母ちゃん業に大失敗
もう弾けない(バイオリン)
いくら直そうと思っても直らないし、
注意されたり、言われるのが耐えられない
と言って、息子(12)がバイオリンをやめようとしたのが5日前(ちなみに演奏家になることを目指してます)
いつも思う、これはスランプか?本気か?
お母さんにはわからないから、
先生に電話で相談してみてくれる?
といって息子にまかせたら、今回は、先生に突き放され
結果、息子はバイオリンをやめることになりました。
それまでは、毎日8時間以上がんばって練習していたから、話が急展開すぎて驚きました。ただ、一緒になって騒いでも仕方ないので
そうなん? やめたの。
と、さらりと返事。
息子は、もっと何か言わないの?って顔をしましたが
練習で直るまで直そうとしない人に何を言っても仕方ないし
息子の人生は、息子の人生。
だれも責任は持たないし、持てないし。
厳しいけど、現実も厳しい実力の世界です。
最後に1曲、私のために「華麗なるボロネーズ」を弾いてもらいました。
(状況には似つかわしくないけど) 華やかで優雅な曲です。
演奏中に息子もわたしも涙がボロボロ流れてきました。
泣くくらいなら、もっと挑戦すればいいのに。
どこから、ボタンをかけ間違えたのかな?と考えました。
演奏は、彼らしい豊かな音色、柔らかい表現
愛される演奏でした。
この演奏がこれからは、なくなるのね…。
これが世に出なくなるなんて、もったいないなぁ。
そうも思ったけれど
演奏を終えて、苦しくてって、辛かった思いから開放されていく様子も伺えて、おつかれさんって息子を抱きしめました。
息子は疑心暗鬼になっていたのだと思います。
「そこの弾き方は、言われていることと違うよ」
と言われ続けることで行き詰まってしまったのだと思う。
タラレバをいっても仕方ないけど
あのとき「大丈夫、もう一回確認しながらやってみて」と
もっと息子を肯定しながら、励ましてやれば、少しばかり息子の気持ちは前を向けたのかもしれません。
そうしたとしても、舞台の上では、プレッシャーを背負って演奏するのだから。
普段から、大丈夫、先生も私も家族も全力でついているよ。
あんなに練習したんだし、みんなに認められたのだから自信をもってね!と自信をつけてやればよかったです。
今更ながら反省しました。
そして、それから後は、ただ、ただ普通に
バイオリンの話題を避けて朝ごはんを食べて、夜を過ごしました。
抜け殻のようになった息子は、
紅の豚の主人公マルコの言葉をかりるなら
「飛ばない豚は、ただの豚さ」
≒
「バイオリンを弾かない息子は、ただの もやしさ」
と言う様でした。
喪失から再生に至る日々とはこういうものなのか?
はたまた、天使が翼を休めているだけなのか…?
といろいろ考えました。
でも、せっかくなら、「楽しい」を探せばいいね!と、映画に行ったり、夜は花火をしたり、花札をしたり
普段、練習している時間に遊び
彼がやりたいことを次々に実行してみよう!と後押ししました。
そして、辞めてから3日目の朝
息子は、魂が抜けた顔をして
朝食が終わるとソファで、巻尺をピローンと伸ばしては縮める、ビローンと伸ばしては縮めるというムダな動きを繰り返していました。
どこから巻尺を持ってきたの?という話は置いておき
なにをやっているのだか?
心の開放感とは裏腹に、満たされないものに気づきはじめたようです。
これまで、ご飯を食べるのと同じくバイオリンを弾いてきた息子にとって、アイデンティティのひとつが欠落したかのような感覚なのかな。
助け舟を出すかどうか迷いつつ、
今日はピアノのレッスンの日だね
とだけ言って、私は仕事に出かけました。
どうするのかな?と思っていたら
ピアノのレッスンに出かけていき、夕方にはバイオリンを出して基礎練習から練習を始めていました。
数日弾かないだけで、思うように指が動かないようで
ひたむきにバイオリンと自分に向き合っていました。
夜、バイオリンの先生から息子に電話がかかって来て
先生も息子が辞めるのが悔しくて、夜眠れなかったこと
あなたがそう思うのは、成長したいという欲が出たり、能力が伸びてきた証拠よ!と励まされていました。
最後には、また弾いてみない?
できないところは先生が教えるから
と促されていました。
これで、堂々と練習ができると思ったのか
それとも、また、練習で苦しむのかよぉーと思ったのか
どちらもあるだろうけど、
一皮剥けたように練習に励むようになっていました。
前からの夢は、演奏を聴いてくれた人を幸せにすること
と言っていました。
私も、息子からバイオリンをとったら何も残らないということを実感してしまい、もう少し人の役に立つ、幅のある人になれるように話したり
日々の練習から、息子の肯定感や安心感で心を満たし
たくさん失敗して、挑戦できるように包み込むこと
疲れをゆっくり癒すことなど
配慮して日々を過ごして行こうと思いました。
今回のスランプは、私の対応の失敗でもあり、反省することがたくさんありました。
ゴールインには山あり谷あり、目先の目標ばかりにとらわれず、包容力を持って、母ちゃん業に取り組んで行こうと思います。
ここまで、2145文字多くなってしまいましたが
最後まで
読んでいただきありがとうございました。
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