ソウルフラワーユニオンの新譜に寄せて「Hapitablezone」〜コロナ時代のロック
写真は↑から。コロナがもたらしたことの一つに個別性の高まりがあり、個を軸とした対抗の活動が軸になっていくと感じています。そのための伴走する音楽としてソウルフラワーユニオン。
シングルで出ている「ダンスは抵抗」はこのことを示している一曲。
#地の底にうずくまる ひび割れた土を見る
尊厳の歌がある 絶唱の歌がある
怒りの影を引いて 暗闇をそぞろゆく
尊厳の歌がある 新年の歌がある
時空超え 積み上げた 祈りの轍
悠久の時を経て 路上に芽吹いた
ダンスは抵抗 誇りの回答
ダンスは抵抗 世界の回答
涙のかなたをゆく 虹色のパレードに
尊厳の歌がある 絶唱の歌がある
ダンスは抵抗 誇りの回答
ダンスは抵抗 世界の回答
ここの主語は私であり、個である。ダンスとはまさしく個がおこなうことであり、だからこそ、誇りが生まれるのだろう。
この歌は、もしかしてだが、かれらの代表作の「満月の夕」のセルフアンサーソングかもしれない。阪神大震災の中に生まれ、さまざまなアーチストに歌い継がれている一曲。
#星が降る 満月が笑う 焼けあとを包むようにおどす風
解き放たれ すべてを笑う 乾く冬の夕
ヤサホーヤ 唄がきこえる 眠らずに朝まで踊る
ヤサホーヤ 三線鳴らす 吐く息の白さが踊る
解き放て いのちで笑え 満月の夕
ここでもキーワードは「踊る」。震災という悲劇の中での「踊り」、そして、コロナの世界で「踊る」。これこそがソウルフラワーユニオンの歌の世界での本質かもしれない。(了)
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