言っていいことと悪いことがある、てだけだからシンプルなはずだ
一昨年の夏の思い出。
仲の良い男性同僚2名が、仲良くほぼ毎週末呑み歩いてることを「ホモだホモ!」て囃し立てて、言われてる方もけらけら笑ってるって状況が、職場の宴会であったんですよ。その話をしてるのが全員、同期か後輩だったので、ほんとに軽い調子で「こーら。そゆことは、笑いのネタにしちゃ駄目。言っていいことと悪いことがあるよ、めっ!」て言ったんですよ。アルコール入ってるからへらへらしてるし、がっつり叱れてはいないし、なんなら幼児の叱り方じゃん。でも、言っていいこと悪いことはあるじゃないですか?そのふたりが恋愛関係でもそうじゃなくても、セクシャリティは笑いのネタにするもんじゃないし、セクハラパワハラじゃんねーって。
みんな素直だから「はーい」てなもんで、「ちなみに、先週はふたりで馬刺し食べました!」てやっぱり一緒に出掛けてたふたりの話に戻って、馬刺し食べたいお店どこ行ったの?て話が移っていったですけど。
その場ではそれだけだったんだけど。
「すごいなぁ、て思ったんですよ。僕には言えないからなぁ」
その翌月の、宴会にて。私自身も忘れていたそのやりとりを聴いていて、わざわざ私に声をかけてくれたひとがいました。しっかり話をしたのは、その日がはじめてくらいの、転勤してきたばかりの方でした。年は向こうが4つ下。歳下だけど、立場は上のひとなんでてっきり苦言でも呈されるかな、やっべ。ってなってたからびっくりしたのだ。
「まぁ、みんな同期か下だったんで…」 「いや、それでもえらいですよ。」 まず、笑ったら駄目なことだって言えるのがすごい。えらい、て。
いや、めっちゃ誉めてくるやん…。私、すごい普通なことしかいってないのに。
いや、めっちゃ普通やん…??ならぬものはならぬやん???
言っていいことと悪いことがあるのだ。
「そうなんですかねぇ…。いやぁ、でも誰かが誰かを好きなことって、絶対素敵な尊いことじゃないですか??性別ごときでなんか言うことじゃないと思っているので」
「性別ごとき、かぁ…。いいねぇ」
「だって、意味なくないですか??」
「意味、なくはないけどねー。…色々あるからねぇ」
色々、とは。
いかんな、これは慎重にいかないといけない。
わからんが、わからんがな…?なんか、某かの!痛いことがあった、んじゃない??
あったんじゃないん???
…。などと、思って。
思ったところで、なにも言えず。
めっちゃへらへらしてしまった。
へらへらしてたら、「セクハラとかパワハラとか、ちゃんと「駄目なこと」て言える先輩でいてね」と完全世間話ノリでしめくくられてしまった。
あぁ、なんだろ…もうちょい、私にコミュニケーション能力があったら話せてたこともあったか。
そんだけの、ことだけど。
そんだけだったけど。
なんか忘れられない。