アラフィフ世代の移住術①
東京生まれ関東育ちの私が、夫と愛猫を置いて徳島移住した話
コロナウイルスにより新しい生活様式を取り入れざるを得ない中、おそらく終息後には地方移住を望む人たちが増えるんじゃないかとも言われています。リモートで仕事出来るなら全国どこに住んでも変わらないし、そもそも満員電車に乗って人混みの中三密で暮らしてる意義が見直されつつあるのではないでしょうか?そこで、徳島に来て1年半経過した私が、これまでの暮らしで気付いた事を何回か小分けしながら書き綴ってみようと思います。移住を検討されている方の参考になれば幸いです。
★移住を考えている人に伝えたい事★
① 地方は家賃が安いです。都内の賃貸マンションで暮らしていた時の約半額が相場です。という事は収入に占める固定費コストがう~んと軽減するかというと、きっちりお給料相場も「くっそ安い」ですwww。なので、特殊なスキルや日本全土で通じるキャリアを持っていない人の場合、地方移住は【小さく稼いで小さく納税、金よりも時間や余暇を優先したい人向け】と言えます。実際私の場合、収入は半分になりましたが労働に要する時間は三分の一となりました。その日常を「ひもじい」と感じるか「自由が増えた」と感じるかです。なので、貴方の趣味がお金がかかるコレクション系のもの、都会にいないとできない種類の場合はきつくなるでしょうが、自然、スポーツ、インドア系など安上がりな楽しみで充実する人にはお勧めです。今よりたっぷり趣味に時間が使えるようになります。
②同じく経済面です。食費・雑費は世間で思う程 安価ではありません。まず都会の販売激戦区と異なり価格競争が緩いです。加えて物流的に本州各地から橋や船を使って四国に渡る手間が生じるからなのかもしれません。なので基本、食品や日用品の相場は都内以上に安くはなりません。ガソリンも埼玉のが安いです。でも、地場で採れた旬の野菜や魚は最高です。湯引き鱧がスーパーで買えたり、生産者名の入った農家直送の人参やお米が当たり前のように並び、新鮮で安くおいしいです。更に「庭で採れた」「実家の裏山で掘った」「農家の知人から貰ったけど食べきれない」等とすだちやタケノコ、野菜が知り合いから無償で手に入るというボーナスチャンスが年に数回ありとても助かっています。
③「地方創生推進・移住者歓迎」と言っても全県民全市民がもろ手を挙げて歓迎しているわけじゃありません。来る時に支援はしてもらっても、住んでから自立できる力が必要です。人口=納税者を増やし高齢者だらけの地域共助の一端を担わせたい、という目的のために行政が移住者を呼び込んでいるんだ、と少し冷静な視点で施策を認識していた方が後々落胆しません。地方には、地元愛が強いからこそよそ者に対しても警戒します。古くから『お遍路さん』へのお接待で、来訪者に無償で温かいもてなしをする文化がある徳島ですら、今回の緊急事態宣言の最中(全ての発症者が県外で感染したという事もあり)、徳島県に入る高速道路出口で県が双眼鏡で県外ナンバー車がどの程度走行しているかを調べていたり、パチンコ店の駐車場に入る車に住所確認し県内在住が証明出来ないと入店断りをしているというニュースが映像付きで流れました。Twitterでは「四国を閉鎖してコロナを入れるな」的なつぶやきも度々見られました。移住してきた私からすると肩身の狭さと何とも理解しがたい出来事でした。全国でもいくつか行政で、進学上京した若者に対し地元の品を送って『コロナで帰省出来なくても頑張れ』と応援するという取り組みがあり素晴らしいと思うのですが、その一方で移り住んで来た人や海外から長期滞在者が、実家・祖国に帰れずとも行政は当然ながら何の支援もしていないのが現状です。(かく言う私も正月に帰玉したっきりですし、同じシェアハウスに住む国際ボランティアで来ている外国の若者達も帰国出来ず滞在延長しています)なので、自立出来るだけの最低限の貯えと職能、孤独への耐性を持って来て下さい。
③移住者の強みは『何でも尋ねられる事』です。コミュニケーションを円滑にするため方言のマスターは必須ですよね。当初はヒアリングすら「‥‥え?はい?」と何を話し掛けてくれたのか分からない時も多くあり(今も高齢者のお話は難易度が高い)声をかけて下さった方にご不便をかけました。でも、方言や難しい地名の読み方など地元でなければ分からなくて当然、と周囲の方みんなが理解してくれていますので、どんな些細な事でも質問出来ます。この先仲良くなりたい人への声掛けで「教えて貰えますか?」は、とっても有効です。方言や地名だけでなく、お勧めの店から医療機関の評判、隠れた銘菓など話題がたくさん広がりネットで拾えない情報が得られ移住生活が更に快適になります。是非恥ずかしがらず分からない事はじゃんじゃん教えて貰いましょう。ここ徳島の方は、基本的に社交的というか気さくにお話ししてくれる人が都心より断然多いです。眉山に上るロープウエイの中や信号待ちする横断歩道でも年配の方からよく声を掛けられます。無言で同じ場所に佇むより、やはり一言二言の会話で居心地の良さが違ってきます。
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