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【2024年11月1日】米山氏の見解が難しすぎるので1つ1つ調べていくことにしました
米山氏のPost
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①財源なき大規模恒久減税の結果インフレが起こる。
【解説】
おそらく減税の結果、市場に供給される貨幣量が増えて、需要が増しインフレが起こるということだと思われます。
この点については実際にインフレになった事例もありますが(トランプ政権下における減税政策)疑義的な見解もあるため、あくまでも”インフレにつながる恐れがある”程度の意見に抑えておくのが良いかもしれません。
コラム:先進国のマネー急増、「インフレの芽」にならない理由=唐鎌大輔氏 | ロイター
なぜなら、インフレかどうかに加えて、どの程度インフレになるのか、不明瞭な部分があるためです。
ちなみに日本の2024年度のインフレは3%程度、この数値でのインフレが10年続くと、物価が34%ほど上昇します。
②財源なき大規模恒久減税の結果、金利上昇が発生する。
【解説】
こちらは、おそらく2022年のイギリスの例を参考にしているのかなと思われます。2022年のイギリスでは減税政策をとりましたが、マーケットがこれを財政の悪化要因と評価しました。
その結果、投資家は国債を売り債権価格が低下、金利が上昇するという事態に陥りました。
利息が上がることにより利子の支払い額が増えるため、金利上昇は避けるべき要因になります。一方、金利が上昇すると、日米国債の金利差が縮小され、円高に振れる可能性が出てきます。それゆえ、インフレも起こるけど、円高にも触れる可能性が出てきて、インフレが抑えられるケースもあるということです。当然、インフレと円安どちらも進行するというケースもありますが、必ずこうなんだ!と言い切れるようなものではありません。
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金利上昇の要因 景気や債券需給が影響 キソから!投資アカデミー 債券・金利⑭ - 日本経済新聞
大規模減税計画引金に英国が危機に陥ったわけ 経済的無学をさらけ出した一連の判断の最新例 | ブルームバーグ | 東洋経済オンライン
③金利上昇、インフレ、円安で不況になって多くの店舗がつぶれ、失業者があふれても構わないという見解について
【解説】
まず、近年円安が進んでいますが、失業率に大きな影響はないようです。
日本の失業率の推移(1980~2024年) - 世界経済のネタ帳
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次に、インフレになった場合、失業率自体は下がると考えられています(フィリップス曲線)
なので、インフレにより失業者があふれるという見解についての論拠は現時点で確認できておりません。
※実際のところは予想されたインフレとの乖離の大きさが失業率に影響を及ぼしているのではないかという見解があります。
最後に金利上昇における影響です。
金利が上昇すると、金融機関は、以前より高い金利で資金調達しなければならず、企業や個人への貸出においても、金利を引き上げるようになります。そうすると、企業や個人は、資金を借りにくくなり、経済活動が抑制されて、景気の過熱が抑えられることになります。
おそらく景気の過熱が抑えられることについて米山氏は不況になると表現しているのだと思います。
【まとめ】
①大規模恒久減税の結果、インフレが確実に発生するわけではない(そもそも今のインフレの影響は戦争による原料高、原材料費高騰もある)。
インフレや金利が上昇する可能性は存在している(2022年のイギリスの事例参照)
②金利が上昇する結果、理論的には円安ではなく円高になるのではないでしょうか?実際、日本ではインフレと円安が同時進行していることもありましたが、必ずインフレと円安が起こるという学術的な論拠は見つかっておりません。
③円安、インフレ、金利上昇によって失業者が増えるという主張を支える学術的な見解等は現時点で確認されていません。
現時点において、米山氏の見解は、様々な彼自身の知識に基づいておりますが、一部において論拠が乏しい部分があるのではないかと考えております。
今後もポストを見ながらUpdateしていきます。