コロナ禍において「自分ごと化」は進むのか:12月13日のサロン
12月13日のサロンでは、社会課題の「自分ごと化」について議論から始まりました。
サロンはこちらから
NIRAのオピニオンペーパーから↓。東大の宇野先生の論考によれば↓。
「「当事者意識(オーナーシップ)」の可能性
このように、現代において新たに注目される「当事者意識(オーナーシップ)」は、多くの可能性を秘めている。 多くの社会的課題の解決にあたって、行政のみならず、住民を含む関係者の参加と、企業などによるサポートをいかに結びつけていくのか。その鍵は、すべての関係者に共有 される強い「当事者意識」である。これは「他人事」では なく、まさに「自分事」である、だから大切にしたいし、 少しでも貢献したい。このような意識を社会のあらゆる領 域において発展させることが、 1 人ひとりが自らの人生の 責任ある当事者であるための鍵であろう。
そのためには、当事者意識を持ちやすい仕組みやプラッ トフォームの整備、サポート体制の充実、行政・住民・企 業をつなぐコーディネーターの存在が不可欠である。この ような基盤があってこそ、新たな「当事者意識(オーナー シップ)」の感覚が発展していくはずである。日本社会の 新たな可能性がそこに力強く示唆されている。」
そして、その当事者意識は、昨今のコロナ禍においてどのようになったかというと↓「Withコロナの日常生活(2) ~感染拡大は、自分の暮らすまちへの興味関心を喚起したのか:Watching 掲載日:2020-12-12 発表元:第一生命経済研究所」
実は、それほど「自分ごと化」は進んでいないということでした。
<居住地域に対する興味関心は喚起されず>
図表1・2は、新型コロナウイルス感染拡大を機に、居住地域における街並みや歴 史、行政サービス、経済に関して関心を持つようになったかを尋ねた結果を示したも のである。全体・性別では(図表1)、どの項目についても「関心を持つようになった」 (「あてはまる」「どちらかといえばあてはなる」の合計)と回答したのは3割程度に 留まり、感染拡大が地域への直接的な興味関心に結びついてはいないことがうかがえ る。男女で比較すると、割合が低いながらも街並みや歴史、行政サービスについては 女性の方が男性よりも5ポイント以上高い結果であった。
しかし、今後に対しては意欲的という傾向↓。
<今後関心を持つことには、意欲的>
最後に、今後の意向についてみていく。図表4は、図表1・2で示した関心をもつ ようになったこと(実態:水色)に対する、今後の意向(ピンク色)の結果を比較し たものである。どの項目についても、今後関心を持つことに意欲的な回答(「行いたい」 「どちらかと言えば行いたい」合計)が見られた。「街並みや歴史などについての関心 を持つこと」で男性が49.6%である以外は、どの属性も5割を超えており、実態との ポイント差は15ポイントを超えている。性別で見ると男性よりも女性の方が、家族形 態別では、同居子のいる家庭で今後関心を持つことに対して意欲的な傾向が見られた。
総じてうーんという感じです。注視していきたいと思います。
そこで、どうやったら「自分ごと化」が進むのかという問いに立ち返ってしまいます。そこで(我田引水)ですが、相利性をどう考えるのかなと思ったりしております。そこで、今週末のセッションをご紹介します。トマセロの議論から協力のあり方を紐解きます。
ご関心の方はぜひ。
(了)
ありがとうございます!