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コラムニスト・石原壮一郎の新刊『押してはいけない 妻のスイッチ』先行公開(#1)

妻が突然黙り込んだ、不機嫌になった、当たりがキツくなった……。夫なら誰しもそんな経験があるのではないでしょうか。理由もなく、妻が不機嫌になることはありません。もしかすると、われわれ夫は気付かぬうちに「押してはいけない妻のスイッチ」を押してしまっているのかもしれません。コラムニスト・石原壮一郎氏の新刊『押してはいけない 妻のスイッチ』(青春新書プレイブックス)が2月16日に発売されるのに合わせて、内容の一部を先行公開いたします。

【スイッチ①】

妻の失敗や失言、家の中の散らかっている様子など

妻の“恥”をSNSにアップする


人はSNSの魔力に絡めとられると、冷静な判断力をなくしてしまいます。常に「SNSにアップできる面白いネタはないか」を探している夫は、妻が失敗や失言をすると心の中で小躍りして飛びつかずにいられません。

冷蔵庫の奥から賞味期限を5年過ぎた食材が発掘されたといった“事件”や、クローゼットが念入りに散らかっているといった“衝撃の光景”も大好物。SNSでのウケを狙って、いつの間にか顛末や写真をアップしています。

夫はお友だちやフォロワーに反応してもらって、きっと満足でしょう。しかし、自分の恥ずかしい失敗や、家の中の他人に見せたくない部分を勝手に発信された妻は、たまったもんじゃありません。

妻が直接見つけて「すぐ削除して!」と言っても、夫の側は「えー、面白いのに」とノンキに受け止めてしまいがち。投稿を見た第三者が、妻に半笑いで「こんなことがあったんだってね」と伝えて、そこで初めて投稿を知った場合、妻の怒りのボルテージは一気に上昇します。

妻が望んでいること
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自分をネタにするのはやめてほしい。冷蔵庫の“遺跡”は夫婦ふたりの責任だけど、見た人には妻がだらしないと思われる


石原壮一郎(いしはらそういちろう)
1963(昭和38)年三重県生まれ。コラムニスト。1993年『大人養成講座』(扶桑社)がデビュー作にしてベストセラーに。以来、「大人」をキーワードに理想のコミュニケーションのあり方を追求している。『大人力検定』(文藝春秋)、『父親力検定』(岩崎書店)、『夫婦力検定』(実業之日本社)、『大人の言葉の選び方』(日本文芸社)、『無理をしない快感』(KADOKAWA)、『失礼な一言』(新潮社)など著書多数。故郷を応援する「伊勢うどん大使」「松阪市ブランド大使」も務める。