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自分達のユーザーは誰なのか?
こんにちは、津崎です。
ソリシター君ユーザー数が6,000を超えてきてプラットフォーム黎明期と言えるくらいには成長してきました。
ユーザーの皆様はいつもご利用頂きましてありがとうございます。
ただ、プラットフォームビジネスだからといって全方位作戦は危険だなと感じることが増えてきて、「自分達の初期ターゲットユーザーは誰なのか?」ということを改めて定義したいなと思います。
このスライドは投資家向けピッチ資料として最初の方で使っていてインパクトもある。ただ、解像度をもっと上げる必要がある。
大規模保険代理店には確実にPMF達成している
先月は日本を代表するクラスの保険代理店に、ソリシター君を次々に導入頂いた。
当社はまだエクイティー資金調達を行っておらず、なけなしの僕の自己資金と銀行借入を毎月吐き出して常に青息吐息で運営している状況なので、マーケやセールスに割くリソースは全くない。
にも関わらず、大規模保険代理店がバイラルとオーガニック流入だけで勝手に導入してくれるというのは自信になった。
大規模保険代理店は顧客管理システムを自社開発するところも多く、無料であってもそう簡単に外部システムを導入したりは決してしない。
が、某上場保険代理店に至っては試験導入すらせずに、サービス説明資料だけでソリシター君の全社導入を決定してくれたくらいだ。
僕もこれらの企業とは面識も一切なく、人脈付き合いで導入されたわけでもない(近日ご挨拶に伺います!)
大規模保険代理店に対しては確実にPMF達成していると言って良いだろう。
損保は生保と似て非なるものだった
一方で、損害保険会社や損保代理店に刺さるサービスには現状なれていない。
僕もこれまでに火災保険を1件売ったことがあるだけで、損保のことはよくわかっていないものの、生保と同じように複数保険会社業務情報の比較検索ニーズはきっとあるはずだという前提で色々と試行錯誤してきた。
わかってきたことは、損保代理店には一定の比較検索ニーズはあるものの、損保代理店は1社専属代理店が圧倒的に多く、損保会社には「損保代理店にうちの商品を選んで売ってもらいたい」というニーズが生保に比べて希薄だということだ。
どれだけ比較されたところで、結果、その代理店が売れるものは該当損保会社商品のみという状況では無理もないのかもしれない。
損保もアナログ業務は非常に多いので、魅力的なマーケットにいつも思えてしまうのだが、損保と生保は「似て非なるもの」だということは認識しておくべきだろう。
小規模・零細保険代理店もややズレている
次に考えなければいけないのは、小規模・零細保険代理店の扱いだ。
小規模の生命保険代理店には、そもそも複数生命保険会社の比較検索というニーズが少ない。損保と同じで、比較したところで売れる商品は限られているからだ。
また、独自ドメインのメールアドレスを持っていなかったりして、当社のユーザー管理コストも大きい。
事業主としては全てのユーザーを取り込みたいという気持ちは強いので、彼らに刺さるサービスは何かないだろうか?と頭が追い求めてしまいがちだったが、今は深入りする必要はないと気づいた。
数年前、田所さんに教わった「toBユーザーを規模に応じて4段階に分けるべき」という教えを思い出した。
大、中、小、零細の4つのレイヤーだ。
100名以上の大規模保険代理店と、実質1人でやっているような零細保険代理店の課題感が異なるのも当然。
ここは思いきって、小規模・零細保険代理店はスコープから外すべきだろう。
初期ユーザーは生命保険会社⇔大規模保険代理店
・損害保険会社
・損害保険代理店
・小規模保険代理店及び零細保険代理店
の3つを対象から外すことになり、
結果として、
「生命保険会社⇔中規模以上の生命保険代理店」
を当社の初期ユーザーと定義する。
中規模以上の定義は「募集人50人以上または乗合10社以上」が適切だと思っている。
このサイズになってくると、コンプライアンスを意識しなければならない規模感になってくるからだ。
Facebookはハーバード大学生限定SNSからスタートし、Amazonは書籍EC限定からスタートしたというのは有名な話で、当社の初期ユーザーもしっかり絞って、その初期マーケットを独占してから横展開すべきだろう。
(特に、Amazonが書籍ECからスタートした戦略的理由についてはこの記事が良記事だ。当社が「保険募集人の医的引受目安検索」という超マニアックな領域からスタートしたのも、今はまだ明かせないが、戦略上の明確な理由がある)
「50兆円保険産業に情報革命を起こす」という当社ミッションはブレずに、フォーカスすべきものを明確に事業を進めていきたい。
エムスリーはtoC医師がユーザーなのでメディアでの広告収益が主力となるが、当社はtoBtoEサービスなので、メディア広告売上と業務改善SaaS課金のハイブリッドが売上の主軸となっていくだろう。
資金調達したら積極的に人を採用してアクセルを踏んでいくことになるが、リスクマネーを投入する前に、創業者として考えるべきことはまだまだ無限にあるなと思っている。
もちろん、資金を投下した後は他社のどこよりも最速でスケールしたい。
そのためには、今、ありとあらゆるシミュレーションをしておくべきだろう。
というわけで、当社事業にご興味を持って頂いた投資家の方、保険業界の方、他業界のスタートアップ起業家の方など、事業戦略ディスカッション的な壁打ち相手は常に募集しています。
「なんとなく保険業界のことを知りたい」くらいの雑談レベルでも全然OKですので、僕のTwitter DMまで、お気軽にご連絡下さい。
社内メンバーだけでなく、ユーザー、ステークホルダーの皆さんと一緒により良いサービスを作り上げていきたいと思います。
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