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脳動脈瘤発見で検査入院をした回(3)


【これまでのあらすじ】
やることが多い。

というわけでいよいよ検査入院当日の模様でございます。
今回は特に絶食が必要など食事の制限がないタイプの検査なため、朝はせめて好きなものをゆっくり食べよう…と珈琲館のモーニングを噛み締めてから行きました。スクランブルエッグおいしいねん。

早速病院に入り、前回来た初診受付…ではなく入院受付のカウンターへ。脳神経外科で最初に対応してくれた医療事務の方が来てくださってほっとするなど。そのおかげか書類や持参物の確認は滞りなく進み、さくっと病室へ。しかし。

あれ?なんか、病室広くない?ビジホっぽいぞ???

もしかして:特別室

前回記述した入院前検査と説明のフェーズで、差額ベッド代についても説明を受けてはいた。いわゆる特別室しか空きがなかった場合、特別室に入る希望がなくとも差額ベッド代が発生するため支払う必要があることの説明を充分に受けこれに同意する、という同意書(※1)を見せられた。そしてサインもした。まあ、発生したところで二泊三日だし、入院給付金もおりるし、と軽く考えてたしそもそもふつうの一般病室に入れるとタカをくくっていたのは確かだ。いやでも本当に特別室が待ち構えてると思わないじゃん。
……などとびっくりはしたものの、4人部屋の廊下側で差額もそれほど高くなく(※2)、何よりベッドとベッドの間がカーテンでなく文机やクローゼットつきの板壁で区切られており、冷蔵庫も完備と非常に快適だったのでむしろ安いくらい。快適は金で買える。

暇なのに暇じゃない

さて、検査入院は暇だぞと散々パイセンたちから言われていたので、手をつけていなかった小説を持ち込んだはいいものの。

「病棟担当の看護師です」
「薬剤師です、持参されたお薬お預かりしまーす」
「退院支援担当の看護師です、普段の生活のアンケートとらせてください」
「検査担当医です、明日のスケジュールと検査内容説明しますね」

うん、えっとね。
来るならいっぺんに来てほしいな!?!?!?30分おきくらいにちょっとずつ来るのナンデ?????ごめんなさいね今ミロ(※3)がめちゃくちゃカッコよくキメてるとこだからこのページだけ読ませてくださる!?!?!?

……とも言えず。結局、二泊三日で錆喰いビスコの3巻は半分しか読めずじまいであった。

風呂は夜入れるとは限らないから気をつけろ

見出しの通りだ。風呂は入れる時に入るものだった。
病状や年齢により入浴介助が必要な患者さんもいるため、介助ありとなしで時間帯が分けられていたり、私の場合は検査日の早朝から点滴が予定されていたので当日朝ギリギリにお風呂入ってサッパリした状態で検査を迎えることも難しいスケジュールだったり。というわけで先の入れ替わり立ち替わり説明フェーズの合間、午後の一番暑いときにガッとシャワーを浴びて終わることに。
検査前のイベントはだいたいこれで全て終了。暇な時間もあるにはあったが、慣れない場所で持ち込んだアイテムの整頓やら初対面の病棟スタッフさんらとたくさん接して疲れたのか、その日はもう20時くらいにコテンと寝てしまった。……が、1時すぎに起きてしまいその後緊張で眠れなかった!!わしのバカ!無能!小鳥!!

おはようございます(点滴ガラガラー)

結局、夜中の1時から細切れにうとうとするものの眠れず、カーテンのかかってない窓から夜が明けるのをぼや〜っと眺めていた。
(朝は点滴って言ってたけど、朝食の後からかな、今のうちにトイレ行っておこうかな〜)
「おはようございまーす」
もう来た。
朝5時に
5時!?
「今日は造影剤を血管に入れる検査なので、造影剤を早く排出するために早くから水分補給するんですよー」
「検査15時くらいからって聞いてたんですけど早くないです?(予約票にも記載されてた)」
「それが今日午前中に検査出来ることになったんで点滴も早まりました!」
「ウッス……」

早まるのは嬉しいけど当日の午前5時に言うことかと思った。踏切に望遠鏡担いでって3時間しか経ってない。

ところで点滴打ちながらの食事ってめちゃくちゃ面倒ですね。左腕にされてたけど針が動きそうでおっかなくてロクに動かせなかった。点滴失敗したときの内出血ってやけに痛いし痕が凄惨なのでビビりまくって左手はそえるだけ…と何度唱えたか知れない。

行ってきまーす(点滴ガラガラー)

というわけで早まった検査時間の到来である。別のフロアにある検査室(血管撮影室)にセルフで点滴を引いて行くやつ……!これ漫画とか医療ドラマで見たことある!おっ意外とスタスタ歩け……ない!!点滴の管がめちゃくちゃ長くてコワイ!!(※4)メガネを外してたせいもあるが看護師さんに手を引いてもらってプルプル歩く姿は完全に強衰弱デバフか老化デバフアイコンがついてたと思う。

さて、今回の検査は鼠蹊部の動脈からカテーテルを入れ、脳血管まで到達させてから造影剤を注入しレントゲン撮影をするというもので、検査時間は1時間弱、局部麻酔で行うかたちになる。正直全身麻酔で気づいたら終わってたくらいがよかったんだけどそうもいかず晴れてまな板の鯉状態に。
あーイソジンの匂いだなー結構広い範囲消毒するんだなーとか麻酔注射痛かったらやだなー鼠蹊部って皮膚薄いからただでさえ痛そうだしなー検査中は喋れるって聞いたけどクシャミとか出たらカテーテル暴れて大惨事にならないのかなー
はい麻酔しましたよー」
「早」

実際は麻酔打ちますねって打つ前にちゃんと言われてたけど、いったいいつ打ったのか分からなかった。ワザマエ!
そして麻酔が効いた頃合いでカテーテルを入れるためのもう少し太い筒、シースが入る。シースはボールペンの替え芯くらいの太さと聞いていたが、これも麻酔効果なのか最初にややグリっとした圧迫感があった程度ですぐ慣れた。
「今から造影剤入っていきますね、気持ち悪いとか痛みがあるとか異常を感じたらすぐに仰ってください」
看護師さんの声かけで、もう脳血管にカテーテルが到達してることが判明する。検査で一番気にしてた、局部麻酔だからカテーテルが動脈を通る感覚があったらめちゃくちゃ嫌だな!?っていう心配がまるで杞憂でびっくりしていた。何の感覚もない…人間の動脈って太いんだな…医学はすげえや…。
そんな謎の感動をしつつ、検査室が寒いせいで腰痛がややたいへんなことになっているなどする。局部麻酔もうちょっと範囲広くしてくれてもよかったのよ。

以下、撮影中で興味深かったことなど箇条書き
・検査中定期的に血圧を測られており、読み上げられる数値がどのタイミングでもハチャメチャに安定していてほめられた。寝不足なうえ緊張してた割にはド安定フィジカルで何よりだよ…。
・造影剤注入と撮影のタイミング、目を閉じていたら左から右にかけて黄金の細かい稲妻っぽい模様が走り蒔絵のようで綺麗だった(検査担当医の先生いわく、赤くなったり異音がしたり人によって反応は様々らしいのでみんなに聞いてみてるとのこと)。今思えばあの模様って血管そのものの形かもしれない。ちなみに造影剤が入るタイミングは熱さを感じることがあると説明されていたがそれもあった。感覚として熱燗キュッといった時のアレにとても近いので悪くない。
撮影中にクシャミ出なくて本当ーーーーに良かった(大丈夫なのか聞きそびれててこれはガチでビビってた)。

そんなこんなでトラブルもなく検査は無事終わり、止血処置と穿刺部の固定がされる。
絆創膏で固定していきますねー、6時間は絶対安静なので気をつけてくださいね」
絆創膏…?絆創膏で固定出来るの…?動脈やぞ…?と( ‘ᾥ’ )顔したのもつかの間、出てきたのはおにぎり包む竹の皮かと思うくらいのでかくて太いなんかすごいやつだった。それを3枚使って腰部分をそりゃもうガッチリと、骨盤も閉まりそうな勢いで固定してくれた。

ただいまー(何も出来ねえ)

というわけで午前中のうちに検査は終わり、正午くらいに病室へ戻ることが出来たのだが、前述の通り脚(特に膝上)は動脈にでかい穴を開けたため6時間絶対安静、ベッドを角度つけて起こすのは最低でも3時間以上経ってからときた。つまりお昼が食べられない問題が発生する。担当の看護師さんがとてもすまなそうに「起こせる時間になったら食べられそうなもの持ってきますね…」って微笑んでくれて逆に恐縮してしまった。去り際に冷蔵庫のポカリを吸い飲みに移してくれて恋に落ちそうだったよ…やさしい…。
戻ってきた時間もあいまって病棟はお昼ご飯の配膳が行われており、脳神経外科の病棟だから食事は極端に制限のない通常食の方がほとんどだったのかまあ美味しそうな匂いがするよね。つらい。

ビスコを読もうにも本を置いてある棚には手が届かず、左腕は点滴、右手はパルスオキシメーターが挟まれて中指が使えず、出来ることといえばスマホでTLを見つつエコノミー症候群予防に足指をウネウネ動かすくらいであった。この時ほどFF14にログインして無心に砂を取ったり薬湯を作ったりしたいと思ったことはない

ほどなくして夫が来てくれたので、冷蔵庫からポカリを足してもらったりパンを食べるのを手伝ってもらったりして、こういうなんでもない頼みごとが気楽に出来る間柄ってありがてえなあとしみじみするなどした。

退院までの流れをこの回で書き切ろうかと思ったけど、長くなったのでもうちょっとだけ続くんじゃよ。


※1
入院してからTwitterのパイセン諸氏が教えてくれたのですが、差額ベッド代の支払いが難しく希望出来ないから同意書にサインしない、という意思表示があれば払う必要はなかったようです。病院によってまちまちだと思いますが、次のために覚えておこうと思います。パイセンの皆様サンキューな!!!

※2
3000円くらいでした。もちろん部屋の収容人数や施設の内容でピンキリです。ドラマで政治家がマスコミ逃れに入ってそう(偏見)な個人のシャワールームやトイレがある一人部屋までいくとすごいお値段でしたわよ( ‘ᾥ’ )

※3
錆喰いビスコは…いいぞ…今回の入院で全然読めてないけど…

※4
つけっぱなしの点滴針はある程度慣れたけどチューブがびっくりするほど長かったのと、生まれて初めての尿管カテーテルがそりゃもう違和感の塊で腹巻き負かされたネゴヂャンのごとくへっぴり腰でした。あとで書くと思うけど今回の検査で一番しんどかったの間違いなく尿管カテーテルにまつわる一連の流れだった。

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