海外積立投資の結果〜フレンズプロビデント
近年、日本でも投資ブーム。
新NISAなんて制度を作って税制優遇したり、いよいよ自分で老後資金は作れと国が通告し始めた。
実は自分は若くして投資意識を持ち、数多くの投資にチャレンジしては資金を飛ばす経験をしてきた。
すべての原因は人を返してしまったこと。これに尽きる。
多くの投資商材は消え失せていったが、その中で唯一残ったのが海外積立投資である。
「Friends Provident International」
今では聞いたことない方が多いかもしれない。
近々解約を考えているのだが、今回は振り返りを兼ねてこの投資始めて約13年間の転末を綴っていこうと思う。
会社
「Friends Provident International」は1832年から活動開始という歴史を持つ保険会社である。2001年に株式会社化され、イギリスのFTSE100に上場。
企業格付けS&Pで「A+」、ムーディーズで「A2」という評価。
ちなみに日本の三菱UFJが現在「A-」「A1」という評価なのでこれより上位の評価。
イギリス領であるマン島という孤島に会社があり、この島に登記されている企業は投資に関する税制優遇される。
商品
商品のメインは積立投資商品。20〜25年の満期を設定し、月額を円、HKドル、ドル、ユーロいずれかの通貨で積立を行う。日本でいう積立NISAのようなものである。
商品の1つである「Capital Redemption」は満期償還型であり、満期時に指定口座に償還される。
会社がヘッジファンドと呼ばれる一般では高すぎて取引できないファンドを売買でき、多数銘柄に分散できるという売りであった。
時代背景
自分はこの投資を2010年10月からを開始。このとき自分は25歳。
当時は積立NISAもなく、シンガポールもまだ企業を誘致する前だった時代。
タックスヘイヴンと呼ばれる税を回避できる場所としてマン島やケイマン諸島は知られていた。
海外に資産を移し、外貨を獲得する。国や為替リスクを軽減しつつ、銘柄も時間も分散。当時はいいところづくめに感じていた。
この頃はリテラシーというか、何でもありだったか、海外銀行の口座を作り、そこで償還金を受け取ることで日本にバレないなどという輩もいたくらい。
ちなみに投資を始めると周りに投資する人しかいないため、感覚がバグってしまいがちだが、2023年現在でも投資している人は20%程度ということで、当時はもっと少なかったのだろうと思う。
IFA
IFAとは投資会社のことで、実際に銘柄の買い付け指示を行う会社である。
ここに委託手数料を払って運用してもらうわけだが、運用成績が気に入らなければ別IFAに切り替えることもできるという仕組み。
どっちにしても当時の自分に切り替え先を検討するリテラシーはなかったので運用成績が悪くても泣き寝入りという感じである。
IFAによっては年に何度か運用報告会を日本で開催するため、自分も何度か参加したことがあるが、運用益が悪くてもありきたりな回答しか返ってこないので参加する意味があるのかは疑問である。
2023年現在のIFAはノーブルエーペックスという香港の企業である。
過去の運用実績というものがあるが、正直これは嘘なんじゃないかと思うくらい体感としてはマイナス運用が続いている。ただこれはノーブルに限らず他IFAも同じだと思うのでIFAの問題というより組成商品の問題かと思われる。
運用所感
積立投資になるので無理な金額に設定しなければあまり気になることなく投資を続けられる。
しかしながら、手数料が高すぎる。
契約時に説明されるのは以下
契約手数料: 6ドル
初期口座手数料: 初期口座時価総額×1.5%を四半期ごと
投資口座管理手数料: 時価総額×0.1%を毎月
信託報酬: 時価総額×0.25~0.375%を四半期ごと
クレカ手数料: 1%
一見大したことなさそうに感じるのが罠で、体感としてファンド買い付けに手数料がかかったり、目に見えない手数料がかかっているため、マイナス運用に転じやすい。特に積立を一時停止するとどんどん目減りしていくだろう。
運用でカバーしてくれればいいのだが
唯一ラッキーだったのは空前の円高であり、ピーク時1円=78円(2023年現在は1円=135円)で割と安く積立てられたということ。ただ昨今の円安により既に打ち消されている。
運用結果
では運用結果を見ていく。運用期間は2010年10月〜2023年5月まで。
Total Premium Paidは積立合計で68500ドル、それに対して、Total Market Valueが評価総額で65323ドル。悲しいことに完全な元本割れである。
AとIというのは貯蓄口座と初期口座のことでこの辺は説明しだすとややこしいのでこの記事では割愛する。
ちなみに今やお馴染みとなったS&P500の2010年時点の株価が1146、現在4191。
約3.6倍である。つまり余計なことせずにS&P500に積み立てていれば2000〜3000万程度にはなっていたということである。何という機会損失。
まあタラレバを言い始めるとキリがないのですけどね。
解約
こういった結果から、遅まきながら解約を決意することにした。
上記残念な運用結果に加えて、クレカ変更や住所変更など諸々の手続きには全て紹介FPを通すリスクがある。このFPとは13年来の知人であり、今でもサポートしていただいているため、それは自分にとって幸いなことである。
しかし仮に満期まで運用を継続した場合、2035年、自分は50歳になっている。FPの方もそれなりに歳を重ねるため、人的なリスクはあと12年続くとなると不安材料になってくる。
決断まで時間がかかったのは、2020年は一時的に90000ドルになったことで判断が鈍ってしまったのである。
解約手数料や為替手数料として何十万か持っていかれてしまうだろうが、損切りを考える時期かもしれない。
2024年から開始される新NISAの足しになるだろうか。
最後に
いかがだっただろうか。
ダラダラと書いてきたが、海外積立の結果は元本割れ、おそらく他の方も大きく勝てている人はそういないのではないだろうか?
10数年掛けた結果がこれではあまりに悲しいのだが、ただ数多く詐欺商品に手を出して飛ばされてきた自分からしたら、飛んでないだけマシなのである。
教訓として言えるのは人を返す投資は絶対おすすめしない。
それは銀行や証券の窓口でも同じことである。
人を返すと無駄な手数料を取られるだけである。
今はネットで口座解説して、WEBやアプリから投資できる時代なので人を返す必要性がない。
これは10年以上を詰め込んだ自分の感想であり、人を返した投資で儲けたことがないという結果付きでお伝えする。
これを見た少数の方には是非リテラシーを高めていただき、人の意見に左右されることなく、未来が明るい投資先へ投資することを祈っております。
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