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おっさん資格取得奮闘記 日商簿記3級〜2級 そして1級へ その8
さて、22年6月12日、161回簿記1級の試験。5回目の受験です。私は基本的に試験の前日は気合入れて勉強することはないのですが、この時ばかりは前日土曜日の午後、何故か「もうひと頑張りしなければ!」という気持ちが起こり、夜にかけて過去問を2回分解いたのを覚えています。
試験当日。この時の受験番号は9番。もう十分9るしんでいるので、ゲン担ぎする気も起りません。この時の受験生もいつもと同じくらいの25人前後でしたが、ともに受験するおっさん友達(と自分で思っているだけで、何の交流もないけど)が殆どいなくて、若い人軍団におっさん一人。完全アウェイの気分です。おっさん達は諦めたのか勝ち抜けたのか、知る由もありません。
いよいよ試験開始。まずは商会です。最初に全体を眺めると商簿はいつもの総合問題、会計学は海外子会社の連結とリースの貸手の問題が出ています。海外子会社連結問題は「全日本簿記嫌いな論点コンテスト」があれば、ランキングのかなり上位に入る論点ではないでしょうか?「為替換算調整勘定」なんて言葉を聞いた途端に旅に出てしまう人もいるとかいないとか(いません)。またリースの貸手の処理も結構レアな問題で、はるか昔に一回出ただけ。なかなか事前に予想できた人はいないのではないでしょうか?
しか~し!私のような多重受験者(債務者じゃないです)は、累積勉強時間の積み上げに比例して必然的にニッチな点に精通しています。伊達に何回も落ちてるわけじゃないわい!という事でこの二つの論点も一応カバーの範囲内でした。これ解ける人は相当のマニア。「単純計算ミスは絶対だめ!」と思わず力が入ります。
海外連結で資産の含み益絡みの難しい設問もありましたが、これできるのは100人中1人か2人だろうから、解けなくても焦りはありません。商簿も何とか無難に乗り切り、前半の商会はこれまでで一番手ごたえを感じて次の工原に移ります。
ここでやってしまいました。工業簿記が非常に細かい標準原価の問題で、製品ごとの標準原価をまず問われるのですが、ここで間違えると間違いが連鎖して全滅を食らうタイプの問題です。前半良かっただけに後半は固くなったのもあったのでしょうか?焦るけれど解答欄が埋まらない。計算が細かく工程も多いので検算がしずらい問題。原価計算も予算管理と資金計画みたいな問題で途中の過程でミスすると次の問題に連鎖する非常に気を遣う問題。
瞬く間に時間は流れ、原計は理論を含め結構埋めましたが、工簿は答えに全く自信がない上、結構な数の解答欄が埋まらないままタイムアップです。「ひぇ~、また落ちた~(泣)工簿足切りじゃ〜!」前半の高揚感は何処へやら、がっくりと肩を落として家に帰ります。この頃は試験終了時に問題用紙も計算用紙も全て回収され、家に持ち帰れないように制度が変わっていたので、自己採点が全くできません。各社の模範解答が続々とネットに上がってきますが、書いた覚えがない数字の羅列です。唯一覚えていた原計の最終問ROICの数値が間違っていたことだけはわかってまた落ち込みます。5チャンネルとかで自己採点をあげてる人が結構いましたが、あれはどうやってるんでしょうか?みんなそんなに記憶力いいのか?謎です。
ただ、気分はもう開き直っています。「最悪10回落ちて撤退となっても全経上級は残る。淡々とあと5回受けるのみ。」という感じ。後程書くかもしれませんが、実はこの時は並行して税理士の簿財科目試験にもトライし始めていたので、8月試験に向けそちらの準備に心が傾いています。
次回に続きます。