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親孝行のかたち【今日学んだこと】10/17/2020
イラスト: ジャポネスク
断捨離中の73歳主婦の方のお話。
どうしても処分出来ないものがあります。それは母が生前に彫った仏像です。 朝日新聞 2020・10・16 生活面 ひととき
お父さまが亡くなった後、とても寂しそうだったけれど、仏像彫刻によりどころを見つけたそうです。
一人静かに、一生懸命に彫っていた母のことを思うと、全部がいとおしく感じます。
そして最後にこう続いていました。
長女が「そのまま置いてくれていいよ。後のことは妹と考えるから」と言ってくれたので、まかせることにしました。
長女さんカッコイイなあ!こんな親孝行のかたちもあるんだな。肌寒くなってきた秋の朝、じんわりきたひとときでした。
仕事をしていると、母から連絡が来ました。
着物をどうしようかなと思って。少し送ってもいいかな。
母はずいぶんと長い間、日本舞踊をやっていました。踊り用にも普段着用にもたくさんの着物を持っています。
しかし、このコロナの影響で長らく一緒にやっていた先生やお仲間が次々と辞めていき、解散となったようです。
「お母さん、踊りをやっているから足腰が強いのよ」
と、いつも自慢していました。父の仕事を手伝い約半世紀、いろんなことを耐えてきた母。どんなことに楽しみを見つけて生きてきたのか。私は自分のことに精一杯で、母についてあまりに無関心だったな。
この歳になってもまだまだ自立したとは言えない現実。私がやりたいようにやってこられたのは、全て両親が静かに見守ってきてくれたから。
着物が好きだった若い頃。その経験が25年後に役立つときが来ました。最近、着物の話題を通してお友達ができ、そして自由な理由で自由に通える先生を紹介してくださり、近々お会いできる予定。
知らず知らずのうちに、環境が整いつつあります。
遠慮がちな母に、とっさに言えたひと言。
「無駄にしないよ!着物送ってね。」
自分で言った後に、新聞で読んだ長女さんを思いだしました。
親孝行なんていつまでたっても出来る気がしない。でも、立派な姿や成長した証を見せられなくても、旅行に連れていくとか、何か特別なモノやコトをしてあげられなくても、いろいろなかたちの親孝行があってもいいのかな。(これも甘えか?)
親が好きだったもの、大切にしていたものを尊重すること。
これなら私にも出来る。
かも。
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