タロットプロットをやってみる (2
今回はゲームの性質上如何様にも取れる性質の強いDIXITのカードを使う。取り方によっては反対の意味にも取れてしまうものが多く、連想が難しい。だからこそ有用だとも言えるのだが。
テーマは水晶玉に映る白髭の老人の顔。覗き込んでいるのか、あるいは魔法の力で写り込んでいるのか。「何者かに見通され、計画されている」にする。
主人公のイメージは雪降る中、仲良さげにしている赤頭巾と狼。なぜか彼らの座っている場所だけ日が差し、緑が茂っている。なかなかエモーショナルな絵であるが、ここから連想されることは何か。束の間の休戦? 心を開くこと? 奇跡? そもそもかなり具体性の高い絵柄から抽象化を経て再度演繹するという過程が正しいとは思えない。もっとこの具体性をそのまま生かしたい。だとすると……。「本来敵対的なのに、束の間できた良好な関係を大切にする」としよう。
過去はこれは何だろう……。顔が鏡になった男女がバルコニーに並んで立っている。何を映しているのだろう。何も見てはとれない。何らかの地位を持つものはそれを見るものの反映である? うーん。2人は実は仲が良くないのかもしれない。鏡の種類も違うし。今回は、「何らかの地位があり、配偶者もいたが、自分を見失っていた」にするか。
次はなんだ? 現在、逆位置である。小さな男の子と女の子が巨大なカメラに入り、そこから出てくると成長して結婚もしている。その逆であるから……離婚か。「幼馴染みとの離婚」。
次。未来。老紳士がクチバシの長い黒い鳥に餌をやっている。白杖。目が見えないのだろうか。相手が黒く鋭い嘴を持っていることに気づかないのかも。「孤独になり、騙されることにも気づかなくなる」としよう。
欲望は洞窟の中で財宝の予感に慄いている大柄な男。その逆位置である。つまり欲望としては財宝が欲しいのではないということか? 「約束された財宝を拒否している」とする。
敵対者は3個のマスク。その逆位置。見ざる言わざる聞かざるのポーズをしている。では「盗み見るし、盗み聞きするし、口も出してくる」かな。
援助者。海底で子供達の子守をするナンタラフィッシュ。海面からは不気味に釣り針が下がっている。強かさだろうか。強かな子持ちの女性? 「危機と隣り合わせに生きる子持ちの女性」とするか。
試練はというと……。強そうなサソリの尾を持つライオン(マンティコアか)が守る財宝をアリがこっそり運び出している。気づかないのだろうか? 「気づかないまま財産が盗み取られている」としようか。
葛藤は面白い絵だね。砂時計に中に古代神殿? 砂も漏れている。じっくり時間をかけて崩壊していくイメージ。「このままだといずれ崩壊するが故に悩む」としよう。
結末。これは何だろう。窓の向こうからこちらの部屋の中を見る雪だるま、こちらはとても暖かそうに見え、雪だるまは寂しそうな表情だ。「寂しい者に羨まれるような結末」かなあ。
まとめよう。
テーマ:「何者かに見通され、計画されている」
主人公:「本来敵対的なのに、束の間できた良好な関係を大切にする」
過去:「何らかの地位があり、配偶者もいたが、自分を見失っていた」
現在:「幼馴染みとの離婚」
未来:「孤独になり、騙されることにも気づかなくなる」
欲望:「約束された財宝を拒否している」
敵対者:「盗み見るし、盗み聞きするし、口も出してくる」
援助者:「危機と隣り合わせに生きる子持ちの女性」
試練:「気づかないまま財産が盗み取られている」
葛藤:「このままだといずれ崩壊するが故に悩む」
結末:「寂しい者に羨まれるような結末」
さて難しいかなあ。
主人公は莫大な財産を持つ男性。かつて許嫁と結婚し、高い地位を持っていたが、離婚して財産を持ったまま田舎へ引っ越す。そこで出会った強かに生きるシングルマザーと恋に落ちる。しかし彼女は主人公と敵対する組織にいた。組織から監視される主人公。財産は彼らに少しずつ盗み取られ、いずれは崩壊し、騙された結果の孤独な貧しい生活が待っている。そして明らかになることは、それらの経緯全てがかつての妻による策略だったということである。彼女は薄暗い欲望から、主人公を貶め、財産を我がものにしようとしていたのだ。しかし主人公は豊かさなど拒否する。最終的には、シングルマザーとのささやかな生活を手に入れ、かつての妻はそれを羨むことになる。
……というものしか思いつかなかった。それなりに起伏のある首尾一貫性は作れたかな。一つのトレーニング結果として受け入れたい。
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