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あれから約20年;ヤポネシアン・ボールズ・ファウンデーション『アザディ』と社会学的想像力

前回のソウルフラワーの記事が多くの方に読んでいただいて恐縮でした。で、次には、ソウルフラワー人脈の中で、なにかと思ったらこれでした。

メンバーは、中川敬(唄、ギター、三線)山口洋(唄、ギター、ブズーキ)
渡辺圭一(ベース、唄)伊藤孝喜(ドラムス)です。つまり、その当時のヒートウェイブとソウルフラワーユニオンのミックスバンドといえるかもです。

ヒートウェイブは↓。

ソウルフラワーユニオンは↓。

今見たら、ヤポネシアンのサイトは健在でした。

曲目としては、ヒートウェイブとソウルフラワーのカバーと新旧のパンクチューンのカバー。その中、僕のお気に入りは、「KILL THE POOR」です。原曲は、Dead Kennedys です。

1 WE'RE GONNA HAVE A REAL GOOD TIME TOGETHER 2:10
2 KILL THE POOR 3:09
3 BORED WITH THE U.S.A. 2:49
4 JAPONESIAN DIARY 3:36
5 DO YOU WANNA DANCE ? 2:20
6 MOGURA JAMBOREE 4:24
7 NO REGRETS 3:07
8 ANOTHER GIRL, ANOTHER PLANET 2:38
9 CHICKEN SHIT 2:55
10 UNCLE SAM KILLS YOU 2:00
11 GOIN',GOIN',GONE 2:58
12 MASS COMMUNICATION ENFOLDS YOU GENTLY 2:17

原曲はこちら

ヤポネシアンは;

歌詞はこちら(一部);http://protestsongs.michikusa.jp/english/killthepoor.htm

科学の進歩に終わりなし
中性子爆弾の時代なり
即効的に、衛生的に殺る
余分な奴らに未来なし
携帯爆弾も好評なり
一家にひとつ効果てきめんです
ピカッと光ればスッキリ
福祉、人権バッサリ
失業問題、スラムもさようなら
のんびり平和に暮らそう
貧乏人を一掃
世界は一家、人類みな兄弟
They think
Kill, kill, kill, kill, kill the poor
Kill, kill, kill, kill, kill the poor
Kill, kill, kill, kill, kill the poor
Tonight
ピカッと光ればスッキリ
犯罪率もザックリ
食糧問題、エイズもさようなら
アメリカらしく暮らそう
反戦主義者を一掃
正義はひとつ、声高らかに
U. S. A

2002年にこのアルバムはリリースされました。ちょうどヒートウェイブは休業期間だったこともあり、どんな音源がでるのだろうと心待ちしたら、これです。パンクというかロックというか最高のギターサウンド。

最高のアイロニーとして歌詞なのです。2002年に自分は何をしてたかと言うとコンサル修行の時期でした。終電と始発を繰り返していました。カフェインとアルコールを過剰摂取する日々でした。その時のBGMとしては最高でした。

そして、現在です。ロックの批評性の力は、その時その時に世情に大きく働きかけることが多いと思います。しかし、この曲は今聞いても、いや、このコロナ禍で階級分化が明らかに始まり、死にも公的な原因が響いている今、ものすごく響いてきます。

このことは、社会学者のミルズが主張している、社会学的想像力のコア概念である、生活誌と歴史の二つの関係をとらえることの必要性に近づいていきます。

社会学的想像力によって、私たちは、歴史と生活誌、さらには社会の中でのこの二つの関係を把握することができる。これこそが社会学的想像力の任務と約束である。

これからロックと社会学的想像力というテーマは一月に一回くらい書いていきます。

(了)


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