日本の男尊女卑についての考察㊶(天皇家についての考察③第十一代①)
こんばんは、今回もまた
古代天皇家についての考察を
進めさせて頂きたいと思います。
よろしくお願いします。
今回最初にご登場いただく
天皇は
第十一代:垂仁天皇
在位:99年
年齢:139
この天皇もまた、とんでもなく
長期政権で、それに伴い
とんでもなく御長命で有られます。
しかし、、、やはり
真偽の程はかなり怪しい。
第二十六代:継体天皇に
酷似している逸話が多く
見受けられる天皇でもあります。
しかし、垂仁天皇の功績として
古事記や日本書紀に
見られる物語としては
かなりボリュームが感じられる
エピソードが目白押しです。
まずは、古事記から
垂仁天皇は皇后に
大和国(奈良)の狭穂の
(現在の奈良市佐保)
狭穂毘売
を迎え順調にサホヒメは
天皇の御子を宿しました。
そんな折、
宮殿に忍び込んだのは
サホヒメの兄:狭穂毘古
サホビコはサホヒメに
「其方は其方が兄と
其方が夫 いずれを
大切に扱えるのか?」
尋ねました。 サホヒメは
「兄様にございます。」
と答えました。
するとサホビコは
懐から短刀を取り出し
徐にサホヒメに手渡し、
「ならば、その思いの証を
示すのだ。 この刀で
其方の夫の寝首を
掻き、首を其方が兄の手に
必ずや渡しにくるのだぞ。」
とサホヒメにそう言い残し
宮殿を後にしました。
思案にくれるサホヒメ
すると夫である垂仁天皇が
宮に帰ってきて
寝室に入りました。
「我が后サホヒメよ。
其方は美しく、また気高く
そしてとても優しい。
今日は、其方が膝を
借りても良いか?」
そういうと垂仁天皇は
サホヒメの膝枕に
スヤスヤと寝息を
立ててしまいました。
サホヒメは躊躇いました。
大切な夫であり、民草の
光で有らせられる大王を
我が手にかけるなどと
しかし、大切な兄の願い
でもあると言う板挟みに
なってしまいました。
二度三度、
寝息を立てる垂仁天皇
に刃を突き付けようと
試みましたが、ヒメには
どうしても、それが出来そうに
ありません。
そう思うと涙が溢れ
留めど無く
流れ落ちてしまいました。
その涙が垂仁天皇の頬に
当たり、目を覚ます垂仁天皇
「いかがした?愛しきヒメよ。
そう泣いておっては埒が開かぬ。
我が頭を其方の膝に乗せたのが
心苦しかったか?痛かったのか?」
とサホヒメを慰め抱擁しました。
サホヒメは応えました。
「おお、なんと慈悲の
深い方でしょう。 大王の
お役に立てるならば
何も辛くも痛くも
ございません。
しかし、、、」
と全ての経緯をサホヒメは
垂仁天皇に伝えました。
サホヒメはそう伝え終わると
実家である。サホビコの宮に
走って入ってしまいました。
垂仁天皇は困惑してしまい
どうすれば良いか 全く
分からなくなってしまいました。
垂仁天皇は力の強い者を
厳選し命令します。
「其の方らよ。
なんとしても
謀反人サホビコの宮から
愛しい我が后を
救い出して参れ。」
一方、サホヒメは
愛する我が夫、垂仁天皇
のことは何でも理解が
出来ました。
しかし、同じくらい大事な
兄サホビコをどうしても
裏切れなかったのです。
ヒメは髻を
櫛でとき、長い髪を
全て剃り落としてしまい
剃った長い髪でカツラを
作り、頭に被せて
腰紐を腐らせて弱くし
さらに切れ目を幾筋も
刻み、身につけて
垂仁天皇が放った兵を
待ち構えていました。
そこに訪れた力のある
兵士が宮に向かって
きました。
「ヒメ、その子と共に
我らと宮から出ていきましょう。
大王がお待ちです。」
とやってきた兵が
ヒメに駆け寄りました。
ヒメは兵達に声をかけました。。
「私はこの場所より
一歩も動きませぬ。
どうしても連れ帰ると
申されるならば
力づくで連れ帰ってみて
ください。」
そう言われてしまっては
連れ帰らないわけには
行かなくなってしまった
兵達は、
ヒメの髻を掴んで
「ヒメ様御免!」と言うなり
とある兵が、ヒメの髻を
掴み引き寄せましたが
ヒメの髻だけではなく
ヒメの髪の毛全体が
すっぽりと抜けてしまい
その隙にヒメは宮の中に
隠れてしまいました。
サホヒメの奪還は
かないませんでした。
それはサホヒメの覚悟の
現れでもありました。
再三の説得も虚しく
サホヒメは兄・サホビコと
共に宮に火を放ち
死を選びました。
唯一その宮から救い
出されたのは
垂仁天皇とサホヒメの子
本牟智和気
でした。
サホヒメは宮に火を放つ
前に我が子を産み落とし
火の粉が被らぬよう
床下にホムチワケを
隠したのでした。
こんな話が最初に物語られる
天皇としても珍しい
切り口ですね。
このお話の続きは次回
天皇家についての考察④
第十一代②
させて頂きます。
今後ともぜひ
よろしくお願いします。