【ディメンションゼロデッキ紹介】黒単スージー
黒という色
ディメンションゼロの黒が得意とすることは、TCGの起源であるMagic: The Gatheringに概ね則っている。墓地を活用し、対戦相手の手札を破壊し、相手の(時には自分の)ユニットを破壊する。また苦手とするところも似通っており、場に出てしまったユニット以外のカード(ベース)に干渉することができない。
今回紹介するのは、そんな黒の専売特許を十分に活用した除去コントロールデッキだ。除去できないものなど、あんまり無い—―単色ならではの苦手分野はあるものの、それを補って余りある除去力と安定感を兼ね備えている。
デッキレシピ
キーカード
《人形遣いの休息》
墓地から3コスト以下の黒ユニットを蘇生する2コストのストラテジー。
このカードは蘇生したユニットにくっつき場に残るという、「結合」と呼ばれる能力を備える。場にある間の能力は、場の相手ユニットのコストを下げるというもの。黒には「○コスト以下の相手ユニットを破壊」といったカードが多いため、それらの除去範囲を広げられるのは非常に強力だ。
2コストで3コストのユニットを場に出せるのだから単純なコストだけでもお得で、蘇生対象に困らない便利なカードだ。
しかし、このカードには特に蘇生したい強力な相方ユニットが存在する。
《微睡む人形スージー》
デッキの顔といえるユニットで、《人形遣いの休息》とデザイナーズコンボを形成する。
単体の能力は、蘇生された時に6コスト以下のユニットを破壊するというもの。だが《人形遣いの休息》によって蘇生された時には、相手に自身のユニットを1体破壊させる追加の能力が誘発する。
つまり《人形遣いの休息》の結合能力と合わさることで、8コスト以下のユニット+相手が選んだユニットを2体破壊できる。2コストでこれだけのリターンを得られるのだから非常に強力だ。筆者は初めてプレイされた時、能力を信じられずにテキストを3回読み直した。
※注意点(少々ややこしいルールの話)
・対象の8コスト以下のユニットを破壊(以下A効果)
・相手が自身のユニット選んで破壊(以下B効果)
これら2つの破壊効果は同時に誘発するので、任意の順番でスタックに乗せることができる。スタックの乗せ方には注意が必要で、A効果→B効果の順にスタックに乗せると、逆順解決により解決順はB効果→A効果となる。この場合どうせ破壊されるならと、A効果で対象に取ったユニットをB効果の破壊先にされてしまう。こうなるとA効果の対象が不在となるため、結果として1体しか破壊できない。
「スタックにはB→Aの順に乗せ、解決順はA→Bとする」と覚えておこう。
《愛撫の魔煙フェザー》
破壊された時、3コスト以下のストラテジーを墓地から回収できるユニット。そう、《人形遣いの休息》を回収できるのだ。他にも手札破壊の《失恋の痛み》やリリースでユニットを蘇生する《暗黒の衝撃》など、幅広い選択肢がある。自身は4コストなので《人形遣いの休息》から蘇生できないが、あるカードを経由することで可能となる。
《墓掘公クローゼ》
3コストのユニット(つまり《人形遣いの休息》の蘇生対象)。
場に出た時、「墓地の一番上が」4コスト以下のユニットの場合、そのカードを蘇生できるという一風変わった能力を持つ。条件付きなだけあり強力な能力だ。
※ディメンションゼロでは墓地のカードの順番を入れ替えることはルールで禁止されている
このカードを経由することで、《人形遣いの休息》から《愛撫の魔煙フェザー》を蘇生させることができる。
《アルカード伯爵》
自身のユニットを2体破壊することで、墓地から蘇生できる大型ユニット。
2体のユニットが1体になるので単純な数では損になるが、このデッキには破壊された時に効果を発揮するユニットが数種類存在する。それらのユニットの能力を任意のタイミングで発動できるのは1つのメリットだ。
また《愛撫の魔煙フェザー》と《墓掘公クローゼ》が組み合わさることで、2コストで何度でも蘇生することができる。
条件:
手札に《人形遣いの休息》
墓地に《墓掘公クローゼ》《アルカード伯爵》
墓地トップに《愛撫の魔煙フェザー》
手順:
《人形遣いの休息》をプレイ
→《墓掘公クローゼ》を蘇生
→《墓掘公クローゼ》の効果で《愛撫の魔煙フェザー》を蘇生
→2体を破壊して《アルカード伯爵》を蘇生
→《愛撫の魔煙フェザー》の効果で《人形遣いの休息》を回収
《メロー・カード》
4コストのユニット。このユニットがいる限り、正規のプレイや移動以外で場に出た相手のユニットは破壊される。
相手のコスト踏み倒しの抑止力となる強力なシステムユニットだが、「場に出てから」破壊されるため、場に出た時の能力を防げないことに注意。ちなみに全ての色に同様な能力を持ったユニットが存在する。
デッキの特徴・戦い方
基本的な戦い方は除去コントロールだ。《人形遣いの休息》+《微睡む人形スージー》は高い効率でカードアドバンテージとテンポアドバンテージをもたらしてくれる。《愛撫の魔煙フェザー》を起点に墓地と場・手札でリソースの循環を行えるため、長期戦を戦い抜く体力がある。除去はユニットの能力によって行うことが多く、それも「場に出た時or移動した時」に誘発するものが殆どだ。そのため相手のユニットを減らしつつ、こちらのユニットが増えるシチュエーションが頻発する。ただ盤面の優位を確保しても、散発的なスマッシュはエネを与えるリスクになるため控えた方が良い。相手のデッキトップのカードを引かせたくない時、相手の「スマッシュが勝っている時」に強化されるカードを弱体化させたい時などに限定しよう。主な勝ちパターンは、相手が十分に息切れしてから小粒ユニットで殴りきる、相手のユニットを片端から除去してライブラリアウトを狙う、この2つだ。基本的に動きが受動的であること、スマッシュの入れ方を考えなくてよいことから、初心者にも扱いやすいデッキだ。
デッキの弱点
メインギミックを墓地に依存するため墓地除外は大きな弱点だが、除外されたカードを墓地に戻せる《突き刺す人形シェリー》で対応は可能になっている。赤いデッキと対峙する際は手札に抱えておくとよいだろう。
また、除去によって1:1・1:2交換を繰り返すデッキなので、1枚で1:N交換をするような大振りなカードを苦手とする。そういったカードはユニットかつコストを踏み倒されることが多いので、《メロー・カード》を場に維持できるかがカギになる。
最後に
非常に硬派で、黒らしいこのデッキ。苦手とする相手にも手札破壊のタイミングなど、戦い方次第で善戦可能だ。使い込めば使い込むほど味がするデッキとなっているので、是非とも手に取ってみてもらいたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?