人生最後の1日。
明けましておめでとうございます。
2022年もスタート。
お正月の中、自分は1月2日が初出勤で勤務してきた。
初出勤であり、最後の勤務。普段は何気なく過ごしていた時間でも今日は何か特別な感覚で過ごしていた。
掃除、弁当注文、事案対応、挨拶等全てこれが最後なんだ。と思って仕事をしていた。
惨めで自分には価値なんてない。
今日で仕事は最後だけど、辞めて残るものなんて何もなくて、残るのは思い出と途中で辞めた、逃げたという惨めな自分だけ。この職場では辞めるというのは、理解されにくい世界で 「もったいない、厳しい所へ行くんだね、今より稼げなくなるぞ、この職場ほどいいところはない。」と、こっちの方が正解なんだよ。と言われてる気がするし、そういう話をを何度も聞いた。たしかに、公務員は安定しててコロナの影響も受けないし、今後仕事がなくなったりしない。
そう!そうなんだけど、このままここにいたら、ぬるま湯に浸かったまま頭も使わずただ、お金のために、国のために働いていく、、。そんなのは嫌だー‼︎‼︎‼︎だから変えたい。変わりたい。
根性なし
去年の8月くらいから辞めるぞ。今日こそは言うぞ。言えなかった、、。明日こそは言うぞ!!また、言えなかった、、。の繰り返しで、はっきり伝えることができたのは11月の頭くらい。
伝えるまで、もう緊張してソワソワしてて通路を行ったり来たり。上司の後ろついて行くけどやっぱり言えない!!ってことでUターン。不審者みたいな動きをしていた訳なんだけど、仮眠時間に入る深夜2時。その時が来た。上司と2人きり。邪魔者もいない。全ての条件が揃った。 今だっ!ここだー!うおおおお!!!!! って頭の中で言いながら上司に話をした。 否定されるのか、止められるのか、どう来るんだと思ってたら「いいんじゃない?」の一言。案外受け入れられた。そこから熱い話をして気づいたら4時。仮眠時間を削ってまで話を聞いてくれてアドバイスをくれる上司の優しさに感動した。そこからどんどん上まで話が通っていって今日に至る。話すまでが大変だけど話してみると案外そんなもんなのかって思う。
孤独には勝てない
いざ辞めるとなって挨拶して周ってるとその人その人との思い出が蘇ってきて悲しくなってきた。でも、自分で決めた選択。誰のせいでもない。
警察官という衣も脱いでこれからは一般人として生きていく。守る側から守られる側になるんだなと日に日に感じている。
仲良かった人達とも別れ、会いたい時には会えなくなるし、たとえ、縁は切れなくても1人になるんだ。と感じるようになり孤独感が急に押し寄せてきた。
1番職場で仲良かった同期ともギクシャクしちゃってここ最近まともに会話もしてないし疎遠になった。原因は俺にあるし仕方ないことだけど、気まずくて向き合うのを避けた。辞める日を伝えたかったけどずっと伝えられなくて、本当は1番最初に伝えなければいけなかったのに、、結局伝えることができたのは、当日。
ごめん。今日で最後なんだよね。と自分が言うとすごい驚いた表情ですぐに悲しい顔をした。
言うの遅いよ、急すぎる、って言われて謝ることしかできなかった。泣きそうな顔してて、なんでもっと早く言えなかったんだろうって思ったし、自分のちっぽけなプライドなんか捨てて言うべきだった。その同期とは一緒に苦しんで笑って悩んで、厳しい訓練も耐えて、励まし合って支えあった1番の理解者だったからこそ余計に苦しかった。 関係を築くのには時間がかかるのにヒビが入るのは一瞬で、些細なことで。 脆い。
話し合うことってすごく大事なことだね。 25歳になってもまだ分からないだなんて。
自分は今1人で孤独だと感じる瞬間が来て、途端に不安になったり悲観したりしてて誰かと繋がっていたくなる。 今ここにいるんだ!って実感したくなる。自分は孤独には勝てない。1人は寂しい! だからこそ、どんなことがあっても人には優しくしたい。
辞めてわかったこと、
自分が辞める時、初めてわかることもあった。 それは後輩達や関わってくれた人が悲しんでくれたこと。
俺が辞めても何もこの世界は変化しなくて、何にも影響を与えてなくて変わりなんていくらでもいるんだと思ってた。
特にこの職場は要領さえ分かれば代替えなんていくらでも効くと、そう思ってたからこそ、衝撃だった。
本気で泣きそうになる仲間や辞めないでくださいと引き止める後輩、悲しんでくれる先輩、上司。
自分がここにいて過ごした日々があったから、たくさん濃い日々があったからそう感じてくれたんだなって、この3年間は無駄じゃなかったんだなって思えた。
たくさんの思い出が蘇ってきて寂しくなったし悲しくもなったけど、それ以上に覚悟ができた。
覚悟っていつできるんだろうか、頑張ってればそのうち芽生えるものなのか、よくわからなかった。 でもたしかに、覚悟ができた。 中途半端なことはもうできないし、成功させる。 そうじゃないと次みんなに会う時に笑顔で会えないと思った。 覚悟をくれてありがとう。
もう走るだけ。
これまでの警察官人生は長すぎるので次の機会に書こうと思います