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カードファイト❗️❗️ヴァンガード オリジナルストーリー【双翼のレゾナンス】原稿2
これは、セーウチchで投稿されたヴァンガードの対戦&物語動画、双翼のレゾナンスの原稿です。セリフが変わった場所、本編未登場の語り等を楽しんで頂ければ幸いです🎵
ネタバレを多く含む可能性がありますので、本編を3話全て視聴されたうえで、ご覧になることをオススメします。
それでは、どうぞ✨
更に、本来は凌駕の宿命者との物語が、万化の運命者との物語に改編された、1番印象が本編と違うものになっています🎵
その部分もお楽しみ下さい👍️
凌駕の時(万化の時)
<夢パート>
「お邪魔するわ」
リィエルが話しかけてくるこの状況は
自分が深い眠りの中に居る証拠だ。
彼女との時間は心が落ち着く。
「あぁ、今日もありがとうなリィエル」
「いえ、貴方の求めた場所まで・・・もう少しだから」
「あぁ・・・そして、運命王を倒す」
「・・・安心して、貴方をレザエルの所まで連れていく」
心強い相棒だ、でも彼女の言葉は何処か自分とズレている気がする
ボクは運命王を倒すと言った、でも彼女は連れて行くと言った
別に疑う訳ではないが、腹を割って話すことも大事だと思う
「なぁ、リィエル。本当に、レザエルを倒せばリルは取り戻せるんだよな?」
「時を戻して、別の時間軸として、再スタートできるんだよな?」
確認の為だけど、最初に会った時に聞いたことをもう一度問う。
「運命王の莫大な力、そして私たちの集めた宿命力と運命力を合わせれば、時を戻すことは可能なハズよ」
「もう一度、御伽噺をしてあげる」
<聖竜と邪竜の戦いについて>cvリィエル
かつて、世界の裏側で聖竜と邪竜の戦いがあった。壮絶な戦いの果て
双方は相討ちとなって地上に墜落した。これは人間には観測不可能な領域の話
墜落の衝撃で世界は2つに分断された。1の世界には運命者が、2の世界には宿命者が
運命者は6人集まったけど、宿命者は5人しか集まらなかった。
どちらの世界も均衡が保てなくなっていき、自然災害という形で崩壊し始めた
運命者たちの王と、宿命者たちの王が誕生し、それぞれの想いを持って世界を救おうとした
でも、不参加の宿命者分の力が仇になって、宿命王には力が僅かに足りなかった。
その結果、運命王の力が世界を救う事になった。それぞれの世界で恐らく同時期に起こった
力を束ねる戦いは、こうして終わり、私が今になって目覚めた
<夢パート>
「そして、ボクと出会った・・・ということだよな」
リィエルには、まだ宿命力が残っていたが、願いを叶えられる量ではなかった。
だからこそ、宿命者や運命者を倒して、その力を奪うと決めたのだ。
「でも、宿命王・・・レヴィドラスが戦いもせずに力を渡すなんて・・・」
「君たちの行く末を見守る・・・だったわね」
そう、レザエルと同等の存在であるレヴィドラスは、力を譲ってきた
莫大な力はその時も健在のようで、リィエルと出会った日、ボクの夢の中に現れた時は驚いた
無限の所有者は現在療養中のようで、今の状態で激戦は危険とレヴィドラスは判断したらしい。
そして、頭数が足りなかった宿命者が現れた事で、世界も何かの辻褄合わせようとしていると
推理しているようで、目的がはっきりしている者に後を託すという意向もあるようだった
宿命者たちだけの力で願いは叶うかもしれない、でも運命王が抵抗しないとも限らない
王の力を2つ合わせた莫大なエネルギーを使うことで、願いの叶い方が変わる可能性もある
そして、運命王に対するボクの感情を消す事など、今更できない
「でも、貴方の大切な人は・・・」
「あぁ・・・彼女は何も悪いことしてないんだ・・・なのに・・・」
「・・・多分、その人は、貴方に前を向いて・・・生きてほしいと思う」
「そうかもな・・・ボクのやっていることは、前を向いているようで過去を見ているかもしれない」
両手に力が入る、悔しさや疑問・・・その他の感情がぐちゃぐちゃになるのを抑えるように
「せめて・・・リルが消えてしまった理由だけでも・・・いや・・・リルの本当の名前だけでも・・・知りたい」
「ごめんなさい・・・私、本当は・・・」
「本当は、こんな戦いをしなくて良いように、導くべきだったよね」
「リィエルは悪くない、ボクが望んで。決めたのもボクだ」
無意識に顔を伏せる、夢の中とはいえ、今の酷い顔を
見られるわけにはいかない、相棒の前で弱さを見せるわけには
「・・・・貴方は・・・泣いていい」
その言葉で、今まで耐えていたものが崩れる音がした
<リィエル視点>cvリィエル
彼は泣いた、いやようやく泣くことが出来た
失ったものを取り戻そうと戦って、大きなものを背負って
過去を変える罪、今生きている人々の歴史を否定する行いが
許されないものと分かっていても、時の奇跡を求める事を選んだ
優しくて、雪の冷たさを忘れさせてくれる様な暖かい人なのに・・・
大好きなヴァンガードで、嫌な気分になりながら進まなくてはいけない
私と戦うことで、彼の願いは叶うかもしれない
でも、彼が本当に望んでいるものは、運命王を倒すことでもなく
大切な人を取り戻すことに近いだけで・・・ただ、純粋に
「・・・リルに、会いたい・・・」
会いたい・・・そんな願いさえ、何故こんなにも叶える事が難しいのだろうか
<現実パート>
夢の中とはいえ、号泣したおかげか気持ちは少し軽くなっている
情けないところを見せてしまったが、受け止めてくれた相棒には
感謝しかない。・・・ずっと背中に手を当て続けてくれてたな
「あ~~、その、昨日はありがとな・・・リィエル」
今は会話できないが、デッキを取り出しカードに語り掛ける
さて、今夜も戦いが始まる・・・・日中は普通の学生として過ごそう
<夕方>
校舎裏
「流石に早く着き過ぎた・・・まったく、校舎裏に呼び出しって、カツアゲかよ」
戦いの舞台もとい、対戦相手と出会う場所は、その日の朝にイメージが流れ込んでくる
今回は、偶然にもかつての母校だったというだけ
「告白ってパターンもありますよ?」
「元気そうだね、少しは寝坊癖治ったのか?ユイカ後輩」
「お前がボクに告白してきたら、ある意味心配する」
どう考えてもボクに告白する訳がないが、慣れ親しんだ後輩とこんな形で会うとはな
「な、治りましたよ?・・・多分。というか告白ネタはスルーですか!私、ずっとフリーですよ?優良物件ですよ?」
「聞いてねぇよそんなこと・・・」
「・・・・・えっ?彼氏さんいるんじゃ?」
「あれ、ただ言い寄られてただけですよ?ストーカーに発展したから退学処分になりましたけど」
「・・・・お前も大変だったんだな」
「いやまぁ・・・って、先輩は私が彼氏居るって思ってたんですか!?」
「だって・・・ユイカの友達さんがそう言うから」
「うわっちゃ~~、そんな根回しまでされてたのか~~」
「・・・・お前も何も言わないから、てっきり・・・」
まぁ、数少ない女子部員でかつ同じような趣味って事で親しみやすかったけど
それ以上の感情は芽生えなかったな。ユイカはどう思ってるか知らないが
「まぁ、そういうすれ違いもあるか。コミュ力低くて悪いな」
「ま、過去のことです。グダグダ言っても戻りませんよ。」
「あ、そうだ!部員がかなり増えたんですよ。1ヵ月後には公式大会にチーム組んで参加します!」
カードゲーム部、懐かしいな2年程前のことなのに、少し遠く感じる
ユイカは学年が2つ下で、ことあるごとにボクに挑戦してきた
きっと強くなっただろうな・・・環境に通用するのも時間の問題だったし
「そうか、そいつは良かった・・・さて、そろそろ」
「昔話もしたいが・・・ユイカ、分かってるんだろうな?」
「はい、対戦ですね!望むところです!」
「私は、ずっとあなたを超えたかった。本気の本気で戦う先輩を」
「凌駕の宿命者をもって、貴方を倒します!」
「それは世界の為か?それとも・・・」
「私の為です!別に今世界は危機に陥ってないんでしょ?」
「だったらとことんぶつかりましょうよ!」
「それとも大切な人を取り戻すって願いは、嘘ですか?先輩は悪魔の手先にでもなりましたか?」
「この願いは本物だ。あと、ボクは操られているわけでもないよ」
「「スタンドアップヴァンガード」」
<以降クリスレインでのセリフに改編済み>
「やっぱ強いですね。こんな神速の攻めなんて初めて見ました!」
「カードゲーム部にも、こんな人居ないですよ!」
「決めた!今からセーウチさんは、ユイカの師匠です!」
勝手に弟子が誕生してしまった、いや待て、ボクは敵だぞ?
「あ、ご心配なく!彼女さんとの邪魔はしませんから!」
「次の大会でチーム優勝したいんですよ!是非とも色々教えてください!」
無邪気さが眩しい。こんな風にリルと笑顔でヴァンガードをしていた記憶が蘇る
本来なら、すぐにでも立ち去りたいが・・・多分、一人のヴァンガードファイターとして
ボクを純粋に見てくれた事が、少し嬉しかった。お礼という訳じゃないが
「じゃあ、先ず。クリスレインにライドしたターンにディヴァインスキルの発動も視野に入れたほうがいい」
「あの時なら、相手に完全ガードを使わせる攻撃と自分の手札を増やす動きが優先だ」
「完全ガードをコールしていたし、シールドが上がるユニットも居ただろう?」
「未知の相手なら最速で詰めて、持つべきガード値は10000程高く見積もるんだ」
「インターセプトが無かったから、尚更、盤面より手札を優先する状況だったかもな」
しまった、つい色々言ってしまった。この子は強くなると、無意識に感じたのだろう。
でも、流石に気持ち悪い野郎だったかもしれない・・・・後悔しても遅いだろバーローが
「ほ、本当だ!師匠の言うとおりだ!」
「変なところで妥協しちゃったなぁ~~」
「自分なりのタイミングもあるけど、ちゃんと変わりゆくファイトの状況を把握しないと!」
「そうだ。自分のファイトをしながら、変わりゆく中でもペースを逃がすなよ?」
「はい!師匠!あ、連絡先を教えあいましょう!色々落ち着いた頃に連絡ください!部活に招待しますから!」
おいおい、流石に女子高校の連絡先を知っていいのか?
まぁ、悪用厳禁として。本気みたいだし、これもお礼ってことで
とりあえず自分に言い訳しながら、連絡先を交換した。
「じゃあ、気を付けて帰れよ?」
「師匠、またファイトしましょうよ。次は思いっきりの笑顔で!」
一瞬だけ、あの頃に戻った気がした。ボードゲーム部でのファイトも本当に楽しかった。
リルを招待しようかと、密かに計画してたんだよな。野郎達には何を言われるか分らんが
「あ、もしも師匠が道を踏み外したら、全力で止めますからご安心を!」
「・・・まったく・・・・その時は頼むよ」
「はい!お任せあれ!」
ボクはユイカに背を向け、来た道を戻る
今までの様な嫌な気分は、限りなく少ない
何か別物の安心感があったのだろう、最悪の場合になれば
ボクを止めてくれる者の存在が居るという介錯が着いたような
でも、ボクに介錯は着けてはいけない。ちゃんと受け止めるべきだ
時を戻す事は、この今も否定する事で、到底許されることじゃないのだから
「あ、ちょっと待ってください!」
ユイカが慌てた様子で、駆け寄ってくる。
やはり家まで送ったほうが良いか、などと考えた時だった
「師匠、いつからダークステイツのデッキ使ってましたか?」
「えっ?リィエルと出会ってからだけど・・・これしかダークステイツは持ってない」
「ボクがずっと使っているのは、ケテルサンクチュアリだがな」
「・・・・おかしいですよ、それ」
「宿命者と運命者の所有者は、本人の魂ともいえる国家に属したカードと出会うんです!」
「クリスレインから、そう聞いたのか?」
「はい!師匠は守護の宿命者と戦いましたか?」
「あぁ、最初の方にな」
「やっぱり・・・。私、先日無双の運命者さんと偶然戦って、その人たちも出会い方の条件が同じなんです」
「なら、ボクとリィエルの出会いは」
「本来なら、あり得ないんです!」
「・・・・じ、じゃあ、どうしてボクはリィエルと・・・」
「それは・・・わかりませんが・・・」
「辻褄合わせ・・・・レザエルの所に連れていく・・・」
見ず知らずの対戦相手の発見、特殊空間の使用、リィエルとボクの目的の違和感、点が線で繋がる感覚を覚えた
全てを理解できている訳じゃないが、一つだけ、分かったような気がする
この戦いの真実は・・・リィエルが知っていて
運命王は待っているんだ、ボクが目の前に現れるその日を
以上が【万化の時】もとい凌駕の時の原稿です🎵
ありがとうございました❗️