発刊にあたって

　私たち日本青年館は１９２１年の財団設立以来、ホテル・ホール・会議室・レストラン等の施設運営の傍ら、全国の青年団の育成と青少年活動を支援すると共に施設の利活用を通じ、文化スポーツの振興を図ることを目的とする一般財団法人です。２０２１年はちょうど財団設立１００周年の節目を迎えます。
　いま、我が国の地域社会は人口減少や少子高齢化など、その持続可能性をめぐって深刻な課題に直面しています。と同時に、様々な地域課題を解決しようとする若者たちの動きも各地で活発化してきました。
　たくさんの活動がありながらも、互いに交流する機会がない。そんな声に動かされ、私たち日本青年館は地域活動に取り組む若者たちが出会い、互いの活動に学び、交流する場として「全国まちづくり若者サミット」（略称：若者サミット）を２０２０年より開催しています。この事業には３年間で４９団体、延べ２９１名の方々が参加、地域や団体の枠を越えた交流の輪が広がると同時に、この場から新たな団体や活動が生み出されるようになりました。まちづくりに取り組む若者の活動事例はますます増えており、若者サミットが果たすべき役割もまたそれに伴い大きくなっています。

　２年間の事業実施を経て、私たちは実に多様な実践事例に接し、さらにたくさんの活動を発信したいと考えました。そんなねらいから、私たちは新たにウェブマガジン「日本青年館まちづくり若者lab」を立ち上げることにしました。
　ここでは、若者自身が書き手となって活動を取材し、記事にして発信していきます。専門家ではない分、記事は必ずしも滑らかではないかもしれません。しかし、多少たどたどしかったとしても、若者たち自身が生み出す言葉には、同世代としての視点や感覚が込められます。
　取材対象は地域課題解決に取り組む若者の活動です。取材の基準に規模の大小や成果の優劣は一切ありません。地道でも地域できらりと光る活動やキーパーソンをこの場で発信していきます。地域活動に取り組む若者たちのメディアとして、独自の役割を果たしていきたいと考えています。
　このウェブマガジンを育てていくのは日本青年館と記者の皆さん、そして何よりも読み手の方々です。この場から建設的な対話が生まれることを願っています。

一般財団法人日本青年館公益事業部