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おっさん資格取得奮戦記 日商簿記3級~2級そして1級へ その7
簿記1級に4回落ちるも10回までは受けると決めた私。しかしもし10回受けて駄目だった時のために何か形として残るものが欲しい。そのために全経簿記上級を受けようというのが前回までです。あともう一つ全経を受けた理由があります。それは「負け癖」を払拭すること。負け続けているとそれが常態化してしまい、「勝つぞ!」という気力が薄れてきてしまいます。そんな状況を打破したいというのがもう一つの理由でした。もしここでも負けたらどうするの?なんて事は微塵も考えません(笑)。
さて、簿記の資格には日商簿記と全経簿記の2種類あります。あと全商簿記というのもありますが、こちらは全国商業高校協会主催の資格なので、私のような者は対象外となるようです。
全経簿記というのは全国経理教育協会(経理の専門学校の団体?)が主催する簿記資格です。かつては日商簿記1級か全経簿記上級保持者は、税理士試験会計科目の受験資格が認められていた事からもわかる通り、日商1級と全経上級は簿記資格の双璧とみなされております。合格率は10~15%と日商簿記より少し高い程度。科目、配点は日商簿記と同じ(ただし全経は1科目100点、400点満点の70%、280点が合格ライン、1科目40点未満で足切り)ですが、会計学に記述式の問題があるというのが最大の相違点となります。
第159回日商試験を受けたのが21年11月。今回もとても受かる手応えはなかったので、調べてみると全経上級は毎年2月と7月に試験が開催されており、2月の申込はまだ間に合います。試験場所は限られていて、新幹線で隣の県へ行く必要がありますが、迷わず22年2月の第205回試験に申し込みます。「待ってろよ~全経!」全経が待っているわけないのですが、日商で感じていた閉塞感から、新しい事を始めるわくわく感があります。
全経に向けては過去問集を1冊買って2~3周しただけで、あとは特別な事はしませんでした。問題は日商よりも分かり易い感じがします。決して日商より簡単な問題というわけではないのですが、日商で時折見られる「だから何を聞きたいの?」と怒りたくなる独特の言い回しはありません。でも記述問題はこれまで全くやっていないので、何を書いたらいいのかさっぱりわからない問題もポツポツ出ています。しかしこの辺は長い人生経験を生かして適当にでっちあげるとして(ほんとか?)、あっという間に試験の当日が来ていざ会場へ赴きます。
受験地までは新幹線で1時間弱。十分に日帰りできる距離なのが助かります。試験会場に入ると、部屋が小さく受験者が少ないためなのか、私の他にはおっさん枠が誰もいません。大学?で就職活動中と思しき4人位のグループの会話に耳を傾けます。「〇〇は159回60点以上とってあと少しだったらしいぞ。」「すげえ!」みたいな会話をしています。「君たちそんな事で騒ぐでないよ。おじさんだって・・・・」勿論口に出せるはずがありません。そんなこんなでいざ試験が始まります。
終えてみて正直手応えはありました。最大の懸案だった記述問題は上場子会社の株価評価についてとか、電力会社(=装置産業)の総資産回転率の問題とか、簿記の教科書には書いてないけれど、金融機関に勤めていればそれっぽい事は書けるぞ的な問題が出てくれてラッキーでした。試験後、先程の大学生?集団も「電力会社が云々って訳わかんねー!」とか盛り上がっていました。
そして結果発表。
少しドキドキしながらネットで確認します。
「商簿68 会計93 工簿94 原計64 合計319点」 合格!
やっと一矢報いることができました。
商簿、原計の2科目は合格点に達してませんが、足切りには注意しながらも、取れる科目で貯金を作るというのが大切なんだとしみじみ思いました。
全経上級の合格発表は22年4月。少しは気が晴れましたが、本番はこれから。余韻に浸る間もなく22年6月開催の大ボス第161回日商1級と対峙します。
次回に続きます