顔占い8 額がデコボコしてると若い時に身体が不自由だったかもしれません(骨有削偏 早年偃蹇)中国古典「神異賦」の私流アレンジ解釈

顔占い・人相占いは中国語の原典で(神異賦{しんいふ})と呼ばれるものがあるのですが、
それを日本語に訳して、顔占いを学んだ私が現代人の感覚で内容をアレンジしたものを書いています。
人相術の古典の現代的な解説です。



(8 骨有削偏《ほねにけづれやかたよりあらば》
 早年偃蹇《そうねんにえんけんあり》)

「額にへこみやデコボコがあったり、髪の生え際が不揃いだと

 若いときに身体が不自由であるか、

 あるいは性格が驕《おご》り高ぶっていて何もしない人です」


この詩句はひとつ前の

(7額方而濶《ひたいがほうにしてひろいのは》
 初主榮華《はじめにえいがをつかさどる》)の続きとして

前の詩句と対比して読む形になるので額の説明の続きです

前の詩句は良い額で、こちらは良くない状態の額の説明になります。


骨(コツ・ほね)とは、そのまま、人間のホネのことを言っているのですが

ここでは額の骨の状態を指していると思われます。


削(サク)とは、「そぐ」「けずる」「薄くそぎとる」とか、

「薄くはぎとる」、「へらす」とか「分割する」という意味があります。


偏(ヘン)とは、「かたより」「かたよっている状態」という意味です。

公平、公正でないさまを現わしています。


早年(そうねん)とは、人生の若いころを言っています

年齢の若い時期や「若年」を指していて、早すぎる年頃という意味もあります。


偃蹇(えんけん)とは、複数の意味があるのですが、

驕《おご》り高ぶるさま、という意味と、

身体が不自由で活動も仕事もできない状態、という意味と

寝転んで何もしないさま、という意味があります。

これらの言葉の意味はこの詩句では、すべて採用してよいと私は思います

どの意味をあてはめても詩句の内容がおかしくないからです。


それではこの詩句の解説をしていきます


「骨に削れや偏りが有れば」

という詩句なのですが、この詩句の最初に説明いたしましたとおり

ひとつ前の詩句の(7 額方而濶 初主榮華)の続きで

対比して読んでいく詩句なので

ここでいう骨とは「額の骨の状態」のことを言っています

なので「額の状態に削れや偏りが有れば」という意味になります。


「額の削れ」とは額の一部が薄くへこんでいるような状態を指しています

それ以外にも額にへこみがあればそれらすべてを示しているのだと思います。


次に「額の偏り」という意味ですが、

ここでは額の表面に不自然なへこみがあることや

あるいは額の一部が不自然に出っ張っているところと

へこんでいるところの両方があって変にデコボコしていたりするとか、


また髪の毛の生え際が横一列ではなくて不揃いになってしまっていて

ある部分が下がっていたり上がっていたりのギザギザの状態になっているとか

生え際を正面から見ると水平ではなくて斜めになってしまっていて

右上がりとか左上がりになって偏っていることを言っているのだと思います

これらをあわせて「削れや偏りが有れば」と言っています。


次に「早年《そうねん》に偃蹇《えんけん》あり」の詩句の解説です


「早年」とは先ほどもお知らせした通りで人生の早い時期という意味です

年齢的に若い年齢期のことを指しています。

具体的な年齢としては、東洋占いの価値観のなかで説明すると

生まれてから20歳から30歳くらいまでの時期を言います。


この詩句のひとつ前の詩句に(7額方而濶 初主榮華)とあり

その中の「初主」の意味が早年とほぼ同じ意味になります

どちらも人生の早い時期、若い年齢期のことを言っています。


また顔占いの基本の(3三停平等~)のところで説明された

三停《さんてい》のなかの「上停《じょうてい》」にも当たります

顔の中の額の位置であり、初年運を現わします

初年運も生まれてから20~30歳くらいまでの運勢のことを言います。


次に「偃蹇《えんけん》」ですが、先ほども言いましたように複数の意味がありまして

「驕り高ぶるさま」という意味と、

「身体が不自由で活動も仕事もできない状態」という意味と

「寝転んで何もしないさま」という意味があります。


これらの意味をどれかひとつに絞り込む必要はありません

すべて採用して良いと私は思います。


どれも良くない意味なのですが

漢文で短い単語のなかに複数の意味をギュッと詰め込んで暗示しているのです


顔占いなので占いですから、

どれかひとつの意味が現れる場合もあれば

三つの意味がすべて同時に現れる場合もあるのです


ですので「早年に偃蹇あり」の意味は


人生の若い20~30歳くらいまでの時期に

高慢でワガママな性格になり周囲の人の言う事を聞かないで

自分勝手な行動をして他人に迷惑をかけたりするようです

周囲の人を見下すような態度をとることもあるかもしれません


あるいは身体が不自由な状態になってしまい

仕事も自分のやりたい活動もできないような生活になってしまうとか


またあるいは、まったく無気力な性格になってしまい、

いつも寝転んでいて何もしない状態になる人もいるかもしれません

という意味になると私は解釈します。


そしてこの原文の詩句の全文である

「額の状態に削れや偏りが有れば早年に偃蹇あり」

の意味を通しで解釈すると以下になります


額の状態が薄くへこんでいたり、変にデコボコしていたり

髪の毛の生え際が揃っていなかったり、斜めになっていたりして

額全体に偏りが見てとれて良くない感じであれば

生まれてから20~30歳くらいまでのあいだに


高慢で我がままな性格になり自分勝手な人間になって

周囲の言うことも聞かなくて他人に迷惑をかけたり


あるいは身体が不自由になってしまい自分のしたい活動や

仕事もできない状態になるとか


あるいは無気力な性格になってしまい

いつも寝転んでなにもしない人間になってしまうとか


あるいは身体が不自由で動けずに寝ているしかできないけど

性格が高慢で周囲に当たり散らすような人もいるかもしれません


という暗示がありますよと原文の詩句は述べています

原文の解釈はここまでにしたいと思います。



それで実際の現実はどうなのかと問われたら

私がこれまでに見たり聞いたりした経験の範囲で言わせていただくと

そこまでひどい運勢の人は見たことが無いです


額に原文の詩句のようなへこみとか偏りがある人で

身体が不自由で日常生活がままならない人とか

性格が驕《おご》り高ぶっていてワガママで

周囲の人達とうまく関われないような人はいなかったと思います


ですが、運勢が良くない人や健康状態に多少の問題を抱えている人とか

性格に問題がある人はいたと思います

額だけという一部分で判断するとなるとそれほど大きいことは言えないのです


確かに額は人生の初めから中盤にかけての運勢と

頭の良さや知性の高さとか、考える速さとか柔軟さを見ることができます

性格が良いかそうでないかが現れる場合もあります


なので額の状態の良し悪しはとても重要ではあるのは間違いないのですが

今回の原文の詩句はかなり重い良くない暗示が書かれております

額の状態に偏りがあるというだけでここまで悪い状態になるかというと

私の経験や考えや、顔占いを教えてくださった先生のお話を振り返ると

原文をそのまま認めることに抵抗があります


ここまで言うのであれば顔全体や身体全体も見なければなりませんし

眼と眼の周囲の状態をよく見ないと判断できませんし

額の状態だけで軽々しくそのような判断をするべきではないと思います


額に偏りがあると初年運があまり良くないとか

知性や頭脳の働きが良くない場合があるとか

性格や考え方に偏りがある場合があるとか

これぐらいの判断がいいのではないかと思います


骨    ほね、こつ

有    ある

削    けずる、そぐ、薄く剥ぐ、の意味

偏    かたよる

早年   年の若いころ、という意味

偃蹇   おごりたかぶる /
     身体が不自由なさま /
     寝転んで仕事をしないさま

(8 骨有削偏《ほねにけずれとかたよりがあらば》 早年偃蹇《そうねんにえんけんあり》)

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