なぜ僕の生活にラジコは馴染み、大阪チャンネルは馴染まなかったのか
お笑いが好きだ。その楽しみ方は人それぞれではあるが、お笑いを好きな人は多い。そして近年、より一層楽しむためのコンテンツは様々な形で流通している。お笑い好きにはたまらない世の中である。その中で、最近ラジコと大阪チャンネルにチャレンジしてみた。
コンテンツが充実している有難い時代
確かに、一昔前ほどはテレビでネタ番組を観る機会が少なくなったように思う。ただしそれは、お笑い番組の人気が減退しているということを意味するわけではない。やはり根強いお笑い人気は続いており、そのようなターゲットにコンテンツを提供する場が、テレビだけではなく、他のチャネルに広がっているのである。そんな中、同じくお笑いが好きな友人の勧めで、ラジコと大阪チャンネルにチャレンジしてみたのであった。
お笑い芸人の番組が多いラジオ
ラジコとは、ネット回線を使ってスマートフォンやパソコンでラジオ放送を聞くことができるサービスである。ライブ放送を聴けるのはもちろんのこと、「タイムフリー」「エリアフリー」は非常に魅力的である。「タイムフリー」とは、過去1週間に放送された番組を聞くことができるサービスで、特に深夜のラジオをリアルタイムで聴くのはハードルが高い、という場合に有難い。「エリアフリー」は有料会員向けサービスとなるが、通常自分がいるエリアの放送しか聴くことができないところを、全国のラジオを聴くことができるようになるものだ。
そしてラジオでは、数多くのお笑い芸人がレギュラー番組や期間限定の番組を担当している。
南海キャンディーズ 山里亮太
「JUNK 山里亮太の不毛な議論」
ハライチ
「ハライチのターン!」
オードリー
「オードリーのオールナイトニッポン」
アルコ&ピース
「アルコ&ピース D.C.GARAGE」
四千頭身
「四千頭身のオールナイトニッポン0」
中川家
「中川家のオールナイトニッポンPremium」
ここには紹介しきれていないほど、多くの番組がある。ネタをやるわけでもないし、いつもいつもゲストがいるわけでもなく、本人たちが喋り続けなければいけないが、だからこそ彼らが持つ面白さがより一層際立つ(と思う)。
ラジオは決して『オワコン』ではない
友人の勧めで上記のラジオ番組を聞き始めたわけだが、当初は自分の生活にラジオが食い込めるのか不安もあった。お笑いももちろん好きだが、決してそれだけが趣味ではない自分の生活に、ラジオが入る余地があるのか?と思っていた。
しかしそれは杞憂に終わる。「音声だけ」のコンテンツだからこそ、通勤中や家事をやっている最中、更にはゲームをやっている最中に楽しむことができる。スマートフォンの画面も占領しないため、「ながら」で楽しむことができる。通勤中に道端でニヤニヤしながら歩くことになってしまうことは増えたが、自分の生活にあっという間に馴染んでしまった。ラジコを利用し始めて1か月後にはプレミアム会員となっていた。
大阪のお笑い番組を楽しめる貴重な手段
大阪チャンネルもお笑い好きに人気のあるサービスだ。大阪チャンネルでは、特に大阪を中心としたエンタメ系のテレビ番組をスマートフォンアプリで楽しむことができる。特に関西圏外に住んでいる人にとって、大阪のお笑い番組を観ることができるのは有難い。他県でも放送されていないことはないのだが、数週遅れの再放送だったり、視聴できる番組は限られたりしている。そのような不満を解決してくれる素晴らしいアプリだ。
千鳥
「相席食堂」
アキナ
「吉本超合金A」
和牛・アキナ・アインシュタイン
「バツウケテイナー」
上記の他に様々なテレビ番組が放送されているほか、オリジナル番組や、ルミネtheよしもとなど劇場で行われているお笑いイベントの生中継などを視聴することができる。お笑いが好きな人々にとっては、より一層コンテンツを充実させることができる、素晴らしいサービスだ。特にここ近年「若手」に位置付けられる、全国区のテレビではまだそれほど露出が多くないお笑い芸人がものすごい勢いで人気を獲得しており(主観含む)、彼らの活躍をより多く観る機会を得ることができる。
スマホの画面を占領することへのハードル
しかし、結果から言うと、大阪チャンネルは今一歩僕の生活に馴染むことができなかった。その最大の要因は、「スマホの画面を占領する」ということだった。
大阪チャンネルを観ることができるのは、基本的にスマートフォンアプリに限定される。ひかりTVを契約している人のみ、パソコンやテレビで視聴することも可能だが、通常はスマートフォンアプリのみとなる。Andoridであれば画面分割に対応しているアプリもあるが、この大阪チャンネルアプリは画面分割には対応していない。スマホで様々なことができる現代だからこそ、スマホの画面を占領されるということはなかなかハードルが高い。バックグラウンド再生で聴くという手段もないわけではないが、ラジオと違い映像もあることが前提となっているコンテンツであるため、事実上音声だけで楽しむことは不可能であるように思う。
チャネルが増えると状況は変わる
視聴できる手段がスマートフォンアプリだけではなくなると、状況は変わってくるように思う。他の動画配信サービスがそうしているように、スマートテレビでの視聴が可能になったり、PS4やAppleTVにアプリを提供したり、パソコンで視聴できるようになったりすると、大阪チャンネルを楽しむことができるシチュエーションは格段に増える。
ただし、きっとそう簡単な話ではない。大阪チャンネルは吉本興業とNTTぷららが共同で提供している。チャネルを増やしてしまうと、現状パソコンやテレビで大阪チャンネルを観る手段を独占しているひかりTVは、その立ち位置を失うことになってしまう。また、配信するプラットフォームが増えるほど、アプリの開発や維持にかかるコストも増えることが考えられる。
当然大阪チャンネルもボランティアで配信しているわけではなく、ビジネスとして収益をあげなければならない。吉本興業とNTTぷららの両者に、ビジネスとしての狙いやメリットが無いと、チャネルを増やすなどという話にはならない。配信する番組の内容に差をつけるとか、料金に差をつけるとか、やりようはあるのかもしれない。また運営側では既に議論されていることだと思うので、ユーザーとしてはその状況を見守るほかない。
お笑い好きにとっては幸せな環境
ここまで好き勝手に書かせてもらったが、お笑い好きにとってこのように楽しめるコンテンツの選択肢があるということだけでも本来は幸せなのだ。今回紹介したラジコや大阪チャンネルだけでなく、SHOWROOMなど他にも多くのプラットフォームから、数多くのコンテンツが提供されているその幸せを噛みしめながら、明日はよしもと∞ドームに行ってきます。