砂漠のど真ん中でのポップアップ販売。
久しぶりの更新になってしまった。
この数週間、とても忙しかった。
そう、私は毎週末のようにポップアップ販売をしていたのだ。
砂漠のど真ん中のような場所で。
やっとの思いでこぎつけたポップアップ販売
私はベトナムでベトナム茶のブランドを去年立ち上げた。
今年は日本でも販売をしたいと思っているが、現在はまだベトナムでの販売のみ。
今年の後半には日本に行く予定なので、それまでの間ポップアップなどを行い、ベトナムでの認知拡大を図っている。
もともとベトナム人のつてがたくさんあったわけではないので、昨年から地道に営業活動とネットワーキングを重ね、今年、ようやくポップアップ販売にこぎつけた。
実店舗を持たない私たちにとって、ポップアップはこの上ない素晴らしい機会。
お客様の声を直接聞けるし、マーケティングにもなる。
しかも、何より、今までベトナム在住日本人がメインの客層だったのが、ポップアップではベトナム人が在住欧米人などにもリーチ可能で、今までとは異なるターゲットの反応を見ることができるまたとない機会なのだ。
初めてのポップアップということで、慌ててポスターを印刷したり、ポップを準備したりとおお忙し。
何とか準備を間に合わせ、当日を迎える・・・・
(お茶がたくさん売れることを想定して多めにパッキング。予想以上に時間がかかり、睡眠時間2時間😅)
さて、当日。売れないのではなく別の問題?!?!
ここはベトナム最大の都市ホーチミン。
ポップアップは10時から開始。
のはずだったのですが・・・・
10時になっても人が来ない。
「まあ開始時間早々に来る人なんていないよね」
11時になって1人来た!!!
と思うと、その人は運営側の人。
「まあ休日の朝だからみんな寝てるよね」
12時になっても人が来ない。
「お昼の時間だもんね」
1時…
「ベトナム人お昼ゆっくり食べるもんね」
あれ、おかしい。
ホーチミン、人いる?!?!
私はいわゆる青山のファーマーズマーケットのような、人がたくさん立ち寄るようなポップアップを想像していたのであまりにも想定外。
(昨日、朝までお茶をたくさんパッキングしたのに…)
今スタッフがいないので、友人何人かに声をかけて、お手伝いまで頼んでいたではないか…
急いで友人に連絡。
「お客さんがいなくて暇だから、今日お手伝い頼んでいたけど、急で申し訳ないけどお手伝いなくて全然大丈夫そう」
いやー虚しいですね。
驚くほどいない。
朝はひたすら自分のお店のお茶を飲んでいました。
これじゃあ砂漠のど真ん中でポップアップをやっているのと変わらないじゃないか!
お客さんがいないって、売れないより悲しいじゃないですか。
売れないのであれば、お客さんとのやりとりがデータとして溜まり、どうして売れないのかとか、仮説がいくらでもたつ。
でも、そもそも人が来ないのであれば、ただ砂漠のど真ん中でぼーっとしているのと変わらない。
本当に無駄な労力なのだ。
ベトナムにおけるポップアップ
じゃあポップアップは無駄だったのか。
私は無駄な経験は一つもないと思っている。
そこで、この怪奇現象に関する考察を綴り、ポップアップをやったということ自体を経験としてとらえることにする。
バイク文化のベトナム
この、「ベトナム最大都市のホーチミンなのにお客さんがいない」という怪奇現象の最大の要因は、ベトナムが強いバイク文化に支えられている、ということだろう。
皆バイクを乗って移動するので、door to doorで、目的地に直接向かう。
実際、ポップアップに来てくれたお客さんの大半が、「Instaなどで事前にイベントのことを知り、そのためだけにこの場所に来た」と言っていた。
事前のネットでの告知がカギを握る。
日本のようにポップアップ販売にフラっと立ち寄ることがないのだ。
実は今回、あまりにも暇になったのでポップアップ中に路上でのビラ配りもしてみた。
だが、一本メインから外れた道 (ヘムと呼ばれる) では通行人は皆無に近く、バイクで走っている人もいるが話しかけるのは至難の業。
2ブロックくらい離れた幹線道路に行くと歩いている通行人 (大半が外国人) は見かけるものの、常夏のベトナムでは、2ブロックの距離はかなり長距離とみなされ、「そんなに遠いところならわざわざいかない」と言われてしまうのだ。ポップアップのテーマ
もう一つの課題は、日本でも共通してあり得るとは思うが、「ポップアップのテーマは何か」という点だ。
テーマによって、集客できる客層が全く異なる。
例えば、今回参加したポップアップのうちの1つに、かなりベトナム人好みのド派手なアパレルブランドが企画したものがあった。
そのアパレルを囲むように、アクセサリーや飲食物のブランドがポップアップの出店をしたのだが、ターゲットがあまりにも違い過ぎると感じた。
ベトナムのド派手なドレスを好むような若いベトナム人インスタ系女子たちは、茶葉で丁寧にお茶を淹れることには全く興味なし。
彼女たちは、そんなつまらないものよりも、「XXフラペチーノ」みたいな、見た目がかわいくておしゃれで、インスタ映えするような飲み物が必要なのだ。
とある若い数人の女性グループはポップアップに来たものの、ドレスだけを端から試着し、3時間滞在したのち他のショップには目もくれずに気に入ったドレスだけを買って帰っていった。
こんなお客さんばかりで、話しかけることすらできなかった。
市場が違えば、販売戦略もマーケティング戦略も全く変わってくる。
こんなのは当たり前の話だ。
でも、ベトナムにおいては、私は一消費者としての感覚は持ち合わせていない。
海外で2Cのブランドを立ち上げるとは、こんなに難しいものなのだ。
すべての仮説を切り捨てて、すべてを一から学ぶ必要がある。
無意識のうちに常識だと思ってしまっていることも意識的に切り捨てないといけない。
難しいが面白い挑戦だ。
できればかなり信頼できるベトナム人の右腕がいればいいなと思ってしまう。
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