「優しい子になって欲しいのに…」他の子によく手を出してしまう。どうすればいい? 2/2【優しい子編】
二回目は、「優しい子になって欲しいのに…」についてです。
まず、「優しい」という言葉へのあなたなりの定義について、「そもそも」から考えていきます。さらに、あなたが思っている「優しさ」の罠についても見ていきます。あらゆる物事には陰と陽の極性があります。「最高においしいラーメン屋さんだったのに、実は化学調味料や香料をバリバリ使用していた」というようなことが、子育てでもあり得るのです。ここが理解できると、お子さんへの理解度や視野がぐーんと広がることに気がつくかもしれません。
あなたにとって「優しさ」とは?
そもそも、あなたにとって「優しさ」とはどういうことでしょうか?
・人が困っているときに助けられる
・思いやりがある
・辛い時に慰めてあげる
・お手伝いをしてくれる
または、こんな姿も優しさかもしれません。
・その人自身の成長を信じ、あえて助けない
・困っていることにもあえて手を出さず見守る
・あえて不親切に接し、自分の力で出来るようになるよう考えさせる
以前、『さんさんぽ』である子にこんなことを聞いてみました。
「優しい人って、どんな人?」
その子の答えは…なかなかビックリでした。
お子さんにもよりますが、年長近くになれば子どもたちは答えてくれるかもしれません。いずれにせよ、人それぞれ「優しい」の定義が少しずつ違うというのは確かなことです。あなたは、どうでしょうか?
質問①
あなたにとって「優しい」とはどういうことでしょうか?
できるだけ具体的に、思いつくだけ書き出してみましょう。
「優しい子になって欲しい」と願うわけ
そもそも。あなたはどうして、お子さんに優しい子になって欲しいのでしょうか?ふっと力を抜いて、リラックスして考えてみてください。面白い答えが出てくるかもしれません。
質問②
あなたはお子さんに対して、なぜ「優しい子になって欲しい」と願うのでしょう。また、お子さんが「優しい子」に育つことで、あなたの中のどんな想いや気持ちが満たされる感じがするでしょうか。
下の3つの観点で考えてみましょう。
・「我が子にとって○○だから」というお子さんの観点
・「私にとって○○だから」というあなた自身の観点
・それ以外
プラス側とマイナス側から考えてみよう
「優しい子に育ってほしい」と願う方は、多くの場合、自分自身も子どもに優しくあろうと意識されているのではないでしょうか。
優しさとは、先ほども書きましたが人それぞれ定義が違います。つまり、
わたしにとっての「優しさ」で相手を手伝う行為が、相手にとっては「それはして欲しくなかった」ということもある、ということです。
子育てにおけるあらゆることに関して、
『プラス側とマイナス側の、両側から考える』
ということを意識してみると面白いかもしれません。
たとえば、「褒める」ということを例にあげてみると。
プラス面・・・認められた喜び、自分を見てくれた喜び、やる気アップ etc...
マイナス面・・・褒められるためにやる、褒められないと認められてない感じがしてくる、大人の目や評価が気になる etc...
という具合になります。意外とマイナス面には気がつきにくいかもしれません。ですが考えてみると必ず1つや2つはみつかります。「これは絶対正しい!」と思っていたことでも、案外そうとも言い切れないということに気がつくことが多いでしょう。
質問③
あなたからお子さんへの優しさは、お子さんにはどう映っているでしょうか?お子さんはどう感じているでしょうか?
質問④
あなたが幼少期に受けたご両親からの「優しさ」について、思い出せるようであれば思いだしてみましょう。
ご両親からすると「優しさ」で言っているのに、あなたからすると「全然優しくない!」と感じたような体験はあるでしょうか?もしできるようであれば、そのときのあなたの気持ちも含めて思いだしてみてください。
質問⑤
あなたがお子さんに望む「優しい子」のイメージは、お子さんにとって、また他の子にとって、どんなプラスな影響を与える可能性があり、どんなマイナスな影響を与える可能性があるでしょうか。
あなた自身は、どうでしょうか?
次はあなた自身の在り方を振り返っていきます。ずばり、あなたは優しいでしょうか。または、子どもの頃優しかったでしょうか。
子どもたちは、あなたの本性。本当の姿を見抜いています。言葉だけではなく、行動や仕草から、あなたの本当の気持ちをいつも感じています。「そんなはずはない!」という方は、「仮にそうだとしたら…」と捉えてみてください。
さらに。お子さんに「優しさ」を望んでいる方は、自分自身にも「優しい人でなければならない」と無意識で課しているかもしれません。自分自身も見つめてみましょう。
どんな自分の姿が出てきても、良い悪いはありません。そう感じているのが、いまのあなたです。ひとまずは、自分自身を評価したり責めたり褒めたりせず、そのまま振り返ってみましょう。
質問⑥
あなたは今、お子さんやパートナー、ご家族、友人、職場の同僚に対して「優しい」でしょうか?「優しくない」でしょうか?
さらに自分自身に対してはどうでしょうか??
なぜそう思うかも、それぞれ書いてみましょう。
質問⑦
あなたは子どもの頃、「優しい子」だったでしょうか。そうだった場合も、そうでない場合も、どんな子だったかを思い出してみましょう。
あなたにとって「本当の優しさ」とは?
ここまで取り組まれた方は、「優しさ」についての感覚に何か変化はありましたでしょうか?人によっては、「もうわけわからない!」という方もいれば、「明確になってきた!」という方もいらっしゃるでしょう。
最後の質問です。改めてになりますが、再度考えてみてください。
また、「手が出る」ことと「優しさ」についても振り返ってみましょう。
質問⑧
あなたにとって、「本当の優しさ」とは何でしょう。
また、「本当の優しさ」とは何ではないと言えるでしょう。
その理由があるとしたら、どんな理由になるでしょうか。
質問⑨
「手を出す」ことと「優しさ」には、どんな関係があるでしょうか。
「手が出る」ことについて、あらためてお子さんに何を願い、お子さんとどう関わりますか?
質問が9つと大量になってしまいました。
どこを削ろうかと考えたのですが、どれも大切な質問のため削れず、この数のままにさせていただきました。ピンとくる質問だけでも。また、週に1つずつでも、使っていただけたら幸いです。
一回目はこちら
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いつも最後まで読んで下さり、ありがとうございます!
みなさまからのご意見、ご感想お待ちしております。また、「こんな事例についてテーマにしてほしい」なども随時募集しています。お気軽にコメント欄にご記入ください。
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執筆者は、森のようちえん『さんさんぽ』を主催している
保育士さんたこと、ひがしなおやです。
・自分のことが大好きな子に。
・ありのままのその子に。
・自分事で考え、自分で決め、自分で動く子に。
そんな願いを込めて、ちょっと変わった保育を実践しています。
『さんさんぽ』は横浜市近郊にて、平日毎日開催を目指し園児募集中です。
未来を生き抜ける力をはぐくむ子育てがしたい。幼少期に人生最高の想い出をつくりたいという方は、お気軽にお声かけください。家族で保育を体験できる「休日さんぽ」というイベントも毎月開催しています!
森のようちえん『さんさんぽ』
・ホームページ https://www.sansanpo.org/
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ファシリテーターもしています。
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