2024/05/27(月)絶対に忘れてはいけない悔しいこと。【イギリス留学】
留学先で出来た唯一のインド人の友だちに連れられ、バーミンガムのショッピングモールへ赴いた。
彼はつい2週間前に渡英してきたというのに、持ち前の明るさと流暢な英語で既に沢山の友だちと過ごしている。
彼の仲間である10人ほどの青年たちと合流し、ありがたく輪の中に混ぜてもらった。
合流早々、どこへ向かうのか分からないまま全員が一斉に歩き出す。
近くにいたメンバーにそのことを訊いてみると、「何やるにしてもお金はかかるからな。でも歩くだけやったらお金はかからへん。」
と答えてくれた。
なるほど、日本では友だちと出掛けるとなれば「居酒屋で飲む」ことや「カラオケに行く」ことが付随するが、この国の人たちは「何かをする」ことより「仲間と共に時間を過ごす」ということに重きを置いているのだろう。
素敵な文化だと思った。
何をする訳でもなく1時間くらい歩き続けていたのだが、ふとした瞬間、グループの数人が消え去ることが頻繁にあった。
戻ってきたメンバーに
「どこ行ってたん?」
と訊いてみると、
「可愛い子おったからナンパしてた。あかんかったわー。」
と屈託の無い笑顔で返してきた。
「自信すげーな。俺そんなんよーやらんわ。」
と言うと、
「考えてみろよ。相手も俺らと同じ人間だぜ?何もビビることなんてないわ。」
と言って胸高らかに歩みを進めていた。
どうやら彼らから学べることは多そうだ。
ここまで一見、僕自身がグループに馴染んでいるように感じるかもしれないが、全くもってそういう訳では無い。
「(あいつ全然英語喋れねえな)」
と見切りをつけられた瞬間、僕はひとりぼっちになった。
僕以外の9人が楽しそうに話す。
ちょっかいを掛け合って笑っている。
しかし、その輪に僕はいない。
人は大勢いるのに孤独を感じる、この上なく悔しい感情になった。
英国の日常である霞んだ雲から零れた太陽の光が僕の涙腺を刺激する。一刻も早く時間が過ぎ去ることを願いつつ、涙を堪えて彼らの後を追った。
この悔しさを忘れてはいけない。
仲間だと認めてもらうには並の英語力が絶対に必要だ。
いつだって僕を強くさせる原動力。それは「負けてたまるか」と言わんばかりの反骨心だ。