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イテウォン(梨泰院)ソウル転倒事故から1週間(2022年11月6日時点)〜韓国社会が垣間見える瞬間
どうも!
セイタです!!
北京大学で社会学を学んでいます!
今回の記事では、2022年10月29日に発生したソウル転倒事故から1週間後の韓国イテウォン(梨泰院)の様子について書いていきたいと思います。先に断っておきますが、自分は韓国文化についてきちんと勉強したわけではありませんので、考察や推測が誤っている可能性があります。その場合はコメントで教えていただけると幸いです。
ひょっとするとイテウォン(梨泰院)のことやハロウィンに何が起きたかを知らない人がいるかもしれないので、簡単に紹介しています。知っている人はいきなり「イテウォン(梨泰院)ソウル転倒事故の一週間後の様子」から読んでいただいて問題ありません。
イテウォン(梨泰院)ってどんなところ?
まず、場所に関してなのですが、以下のエリアがイテウォン(梨泰院)となります。狭義の意味では、イテウォン(梨泰院)駅周辺を指し示すようです。
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雰囲気は以下の写真のような感じです。
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海外の方が多いためか、この周辺には輸入品店やエスニック料理のお店が多いです。日本でいえば、渋谷と六本木の中間をイメージしてもらえればいいかなと思います。
自分はグーグルマップで評価の高いこのお店に入って、サンドウィッチを食べました。この辺の店は内装外装おしゃれな店が多いので、デートとかに使いやすそうです。
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ハロウィンで何が起きたの?
ハロウィンの日に何が起きたのかを紹介するNHKのニュースを見ていきましょう。
韓国ソウルの繁華街イテウォン(梨泰院)で10月29日夜遅く、ハロウィーンを前に訪れていた大勢の若者が密集し、折り重なるようにして倒れる事故が起きました。日本人2人を含む154人が死亡した今回の事故、いったい現場では何が起きていたのでしょうか?
(中略)・・・
事故が起きた10月29日午後10時15分ごろ、現場やその周辺には数万人が集まっていたとみられ、突然、坂の上の方から次々と折り重なるように人々が倒れていったということです。現場にいた人は韓国メディアの取材に対し「みんなで『押さないで』と声を上げたが、突然悲鳴に変わった」と混乱した様子を語っていました。
概略だけ伝えれば、ハロウィンの日に多くの若者がイテウォン(梨泰院)に集まってしまい、そこで154名の方がなくなる事件が起きたということです。
この事件が起きた理由には、警察の対応やホテルの違法建築などのミクロてな点から、群集心理や政府の危機管理能力などのマクロな観点から様々な分析がなされています。
興味がある人はぜひいろいろと調べてみてください。
イテウォン(梨泰院)ソウル転倒事故の1週間後の様子
それでは、本題に入ります。
自分は意図したわけではありませんが、2022年11月3日から韓国に滞在しており、11月6日にはイテウォン(梨泰院)を訪れました。
もともと韓国ソウル在住の友人からは、「今はイテウォン(梨泰院)に行っても何もないよ」や「自分も事件の次の日には献花してきた」、「すべての店が政府の方針でCloseしている」などの話を聞いてはいました。ただ、このような国際的に関心の高い事件が起きた際に、その現場に立ち会わせることができたので、何かの縁かと思ったので訪れることにしました。
僕は裏通りから現場を訪れたのですが、異様な雰囲気でした。第一に、ほとんどの店がCloseされているため、昼間なのに異様な静けさが漂っています。
※現在は平常運転しています。
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この写真は事件が起きた場所の裏通りです。事件が起きた場所は警察官に固められていて、入れないようになっています。
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こちらは閉店している店の一つです。
第二に、かなりの見物人がいます。不思議なのが、ずっと突っ立って花を見ているだけの人がかなりいることです。ひょっとすると遺族の方なのかもしれませんが、そんなに悲壮感が漂っていなかったような気がします。
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第三に、警察官が尋常じゃないくらいいました。上記写真に写っている範囲だと、そんなにいないように感じるのですが、自分がこの周囲を探索したところ、50人くらいいました。特に警備するわけでもなく固まっている警察官が30人くらいいたのが今でも謎です。
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このように事件現場は入れないようになっています。
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ここが事件現場です。そもそもこの狭いエリアで154人の犠牲者が出たということが信じられないです。実際はその何倍もいたというのだから、如何に過密していたかが伝わるかとおもいます。
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この三枚の写真は献花している場所になります。多くの人がここに献花していました。自分の近くの花屋さんで3,000ウォン(300円)の花を買って、献花しました。
飲料水や食べ物をそなえている人もいました。
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こちらは亡くなった方へのメッセージになります。日本語のメッセージや英語のメッセージなども一部ありました。留学生が一定数犠牲になったことがわかります。
この献花をしている表通りで1点気になったことがあります。それは、大声で何かを訴えている韓国人が二人いたことです。最初、遺族の方が肉親を亡くしたことを嘆き、恨み言を言ったり、このような事件が再発しないように訴えかけているのかなと思っていました。
ただ、ソウル在住の友人に話を聞くとそういうわけではなさそうです。韓国ではこのような事件が起きると、どういうわけか野党と与党の政争になるそうです。たとえ、事件との関連が薄かったとしてもとにかく政争の具となるそうです。
韓国のこのような現象に興味がある方は下記の記事をご参照ください。
梨泰院ハロウィン事故を早くも政争の具に、見ていて呆れる韓国の政治家
現場には遺族の安らかな眠りを祈るために、仏教徒が木魚を鳴らし続けていたのですが、とあるキリスト教団体が「この木魚を鳴らし続けていると、犠牲者が地獄に堕ちてしまうから、大きな声で歌って邪魔しましょう」と言って、邪魔していたという事件もあったそうです。
自分は不謹慎ながら、イテウォン(梨泰院)で献花した際に物見遊山のような気持が皆無だったとは言えません。それでも現場に訪れてみると、独特な雰囲気を感じることができたり、とある現象の背後に潜む日本とは異なる暗黙の了解や力学を知ることができたりしました。今回のイテウォン(梨泰院)訪問を通して、自分が如何に自らの先入観やこれまで身に着けた常識で物事を見ているかがわかりました。改めて「常識とは18歳までに身に着けた偏見」という言葉を強く意識して、今後の研究活動を続けていきたいと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
引き続きよろしくお願いいたします。