改めてClaude3.5sonnetに小説を書かせてみた。
性能が不安定、というか、その時その時での小説執筆能力に差があるとしか思えないので、一度原稿形式で出力させても、何度かやらせるしかない。
# 第一幕:骨を拾う朝
白く霞んだ空の下、少年は骨を拾っていた。獣人特有の毛むくじゃらの手が、人の骨とも獣の骨ともつかない白い欠片を掴む。その動作に慣れがあった。
「これも、誰かの...」
呟きは途切れ、少年は拾った骨を放り投げる。カランと鈍い音を立てて転がる骨に、他の子供たちが群がった。彼らにとって、それは単なる遊び道具でしかない。
「おい、そこのガキ!道を開けろ!」
声と共に馬車の列がやってくる。裕福な商人とその護衛の傭兵たち。少年は慌てて体を寄せようとしたが、
「このクソ獣が!」
蹴りが少年の背中を捉えた。骨は再び地面を転がる。
その時、影が差した。
「へえ、朝っぱらから随分と元気だこと」
商人の前に立ちはだかる金髪の少女。その赤い瞳に、獣人の警戒心を示す光が宿る。
「な、なんだお前は...」
護衛の一人が前に出る。「暗殺ギルドだ」と耳打ちすると、商人の顔から血の気が引く。
「し、失礼」
そそくさと立ち去る一行。
白々と明けゆく空の下、レカは貧民街の路地を歩いていた。廃人となったエルフたちが、壁にもたれかかっている。かつて魔法の使い手だった彼らの目は、今や虚ろだ。
(あーしだって、半分は...)
思考を振り払うように、レカは首を振る。
「レカ姉ちゃん!」
先日スリを叱った獣人の少年が手を振る。古鉄を集める籠を抱えて。
「おー、働き者じゃん。えらいえらい」
頭を撫でながら、レカは微笑む。
「姉ちゃんほどじゃないよ。みんな言ってるんだ。貧民街は姉ちゃんが守ってくれるって」
その無邪気な信頼に、レカは一瞬だけ目を伏せる。
通りの向こうから冒険者ギルドの警官が現れる。少年の体が強張る。レカは自然と彼の前に立つ。
「おはようございまーす。今朝も早いっすねー」
軽い調子で声をかける。警官たちは「暗殺ギルド」と囁き合い、黙って立ち去った。
「ふー。まいどありー」
少年の肩の力が抜ける。レカは路地の奥、パン屋の明かりを見つめた。
「よーし、今日も大量買い付けなきゃ行けねーんだ。ホラ、この金でおめーも食え」
ポケットから取り出したコインを投げ渡す。昨夜の仕事の報酬で買ったものだ。
「ありがとう、姉ちゃん...」
満面の笑顔の後に曇る表情。レカも一瞬表情を落とす。
「...きのうまでみたいに、スリを続ける方がよかったか?」
少年は首を振る。その純粋な喜びに、レカは目を伏せた。
(誰かを殺して、誰かを救う。それがあーしの選んだ道)
朝日が路地を照らし始める。レカは背筋を伸ばし、いつもの調子で歩き出す。
「よっし!今日も元気でいくかー!」
声高に叫ぶ。誰に聞かせるでもない。ただ、心の底に沈む暗い何かを、必死に打ち消すように。
路地の向こうで、パン屋の煙突から煙が立ち始めていた。レカの影は、朝日に照らされて長く伸びる。その先には、街の中心、大時計塔の尖塔が、朝もやに浮かんでいた。
# 血の橋
「布告!布告!我々傭兵ギルド最強の獣人部隊!この街を三ギルドの支配から解放する英雄!寄付を募る!この橋を通る者は誰でも寄付できる!解放に協力せよ!」
朝靄の中、レカは瓦を踏む音一つ立てず身を潜める。瞳に一瞬、魔力の赤い光が宿る。
(標的確認...)
近くを急ぐ冒険者ギルドの警官たち。明らかな違法行為にも手が出せない。
(ッケ、子供のスリには厳しいくせに。だからこそ、あーしみたいなのが必要なんだよな...)
超人的な動体視力で状況を把握する。傭兵たちの槍、逃げ道、そして...中隊長の傍らにいる小姓の少年。
(邪魔だ...下がってくれよ...)
祈るような思いで、レカは最適なタイミングを待つ。しかし少年は離れない。
(...仕方ない)
瞬間、レカの姿が消える。槍を踏み台に、獣人の動体視力すら捉えられない速度で侵入。中隊長の首筋に指が触れた時、
(ごめん)
同時に倒れる二つの影。レカの指が震える。
(また...また巻き込んじまった...)
橋の欄干から川へ。水しぶきが上がる前に、既にレカの姿はない。
「中隊長がやられた!暗殺ギルドか!」
「み、見えなかった...」
「水音がしたぞー!撃て!」
レカは潜水したまま離れていく。震える指が、水の中で小さな渦を作る。
(違う、違う、違う...!)
# 霧の路地
パン屋の裏路地に辿り着いた時、店の中から怒鳴り声が聞こえる。
「この役立たず!」
ミーチャの悲鳴に混じる暴力の音。まだ戦場の緊張が抜けないレカの体から、無意識に殺気が漏れ出る。
「な、何だ...!?」
獣人の夫が震え出す。死の気配に本能が反応したのだ。よろめきながら逃げ出す背中を、レカは虚ろな目で見送る。
「...レカ?」
ミーチャの声に我に返る。必死に殺気を抑え込む。
「あ、ああ...荷物、取りに」
声が掠れる。手が小刻みに震えている。
ミーチャは黙ってレカを見つめた。その瞳には、全てを見透かすような優しさがあった。
「...ちょっと待ってね」
奥から大きな包みを抱えて戻ってくる。温かいパンの香りが、レカの緊張を少しだけ解きほぐす。
「リリアさんの救貧院行きね。いつもありがとう」
レカは頷くことしかできない。ミーチャは柔らかく微笑んだ。
「気をつけて行きな、レカ。今日はなんだか...霧が濃いから」
その言葉に、レカは瞬時に目を伏せた。
(わかってる。あーしは何をしてるのか、みんなわかってる)
包みを抱え、路地へ消えていく背中を、ミーチャは静かに見送った。朝もやの中、パンを焼く香ばしい匂いだけが残される。
ミーチャは空を見上げた。昼の光の向こうで、大時計塔の鐘が鳴り始めていた。その音が、レカの足音のように、霧の中へ溶けていく。
少し描写不足だろうか。これより下に元になった叩き台のメモ的文章を載せる。この文章もまたClaudeの出力から手直ししたものだ。脚本っぽい部分と描写がなされてる部分が混在しているのはそのためだ。
(第一話開始)
骨拾いの最中に遊ぶ子供。放り投げた骨から始まるシーン。
暗い顔で骨を拾う獣人の少年。
近くを通る裕福な商人の列と護衛の傭兵。
獣人の少年を蹴飛ばす商人の前に立ち塞がるレカ。
護衛の傭兵が「暗殺ギルドです」と言うと、商人は怯えた様子でそそくさと去っていく。
空が白む頃、レカは貧民街の路地を歩いていた。廃人となったエルフが路地裏にたむろしている姿が目に入る。
「ありがとう、レカ姉ちゃん!」
路地の隅で、獣人の少年が声を上げた。先日スリを働いて説教した子だ。今朝は早くから古鉄を集めている。
「おー、働き者じゃん。えらいえらい」
レカは少年の頭を撫でる。
「姉ちゃんほどじゃないよ。あれから色々噂を聞いたんだ。貧民街は姉ちゃんが助けてくれるから少しは生きやすいって」
不意に、通りの向こうから冒険者ギルドの警官が現れる。少年の体が強張る。レカは自然と少年の前に立つ。
「おはようございまーす。今朝も早いっすねー」
軽い調子で声をかける。警官は目を細めるが、暗殺ギルドだ、と囁きあって、黙って立ち去った。
「ふー。まいどありー」
少年の肩の力が抜ける。レカは路地の奥、パン屋の明かりを見つめる。店主のミーチャは、種族差別で表通りの店を追われた獣人の女性だ。
「よーし、今日も大量買い付けなきゃ行けねーんだ。ホラ、この金でおめーも食え。まだ屑鉄拾いのコツもわかんねーだろうから、今日は稼ぎねえだろ?」
ポケットから出したコインを少年に投げ渡す。昨夜の暗殺の報酬で買ったものだ。
「ありがとう、姉ちゃん…」
少年は一瞬、満面の笑みを見せたあと、暗い顔になる。レカは一瞬表情を曇らせた後、
「…きのうまでみたいに、スリを続ける方がよかったか?」
と言った。少年は首を振る。
その純粋な喜びに、レカは一瞬だけ目を伏せた。
(誰かを殺して、誰かを救う。それがあーしの仕事なんだよな……)
朝日が路地を照らし始める。レカは背筋を伸ばし、いつもの調子で歩き出した。
「よっし!今日も元気でいくかー!ミーチャのとこ行ってパンもらって、リリアの救貧院に届けんのが今日の仕事!頑張るぞー!」
声高に叫ぶ。誰に聞かせるでもない。ただ、自分の心の底に沈む何かを、必死に打ち消すように。今口に出さなかった本当の「仕事」から気を逸らすように。
路地の向こうで、パン屋の煙突から煙が立ち始めていた。今日も街は、止まることなく動き出す。レカの影は、朝日に照らされて長く伸びていった。
「布告!布告!我々は傭兵ギルド史上最強!獣人傭兵部隊!我々こそが、この街を他の三つのギルドの支配から解放する英雄だ!我々は寄付を募っている!この橋を通るものは誰でも、寄付をすることができる!この街の解放に協力せよ!」
朝靄の立ち込める路地で、レカは足を止めた。
(標的だ……)
近くを急いで通り過ぎる冒険者ギルドの警官。政治上、明らかに治安を乱す存在でも手が出せないらしい。
(ッケ、子供のスリには厳しいってのに情けねえ)
だからこそ、レカのような暗殺者に仕事が来るのだ。
屋根に跳び移る。軽やかな動きに、魔力の赤い光が一瞬だけ瞳に宿る。瓦を踏む音一つ立てず、標的を確認する。
(確かに情報通り。傭兵ギルドめ、まーた勝手な真似してやがる)
「よし、橋の封鎖はいい儲けになるな。通行料……じゃなかった。寄付金を払えない奴は通すな」
「金払えない貧民どもを追い返せばいいんですね」
「そうさ。傭兵ギルドの権限だ。文句は通らん」
レカは目を細める。この橋を封鎖したら街の経済への影響は無視できない。間違いなく命じられた暗殺対象、標的だ。
レカの暗殺のスタイルは、その超人的な身体能力を活かした速攻である。人間はおろか、獣人の動体視力ですら認識不可能な速度で、対象を一瞬で殺す。
レカ、警戒する傭兵たちが尽き立てているたくさんの槍を掴んでは足場にして蹴り伝って、相手の懐に侵入、獣人傭兵の中隊長を殺すが、その瞬間、傍にいた小姓も殺してしまう。
レカはショックを受ける。
(また……また巻き込んじまった……)
体が勝手に動く。橋の欄干から飛び出し、川に飛び込んで逃げる。獣人傭兵の中にはやっと反応できたものがちらほら。
「中隊長がやられた!? 暗殺ギルドか!」
「み、見えなかった…」
「水音がしたぞー!川だ!撃て!」
レカは潜水したまま端から離れていった。
(違う、違う、違う……!)
レカはパン屋の裏路地に辿り着いていた。店の中から怒鳴り声が聞こえる。
「この役立たず!」
ミーチャの悲鳴に混じって、夫の暴力の音。レカは無意識に殺気を放った。たった今まで戦場だった場所での緊張が、そのまま溢れ出る。
「な、何だ……!?」
獣人の夫が震え出す。見えない死の気配に、本能的な恐怖を感じ取ったのだ。彼は尻餅をつき、よろめきながら逃げ出した。
「……レカ?」
ミーチャが恐る恐る声をかける。レカは我に返り、必死に殺気を抑え込んだ。
「あ、ああ……荷物、取りに来たよ」
声が掠れる。
ミーチャは黙ってレカを見つめた。その瞳には、何かを見透かすような光があった。
「……ちょっと待ってね」
彼女は奥に消え、すぐに大きな包みを抱えて戻ってきた。
「リリアさんの救貧院行きね。いつもありがとう」
レカは頷くことしかできない。ミーチャは優しく微笑んだ。
「気をつけて行きな、レカ。今日はなんだか……霧が濃いから」
その言葉に、レカは一瞬だけ目を伏せた。ミーチャははっきりしたことは何も聞かない。レカは何も語らない。
「うん、行ってくる」
包みを抱え、レカは歩き出す。その手がかすかに震えているのを、ミーチャは見逃さなかった。朝もやの中、レカの姿が消えていく。路地には、パンを焼く香ばしい匂いだけが残された。
ミーチャは空を見上げた。昼の光の向こうで、大時計塔の鐘が鳴り始めていた。
(第一話終了)
どんなものだろう。まあ少なくとも大幅に書き直したりする前提ならLLMに小説書かせるのはアリ、という結論からはぶれていないようだ。