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2024年10月号は「興奮・衝動性への対応 ―ディエスカレーションと精神科看護」!


●特集紹介

ディエスカレーションについて「単純に鎮静を図ることではない。協働的関係をつくり,指示したり強制するのではなく,協働し交渉して問題解決や環境調整など行うことで,危機を回避するというあらゆる方略を含む」としています(下里・木下,中央法規出版,2019)。対象者が興奮・衝動を示したときには,緊急の対応を要します。しかし,その対応の方法は薬物療法や行動制限だけなのでしょうか。対象者本人・スタッフにとって安心・安全な別のディエスカレーションの方法(精神科看護の技法)はないものでしょうか。本特集では,こうした点について具体的な方法や“別の考え方”を提案しております。まず,ディエスカレーションの前の状況(プレエスカレーション)への対処として,対人相互作用を紐解くという観点から対人円環モデルの可能性について検討しています。続けて,ディエスカレーションの局面が対象者にとって自己対処方法を学ぶための機会となるような看護について検討を行いました。またトラウマという観点から,興奮状態・衝動的な反応への対応予防的な対策としての「Declaration of Peace(平和の宣言)」「Engagement Round(エンゲイジメントラウンド)」の可能性について触れ,そして座談会2では,興奮・衝動性への対応をトラウマインフォームドケアの観点から振り返っていただきました。


 [目次]


特集 興奮・衝動性への対応 ―ディエスカレーションと精神科看

CVPPPのプログラムへの対人円環モデル導入
―暴力の「前」の「前」を見直そう
下里誠二(信州大学医学部保健学科看護学専攻 教授)
木下愛未(同 助教)

【座談会1】
未来につながるディエスカレーションをめざして
小野 悟(岐阜協立大学看護学部 准教授/精神看護専門看護師)
荒木 学(三重県立看護大学看護学部 助教/精神看護専門看護師/CVPPPインストラクター)
梅野健吾(公益社団法人岐阜病院 主任)

興奮・衝動性を示す患者へのトラウマインフォームドケア
川野雅資(心の相談室荻窪 室長)

【座談会2】
興奮・衝動性への対応をトラウマの視点で振り返る
上田智之(九州看護福祉大学 教授)
緒方浩志(同 専任講師)
西森直美(同 助教)

研究報告
携帯型エコー検査による精神科治療を受けている患者の便秘評価
藪中幸一(社会医療法人寿楽会大野記念病院)
牛島一成(公益財団法人復康会沼津中央病院)
松崎政代(東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科)
木戸芳史(浜松医科大学医学部看護学科)

特別記事
障害受容概念の功罪と未来への展望2
村松秀樹(放送大学大学院文化科学研究科 認定心理士/WRAP(R)ファシリテーター)
福井里江(東京学芸大学教育学部 教授/臨床心理士/公認心理師)

TOPICS
ハワイ州クィーンズメディカルセンターBehavioral Health訪問記川野雅資(心の相談室荻窪 室長)

【連載】
姉と過ごした最後の日々とがんから還ってきた私と看護について
最終回 区切りとしてのゴール
宮川香子(特定非営利活動法人精神医療サポートセンター訪問看護ステーションいしずえ 理事)

精神科看護の臨床判断MSEガイダンス
第12回 「HOW?」を組み立てるときの「転ばぬ先の原則」6
武藤教志(宝塚市立病院 精神看護専門看護師)
崔 明玉(トキノ株式会社訪問看護ステーションみのり 看護師)

一般社団法人日本精神科看護協会 にっせいかん
地域での多機関多職種連携

「にも包括」を絵に描いた餅にしない花田政之(医療法人白日会黒川病院 地域生活支援課課長・精神科認定看護師/一般社団法人日本精神科看護協会 理事)

せっかくなので学びをエンターテイメントだって思うことにしませんか?
第18回 3C

深田徳之(精神科認定看護師)

日々のやりとりから始める認知行動療法
第24回 統合失調症の症状のアセスメントは何を聞く?
細川大雅(ストレスケア東京上野駅前クリニック 院長)

病棟看護師さんへの手紙
第9通 続・看護を受ける側の心理と機微
常本哲郎

学の視点から精神保健(メンタルヘルス)で地域をひらく55
55th Step 聞いてはじめてわかること(5)
安保寛明(山形県立保健医療大学看護学科 教授)

どん底からのリカバリー―WRAP(R)を使って。
第59回 リカバリー in JAPAN 2024年1
増川ねてる(アドバンスレベルWRAP(R)ファシリテーター)

坂田三允の漂いエッセイ  223
このところ気になる落とし物
坂田三允(多摩あおば病院 看護部顧問)

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