Roland FP-2の鍵盤修理
noteならスマホで撮影したものをアップしてPCで編集できることに気づいたので、以後こういう修理については備忘録、またはこれから修理しようという人のためになればと思うのでこうやってnoteに書いていこうと思う。
今回の修理はRolandの電子ピアノ、FP-2。数年前にジャズ研の後輩から譲ってもらって某大学ジャズ研に貸し出して長い間使ってもらっていたけど、最近音が出ない鍵盤が出てきたということで引き上げて修理。
状況を確認してみるとこんな状態。テープが貼ってあるところが音が出ないところ。
電子ピアノの鍵盤故障の多くは、打鍵検知のスイッチ部の接触不良なので今回もそれは疑ったんだけど、今回の故障が特徴的なのは、
下から8個の鍵盤が鳴らない
次の8個は鳴る
その次の8個が鳴らない
8個組で鳴る/鳴らないが切り替わっているので、それらの8個の鍵盤に共通するグランドや信号線の断線または接触不良ではないかと推測。「8個」というのがいかにもデジタルっぽい。
とりあえず開けてみる。裏返してみると、結構な量のネジ。おそらく最外周のネジが上下の締結だろうということで木質ボードの最外周のネジを全部外す。
そうすると今外したネジがちょうど外すのに必要なネジ全部だった。奇跡。
あけるとこんな感じ。真ん中あたりでフレキがつながっているので引きちぎらないように注意。
ここで鍵盤部とメイン基板部をつなげるフレキを観察。これは気合で抜き差しできるタイプなので抜き差ししてみる。
もし最初の見立てが正しければこのフレキ部分も怪しいので抜き差しで改善する可能性がある。
で、実際にこの状態でONしてみると、
ふつうに直った。拍子抜け。
フレキの端子部の接触不良なんだろうと思われる。
症状の出方が特徴的だったので、たぶん他の機体でも発生してるんじゃないかと思う。該当する人は試してください。
追記:ここでフレキと書いたのはFFCケーブルが正式名称でした。それと、そのFFCの接点不良について、会社の熟練設計者に聞いたところ
「端子が金でないFFCで電流が流れない状態が続くとケーブル端子とコネクタの接触部に酸化被膜ができてきて導通不良になることがある。」
とのこと。今回の例ではずっと使われていて電流が流れなかったわけではないと思うけど、何かの拍子に接触点がずれて、接触部がたまたま酸化被膜部になってしまった、ということも考えられる。あとは程度の問題でもあるだろうし。
FFCやFPCなどについてはこちらが詳しいのでご参考まで。
以上です。