マドモアゼル愛先生に人生相談をした時のこと
YouTubeをよく観るのですが、ちょっと前からオススメのところに「マドモアゼル愛先生」の動画が出てくるようになりました。占星術で有名な方で、男性です。
愛先生の姿を見た時、高校生の頃のことを思い出しました。
当時、私はラピスクラブというスピリチュアルな雑誌の会員になっていました(笑)こう書くと、かなり筋金入りのスピリチュアリストな感じですね。高校生にしてそういう雑誌の会員だったとは。
そこではパワーストーンの通販もやっていて、そのときに買った水晶とラピスラズリの玉は、今も手元にあります。
当時私は高三で、パワーストーンは受験のお守りにと買ったものでした。(大学は無事に合格しました。)
ラピスクラブでは、マドモアゼル愛先生の人生相談コーナーというのがあって、悩みを抱えていた私はダメ元で応募をしたのでした。
内容は家族のことです。
当時、認知症を患っている祖母がいたのですが、祖母の息子である父が、祖母に対してひどい態度を取っていました。
祖母は基本的に高齢者施設で生活していましたし、父の取るひどい態度と言っても言葉上でのことで、身体的な虐待などではありませんでした。ですから身の安全という意味では大丈夫と言えば大丈夫、ではありました。
でも私は祖母のことが可哀そうで、東京の美大に進学が決まっていたにも関わらず、祖母を置いて行くことが心配です、どうしたら良いのでしょうか?ということを愛先生に相談したのでした。
どうしたらもこうしたらも、もう受験までして進学先も決まっているのだから行くしかないでしょうとしか言えないわけなんですが、当時の私はそれでもこのことを物凄く真剣に思い悩み、誰か頼れる大人に相談したかったのだったなあということを、驚きとともに懐かしく思い出しました。
仮に自分が残ったところで祖母を庇いきれるわけでもないのに、誰に何を相談するというのか。
今ではそう思うのですが、当時は真剣そのものでした。
その時18歳。
18歳にしてこの質問は、幼いのだろうか?…おそらく、幼いのだろう。今時のJKが、こんな質問を発するところは想像できない。
しかし当時の自分のピュアさ加減が何だか空恐ろしい。
それは、今の私にはないものだ。
自分は内面的に10代の頃から殆ど変わってないとどこかで思っていたけれど、変わっている。こんなにも。
それが成長なのか退化なのか、他の何かなのかは知らないけれど、月日が一人の人間をこんなにも変えるのだということだけはよく分かった。
それは例えば、90年代のロックスターの突然の死に、道端で泣きじゃくるファンの映像を今眺めるのと、どこかしら似たような感覚だ。
ちなみに件のその投稿はなんと採用され、愛先生からのアドバイスを頂けたのでした。
もちろん大学にはちゃんと行くこと、なぜならば孫が目標に向かって進んでいくことこそがお祖母様の望みでもある、というようなことを、優しく、丁寧にアドバイスしてくださっていました。
私はK.Tという、本名のイニシャルで応募していたことと、相談の内容があまりにも我が家のことそのものだったため、万が一、親の目に触れたら大変なことになると思い、姉にだけ見せてその号はすぐに処分してしまいました。
でもマドモアゼル愛先生が親身に答えて下さったことは今でも有り難く、心温まる思い出です。
そして祖母に対して横暴だった父ですが、祖母のお葬式の時にはすすり泣いていました。それ以来、後にも先にも父の涙を見たことはありません。親子とは、かくも複雑なものなのですね。