大砲の進む先は米国の超名門大学。「140発スラッガー」花巻東の佐々木選手がスタンフォード大へ。世界2位の学府。ノーベル賞受賞者が多数。学費は年1200万円にも
甲子園を賑わせた大砲が米国の超名門大学へと進む。高校通算140発を放った花巻東高(岩手)の佐々木麟太郎選手(18)がスタンフォード大学へ進学することが決まった。カリフォルニア州にある世界2位の評価を受けている最高級学府だ。ノーベル賞受賞者が多数輩出し、学費は1200万円にもなるという。大砲は文武両道の王道を歩むことになる。
佐々木選手は高校歴代最多とされる140本の本塁打を放った左打ちのスラッガーだ。春夏2度の甲子園に出場。昨夏はベスト8に進出する原動力となった。
これだけの逸材だけにプロの道に歩めば、ドラフト上位に指名されるのは間違いなしとの評価だった。しかし、佐々木選手はプロ志望届を出すことなく、進学の道を選んだ。しかも日本の大学でなく、海を渡り米国へ渡ることに。
留学先は何と米国でも指折りの名門、スタンフォード大学となった。文武両道の最高クラスの学校だ。
イギリスの教育専門誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」が発表した2024年版の世界大学ランキングによると、スタンフォード大は英国のオックスフォード大に次ぐ2位にランクされた。日本の最高は東京大学の29位。京都大学は55位。
米国では「東のハーバード、西のスタンフォード」と言われるほどの名門校だ。スタンフォード大からは過去に第31代の米国大統領となったハーバート・フーバー氏が卒業している。そしてノーベル賞受賞者は80人超も出ている。
学費も破格だ。年間1240万円にもなるという。ただスポーツに秀でた選手の場合、学費が免除となる可能性が高い。大学側が公式ホームページに、佐々木選手の大学のユニホーム姿をアップしていることから全額免除の可能性もありうる。背番号は3。期待の表れだろう。
文武両道で野球の強豪だ。過去に2度大学ワールドシリーズを制した。卒業生にはメジャー通算270勝を挙げたマイク・ムシーナさんらがいる。
今回の佐々木選手のスタンフォード大進学について、ヤンキースなどで活躍した松井秀喜さんは驚きの声を上げた。
日本へ帰国し巨人で臨時コーチを務めている松井さん。この一報に「スタンフォード大学、卒業大変だよね。そっちの方が今思っちゃったよ」とびっくりした表情を浮かべた。
ただ米国球界でワールドシリーズMVPに選ばれた大物は「勉学も野球もね、この時期にしかできないことがあるでしょうからね。良い学生生活を送ってほしいな」とエールを送った。
佐々木選手のバットには夢が詰まっている。日本の高校球界で披露した数々のホームラン。米国に舞台を移しても打ちまくってほしい。
佐々木選手が海の向こうで活躍する姿を、今から心待ちにしている。「GO!麟太郎!GO!」