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やっぱりでんぱ組.incを推したいと思えた日

10人体制になったでんぱ組.inc

2021年2月16日、でんぱ組.incの太陽と言われた「えいたそ」こと成瀬瑛美さんがでんぱ組.incを卒業しました。その卒業ライブは、えいたそのポジティブさ、優しさ、温かさがぎゅっと詰め込まれた幸せな空間でした。

置き土産として、えいたそは「ポジティブ☆ストーリー」という曲を残していきました。

愛してて生きてるハッピー!
この世に満ちてるのだハッピー!
誰がこうしたの?
「でんぱ組.incー!」

でんぱ組.incを照らし続け、またでんぱ組.incを通して世界を照らし続けたえいたそだからこそ書ける曲でした。とってもとっても明るいのに、泣けてしまう曲です。

そしてえいたその卒業ライブで明かされた、もう1つの大きな発表は、「メンバー追加」でした。6人体制から1人が卒業し、今後5人での活動かと思いきや一気に倍の10人体制になることが発表されたのです。

隠せない同様と戸惑い

メンバー追加が発表されるとき、メンバーは全員舞台上からはけていて、音声だけが流れていました。残ったメンバー5人が楽屋でこれからのことを雑談している設定だったのですが、

なんかこの楽屋狭くない?

という一言をきっかけに雰囲気が変わります。そして、

「箱」が置いてあるからじゃない?

といったセリフが出てきます。この瞬間、多くのファンの頭には印象深いある光景が思い出されたでしょう。それは、跡部みぅさんが卒業した後に、「箱」から出てきてでんぱ組.incに加入した最上もがさんと藤咲彩音さんです。

「新メンバーか?」

しかし次の瞬間、その箱は5つあることが明かされます。その瞬間、

「5つも?だったらさすがに新メンバーではないか」

と思ってしまいました。まさにミルクボーイ状態。しかしいざ蓋を開けてみると(2つの意味で)、箱に入っていたのは新メンバー5名だったのです。

そして急に始まる10人でのパフォーマンス。自分を含め、その場にいたファンはさすがに戸惑いを隠すことができませんでした。とても温かい、この上ないハッピーな卒業ライブでめでたしめでたしかと思ったら、人数が倍になったのです。

これはそのライブでの動画ですが、正直なところライブ直後は見ることができませんでした。応援したい気持ちと、受け入れきれない気持ちの両方がありました。

確かに、メンバーの入れ替わりは初めてではありません。下記のように、メンバーの入れ替わりを経てでんぱ組.incは走り続けてきたのです。

2008 古川未鈴、小和田あかりででんぱ組.incの前身となるユニット「でんぱ組」を結成。
2009 相沢梨紗(西村めめ)、夢眠ねむが加入し、グループ名も「でんぱ組.inc」となる。
2010 成瀬瑛美(えいたそ)、跡部みぅが加入、小和田あかりが卒業
2011 跡部みぅが卒業、最上もが、藤咲彩音が加入。
2017 最上もがが脱退、根本凪、鹿目凛が加入。
2019 夢眠ねむが卒業、引退。
2021 成瀬瑛美が卒業、愛川こずえ、天沢璃人、小鳩りあ、空野青空、高咲陽菜が加入。

しかしながら、期間も長く初武道館ライブを行った6人体制に思い入れが強いファンも多いのです。そんな中、根本凪さん、鹿目凛さん加入以降の体制が馴染んで良い色を出し始めた矢先の10人体制だったと言えるでしょう。

僕は、引き続きでんぱ組.incの情報は追いかけながらも、本当にこれからも推し続けられるのか自分でも分からない状態で過ごしていました。

改めて伝わった決意と覚悟

そんな頃、えいたその卒業ライブで披露した「プリンセスでんぱパワー!シャインオン!」のMVが公開されました。10人のでんぱ組.incに向き合う怖さを抱えながらも、再生ボタンを押しました。

改めてこの曲を聴いたときに感じるのは、メンバーの決意と覚悟でした。この新たな船出は決して簡単な道のりではないことを自覚しながら、それでも進むことを決めたその意思が、歌詞の節々から伝わってくるのです。


Dreams come true?
夢が叶っただけで ハッピーエンド
そんなわけないっしょ!
あれもこれもしたいし
次の景色 見たいし
欲張りなの!

曲の前半は新メンバーを中心として「夢が叶った」という趣旨の歌詞を歌い上げるのですが、曲の半ばからトーンは一変します。ここからがスタートであることを改めて告げます。


変わることは 変わらないためだから
もう 恐れない

圧巻は上記の歌詞を歌う3:00。しかもこのパートを歌うのは古川未鈴さんと相沢梨紗さんという、現メンバーの中では最も長く在籍している2人。様々な変化を経験し、乗り越えて今に至ってる2人だからこそ、その言葉に重みを感じます。


状況ガンガン変わって
二転三転四転したって
脈々と 受け継がれしプライド

そして例えメンバーが変わっても、でんぱ組.incとしてのプライドは受け継がれており、変わらないという決意がラストのパートで歌い上げられます。

こういった歌詞を聴いて、自然と涙が溢れ出てきます。MVの中に出てくる「ダーツ」の光景もそれを増長させます。

批判やファン離れは覚悟のうえで、大好きなメンバーが歴史を紡いできた「でんぱ組.inc」を続けるために、彼女たちは「変化」を決意したのだということを改めて突きつけられるのです。

その様子は、以下の記事でも描写されています。

もふくちゃん : それでメンバーに「すみません。解散という運びになりました」って言ったら「絶対やだ!」って言われたんだよね。(中略) 意外とみんな引きさがらなくて。「解散したくない! 続けたい」みたいな。みりんちゃん(古川未鈴)は具体的に「新メンバーをいれたい」って言って。

受け継がれてきたプライド、それは

そして今、改めて思い出すシーンがあります。

それは2014年、でんぱ組.incが初めて武道館に立ったときに古川未鈴さんが言った言葉。

「私たちがやってきたことは、間違ってなかった」


理想と現実のギャップに直面し、困難に向き合いながらも、なんとか自分たちやファンを信じて活動をした結果に掴んだものがあった、そんなことを指し示す言葉です。

そして今、でんぱ組.incは新たな困難に立ち向かおうとしています。決して簡単でないことはわかったうえで、自分たちを信じて走り出そうとしています。

そう感じたとき、「これこそが受け継がれてきたプライドだし、これを応援したい」と思うことができるようになっていました。

今、とてもホッとしています。新しいでんぱ組.incを心から推せる。なんて幸せなことでしょう。彼女たちと一緒に、もっとたくさんの新たな景色を見ることができると思うと、とても楽しみです。



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