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京都で、福島の桃の話を

過日、、というか10日ほど前、久しぶりの京都で、KYOTOGRAPHIE。トークもあったので、短時間で自転車で出来る限り観て周る。

二条城での、震災10年をテーマにした5人展、観られてよかった。

コロナで無観客、映像に収められたダミアン・ジャレ/JRの「防波堤」は映像でも十分よかったけど、生で見られたらどんなに素晴らしかっただろう。

KYOTOGRAPHIEは会場がいわゆる美術館的なハコではないことが多いので、展示に工夫が凝らされていて、それが特に面白い。
照明のない櫓の中を懐中電灯で巡るリシャール・コラスさんの展示も、震災とコロナを空間的にも並行して見せる小原一真さんの展示も、事前にWebなどで見ていた写真とは全然印象が変わって唸らされた。

仲西祐介さんとのトークは、何より、KYOTOGRAPHIEを立ち上げた思いが聞けたことがよかった。一見そうとは思えないのに、フェスティバルを始めたのは震災に大きく影響を受けているといい、震災直後の福島でのボランティアの経験、そこで住人の方に差し出された桃を前にした葛藤と、本来感じる必要のないそんな葛藤を感じさせられる理不尽と、、当時を思い出してトーク中に涙をこらえて言葉を失う祐介さんの、深く傷つき、この現状を少しでも変えていくためにどんなアクションをすべきか、考え抜いた末にパートナーであるルシールと出した答えが、写真祭、というものだった、という一連の話は、二条城の展示を見た上で聞いたこともあって余計に沁みた、、、、

、、、と、大事な話をだいぶ端折って書いてしまったので、KYOTOGRAPHIEとプロジェクトFUKUSHIMA!、2人のディレクターズトークはアーカイブが残されていますから、時間のある時にぜひ見てもらえたらと⇒ https://www.youtube.com/watch?v=hfrsXLPAYDA


桃といえば、2011年、盟友・安齋伸也くんの実家、あんざい果樹園のことを思い出さざるを得ない。当時検出された23ベクレル(セシウム134と137の合計)、今ではもう(というか3年目くらいから)すっかり検出されなくなって、それは本当によかったし、いろいろな人の努力の賜物で、それ自体頭が下がるばかりだけれど、あの年の桃の固くて甘い格別な美味さは、口にしたときの苦い感情と共に、一生忘れることはないだろう。その桃を食べてから、大友さんが指揮するオーケストラFUKUSHIMA!の、いろんな音がないまぜになった渦の中に身を置いて感じた希望のようなものが、今もこの活動を続けている原点なのだろうなと、ふと思う。

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ということで、フェスティバルFUKUSHIMA!2021は、原点回帰、四季の里にて、10/16-17に大風呂敷を広げます。
セシウムは無いかわりにコロナ禍ですが、出来得る対策を徹底しながら、10年目/10回目にふさわしいセレモニーのような、そんな2日間になるでしょう。

四季の里内の会場で開催中の展覧会「越境する意志」も10/17まで。中崎透、藤井光、岩根愛、ちばふみ枝、中村葵、という、プロジェクトFUKUSHIMA!の10年をある意味で象徴する5人の作家の力作を、ぜひ合わせて見てほしい。展覧会場と、クロージングの2日間の会場はアサノコウタが構成です。

オーケストラFUKUSHIMA!2021も参加募集中です。

大風呂敷を広げる16日朝9時、感染対策万全にして、ぜひお集まりください。


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