モラハラって、どうやって気付くの?
前回の「熟年離婚」を読んだクライアント様から
「モラハラって、どうやって気付くものですか?」と
ご質問いただきました。
乱暴な口調だからモラハラという事ではありません。
身体的なこと、傷つくようなことを意識的に言われたり
相手が決めた細かい生活のルールを守らされるようなときは
モラハラを疑って良いと思います。
モラルハラスメントを理解して、被害が悪化する前に
対処できればと思い、私なりにまとめてみました。
●マウンティングからのモラハラ
自分が相手より優位であることを一方的にアピールし、
承認欲求や自尊心を満たすのがマウンティングです。
自分の生活の充実度をアピールする「幸せアピール」や
持っているブランド物をひけらかす「ブランドアピール」。
良くある、分かりやすいマウンティングですね。
これに、他人を攻撃するような発言が入ってくると
モラルハラスメント・パワーハラスメントに発展します。
自分の自尊心を満たすために相手を傷付け、
心を壊し、コントロールしようとする行為です。
基本的には同じハラスメントですが、会社や学校で
上下関係を使って精神的・身体的に苦痛を与えれば
パワーハラスメントになります。
モラルハラスメント・パワーハラスメントが長く続くと、
被害者は心身に大きなダメージを受け、「私が悪いから」
「自分のせいだ」と抵抗することをやめてしまいます。
●モラハラの影響
モラハラは被害者の心、自尊心を少しずつ壊していきます。
最終的には自分を失い、相手の言いなりになってしまいます。
周囲がおかしいと気づき助けようとしても、洗脳されて
しまっているので「でも私を思ってのことだから」などと
加害者を弁護したりします。
ママ友に洗脳されて実の子を死なせてしまった事件がありました。
究極の例ですが、心身共に壊れてしまうと思考が働かず
普段の様な判断ができない可能性がある、という事です。
子供がいれば、両親のストレスのはけ口に使われてしまったり、
モラハラ気質に育ってしまったりする恐れもあります。
●モラハラに気付く
DVやセクハラと違い、モラハラは分かりづらいもの。
自分の基準をしっかり持ち、「これはおかしい」と気付ければ
深刻化する前に対処することができます。
・「1人で何も出来ない」「使えない」と頻繁に言われる
・「贅沢するから」と家計管理をされている
・年に1回の帰省でも「多すぎる」と怒られる
・何を言っても「間違っている」「非常識」と怒られる
・家族や友人の悪口を頻繁に言われる
これらは、モラハラ気質の人に見られる
典型的なコントロール方法です。
会社だと、仕事の量が多すぎたり少なすぎたり、
何時間も説教されれば「おかしいな」と気付けます。
でも、家庭には明確なルールがないので、
気付くのが難しいのです。
モラハラに慣れて感覚がマヒしている可能性もあるので、
自分の「常識」を疑うことも大切です。
自分で判断ができない場合、電話やメール、会話を
保管しておいて、信頼できる人に相談しましょう。
日記に相手の言動、自分がどう感じたかを書いておくと
頭の整理ができますし、後々の証拠にもなりますよ。
●モラハラ気質の人に気付く
付き合い始めや新婚の頃は相手も優しいと思います。
モラハラ気質の人ほど、人当たりが良いという話もあります。
でも、
飲食店やショップなどでスタッフさんに傲慢だったり、
クレームばかり言う人はイエローカードです。
優しかったのに突然機嫌が悪くなり、無視したり
「何でこんなことも出来ないんだ」などと
あなたの自尊心を傷つけるようなことを言い出したら要注意。
優しくなったり突き放したりを繰り返してきたら、
あなたがコントロールしやすい人か探っている可能性が
ありますので、「その態度では一緒にいられない」と
冷静に、毅然とした態度で伝えていきましょう。
●話し合う
「あなたの行為はモラハラ・パワハラだ」と
本人にはっきり伝えましょう。
「私の価値を下げるような言い方をしないで」
「そういう言い方は傷つく」など冷静に伝えてみましょう。
無意識に言っていた人なら反省してくれるはずです。
一方、深いモラハラ体質の人は言い訳してくるはずです。
「普通そんなに気にしない」「あなたのためなのに」と
あなたの意見を否定してきて、話し合いにならなければ
少し距離を置いた方が良いでしょう。
深いモラハラ体質の人は、対等な話し合いが出来ません。
話の中でもどう言い訳してどこで説き伏せようか、
勝ち負けで考えてしまっているからです。
自分の想いを一生懸命伝えれば分かってくれる、
と信じたい気持ちはあるかも知れませんが、
あきらめ時を知ることも大切なのです。
●距離を置く
話し合ったはずなのに一向に改善しない、
または悪化して歯止めが利かない場合は、
その相手と距離を置きましょう。
必要最低限のコミュニケーションを取って、
避けられないときは感情を出さずに淡々と
フラットに対応しましょう。
結婚している場合は、証拠を十分に集めてから
別居するのが理想です。
年代によって考え方は違うかも知れませんが、
これを超えたらモラハラという一線が必ずあります。
様々なハラスメントが認知された今、被害者にも
加害者にもならないよう、意識していきましょう。