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人生のタイムライン(健康編)
古代では洋の東西を問わず、人生はステージで考えるのが一般的でした。現代では年齢とライフステージを関連づけて考えることは無粋とされがちですが、生きていく上での「モノサシ」を持つことはとても重要だと考えています。
今回は、身体の変化を中心に、人生のタイムラインを考えていきます。
身体の変化について
スタンフォード大学の研究では44歳と60歳
2024年に話題になったスタンフォード大学の研究(25歳から75歳が対象)によると身体の変化は44歳と60歳に顕著にあらわれるようです。
44歳になると、心血管疾患の兆候があらわれる人が出てきて、脂質の代謝能力やアルコールの代謝能力が低下します。
60歳になると、免疫機能が低下するだけでなく、酸化ストレスの影響が顕著に出始め、糖や炭水化物の代謝能力が低下します。
また、生物学的な限界は120歳とされていますが、感覚的には、多くの場合、健康寿命は84歳で一気にガクンときます。
東洋医学では女は7の倍数、男は8の倍数
黄帝内経では、女は7の倍数、男は8の倍数で変化が訪れると言われていますが、これは女性ホルモン、男性ホルモンの変化を表すといわれています。
女性は第一次性徴が7歳くらいからはじまるとされており、以降14歳、21歳、28歳、35歳、42歳、49歳と続きます。また以降は「肝」>「心」>「脾」>「肺」>「腎」の順に衰えるといわれています。
男性は第一次性徴が9歳くらいからはじまるとされていますが、こちらは8の倍数で考えると、以降16歳、24歳、32歳、40歳、48歳、56歳と続きます。また、同様に「肝」>「心」>「脾」>「肺」>「腎」の順に衰えるといわれています。
日本の厄年
また、日本では厄年という考えがあります。本厄の前後併せて3年を厄年としますが、これもこれまでみてきたように身体の変化の注意を促すもののようです。
主要な厄年は、女性は4つ(19歳、33歳、37歳、61歳)で、男性3つ(25歳、42歳、61歳)とされています。※前後の厄は割愛
これらは単にホルモンだけでなく、習俗とも関連する分類だと思われます。また、この他にも幼児の厄年のほか、神社によっては多くの厄年があるようです。
身体の変化に備える
性ホルモンと内臓の衰え
身体の変化を考えるとき、まずは性ホルモン、そして内臓機能(西洋医学的な内臓と、東洋医学的な五臓の両方を含める)の変化とどう付き合うかがポイントになります。
性ホルモンは20代をピークに減っていき、個人差はあっても努力の余地があまりありません。一方、内臓機能は、食生活や生活習慣に気をつけることで、機能を維持することができます。
変化が起きる年齢になってから、慌てて対策をしようとするのではなく、いずれあちこちが衰えることがわかっているのだからこそ、予防は早め早めに行っていくに越したことはないでしょう。
42歳がターニングポイント
冒頭にも書きましたが、84歳になるとガクッとくる人が多いように思います。興味深いことに、これは「突然の変化」を象徴する天王星の公転周期である84年とも一致します。
天王星は自転軸の傾きは98度で、ほぼ横倒しのまま公転しているため、42年が昼で、42年が夜といわれています。
また、手相の流年法では、運命線と頭脳線の交点を35歳で取り、運命線と感情線の交点を56歳でとるのですが、その中間、つまり手のひらの真ん中、神秘十字をみるところを42歳で考えます。
個人的に、これはとても示唆に富んでおり、肉体的にも、精神的にも、42歳は大きなターニングポイントであると考えます。
知って備えるか、知らずに迎えるか
いつまでも元気で過ごすための秘訣
ただ、単純に考えると生物学的な限界である120歳の半分は60歳なので、厳密に言えば、ターニングポイントは60歳となります。
その意識を普段から持てている人は、普段からいろいろなことに気をつけているし、同年代に比べて若々しい印象を受けます。
また、84歳を超えてイキイキとしている人は、好奇心が旺盛で、精神的な活動が活発という特徴があります。年齢を気にするそぶりもありません。
いずれにしても、知って備えている人と、知らずに迎える人とがいるのは事実で、人生のタイムラインを知り、備えて過ごすことは、より充実した人生を送ることができるでしょう。
出口清明(五術家)