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私は学生の頃、製造業に対してこんなことを思っていました。

「なんで毎日同じモノを同じくらい作っているだけなのに計画が必要なの?生産管理要らないんじゃないの?」と…。

もちろん、そんな戯言は生産管理に配属されて一瞬で吹き飛ばされましたが…。(笑)

生産計画があってこそ初めて工場はモノづくりの準備ができ、生産に着手することができるのだということを今一度理解しておきましょう。

そして、その重要性や影響の大きさを知っておくことで安直な計画立案をしないようになります。

「なぜ必要なのか?」「無いとどうなるのか?」を理解しておきましょう。

生産計画とは?


製造業においてモノを生産するとき、行き当たりばったりではありません。

顧客からの受注や、将来の需要予測に基づいた生産計画が必ず存在します。

生産管理が立案した生産計画に基づいて、人員計画や発注計画なども立てられて工場全体が動き始めるわけです。

もちろん、すべてが計画通りに進むわけではありませんが、得意先からの受注をもとに作成した生産計画を実現させるために工場内の各部署が事前準備を開始させ、効率的なモノづくりにつなげていきます。

また、「生産計画なんてなくても何とかなるのでは?」と感じる人もいるかもしれませんが、生産計画を立てることで様々なメリットがあるんです。

製造業において適切な生産計画を立てることで、余剰在庫のリスクを軽減したり、人的コストを削減したり、仕入れ担当者と現場作業員の連携がしやすくなったり、納期に余裕が出たりと、様々なメリットがあることmということを知っておきましょう。

自動車業界における生産計画の位置づけ

しかし、日本では工程管理やかんばんの調整にばかり目が向きがちな企業も多く、中には生産計画についてあまり注視していない企業もいるかもしれません。

作れば売れる時代、いわゆる少品種大量生産にはかんばん生産(トヨタ生産方式)による、生産性の向上やジャストインタイムが重宝されてきました。

しかし、トヨタのような完成品メーカーの生産方式と部品や材料を生産する部品メーカーでは、ものづくりの特性が異なりますし、さまざまなカスタマー(得意先)に対応するためには生産計画によるコントロールが必要不可欠です。

また、量産品に限らず、補給品や市販品への対応も必要な会社も多く、もはや時代は多品種少量生産が中心になってきていると言えるかもしれません。

そういった時代背景や、業界の流れ、会社の状況を理解した上で、安定した生産性とコストの削減を実現させるためには生産計画が欠かせないため、生産計画とは何か、生産計画の位置づけを理解することは非常に重要となってきているのです。

生産計画の重要性

生産計画は、製品の生産量・生産時期に関する計画のことで、「何を」「いつ」「どれだけ」生産し、「いつまでに」出荷する必要があるのかを定めます。

計画には、製品の原材料や部品の管理、製造から出荷までの工程が含まれます。

一般的には、生産計画を立て、所要量計算(MRP)を回すことで資材の発注計画が算出され、ライン別の負荷や必要人員の算出をしていく流れになります。

これらは、効率的な生産業務に不可欠で、品質(Quality)、コスト(Cost)、納期(Delivery)の維持・向上に貢献し、会社としての資金計画人事計画にも大きく影響します。

生産計画では、製品を効率的に作るために需要を予測したり、得意先からの内示情報に基づいて、生産ラインの能力や負荷などの制約条件も考慮しながら、実現可能な計画を立案していきます。

生産計画の立案が正しく行われてこそ、製品は適切な数量・タイミングでお客様に提供できるわけです。

そして、未来を正確に予測した生産計画の立案は、安定した生産性やコスト削減にも欠かせません。

生産計画の目的

生産計画を立案する一番の目的は、ヒトモノカネを事前に準備することです。

製造業において、もっとも大切なことは情報なんです。

材料や部品はもちろん、人やお金の準備には時間がかかるため、できるだけ正確な情報を、できるだけ早く多くの関係者と共有することが重要です。

営業部門が出している需要予測や、得意先から来た内示情報をもとに、生産管理が立案した生産計画に基づき、多くの人に事前準備をスタートしてもらうわけです。

そうすることで、効率的に準備~生産~納入をすることができるだけではなく、万が一、その計画についてこれないような部署や仕入れ先が発生した際にも、対策が打ちやすくなったり、得意先との調整を早めに開始できるようになります。

正しい情報を多くの人と共有し、早め早めに準備にとりかかるトリガーとなるのが生産計画なんです。

おわりに

生産計画を立案するということは、会社のヒト・モノ・カネを動かす計画を立てるということです。

あなたの立てた生産計画によって、多くのヒト・モノ・カネが動くということを重々理解して、あなたの思いをキチンと込めた生産計画を立案できるようになってください。

その役割や重要度、影響範囲を知らないといつか必ず痛い目に合ってしまいますので、しっかりと理解し、常に頭に置いておくようにしましょう。

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