一年の挨拶
私の住む町内会は資源ゴミの回収を月に1度の朝にしている。
そして1年に一度、町内会から資源ゴミ回収場所の当番を割り当てられる。
そして、そのメンバーは毎年同じ。
「ご無沙汰してます。今日はよろしくお願いします」
年に一度、名前と顔が一致しない定年を過ぎたオジさん、オバさん達と顔を合わせる。
不思議と一年会わなかったりする。
そして手が空くと「子供さん達は何年生になったの?」などと差し障りのない会話を楽しむ。
今日はその当番の日だった。
雨の中、傘を肩に掛けながらも少し腰の曲がったおじいさんやおばあさんも資源ゴミを出しに来て、「雨の中大変ね、ご苦労様」と声を掛けられる。
私からすれば雨の中でもゴミをちゃんと出しに来る年配者達に感心させられる。
私も甘えていちゃダメだな、うん。
子供が同級生の顔を見知ったママさんに
「久しぶりだね!元気だった?」と声を掛けられた。
子供が中学生にもなると、ましてや高校生になったら、あれだけPTAや子供会で顔を合わせていたママさん達でもほとんど会わない。
ましてやコロナ禍だしね。
「元気だよ、ありがとね。
あけましておめでとう、だね!
来年もよろしくね♪ 」
私がそう言うと、それを聞いていた知らないおばあさんが笑った。
「来年分まで挨拶をしちゃうのかね。」と。
楽しそうに笑っていた。
何がおばさんのツボにハマったんだろうか。
不思議とその後の雨の中の作業は、ビタビタになったのにも関わらず、気分が良かった。
当番の終わりの時間がきた。
「お疲れ様! じゃ、また来年ね〜!」
当番のおじさんとおばさんたちと別れた。
来年も会いたいです。
だから元気でいてください。
…あ、そういうことか。
来年の資源ゴミ当番が早く来ないかな。
楽しみだ。