生きるとは環境に合わせて調整すること。何度軌道修正してもいい。【昨日学んだこと】10/28/2020
イラスト: 支え合うサイとコトリ
実は昨晩、この記事をアップしようとした直前、全体の約8割が消えてしまいました。おそらく30秒は金縛り状態。おかげさまでその後また生き返りまして、めげずにまた書きました。
幸運なことに、新聞を隅々まで(自分の好きなところだけ)読む時間があると、数分にして社会の表と裏を見れたようで得した気分になります。
Go Toイートの後の課題
株式欄のマザーズやジャスダックに埋もれてひっそりある「経済気象台」というコラム。
タイトルは、コロナウイルス感染拡大から8ヶ月後の今、「Go Toイートの後の課題」。
全国で643件のコロナ関連の倒産が発生しているという。業種別で多いのは飲食業(95件)、ホテル・旅館(59件)、アパレル(44件)などである。(朝日新聞 2020年10月27日 経済気象台)
どんな職業でも、大小関わらず、そしてなにごとにおいても、「続けていくこと」は本当にスゴいことで、一番難しい。と思います。
ただ、同じ飲食業界でも、売上の回復に格差がある。最も苦しんでいるのが居酒屋業態で、逆に急速に回復しているのが、回転ずしと焼肉業界だ。
家庭での代替が難しいことやテイクアウトのしやすさなどが理由らしい。納得。
新聞だし経済関連のページだし、業界をひとくくりに言われ、苦しんで決断をした人の数ではなく、結果を件数として表されるのは当たり前のことだけど、一方では倒産、一方は急速に回復など聞いただけで胸が苦しくなります。
「続けていく」ことは確かにスゴいことだけど、しんどい時は「辞めてもいい」と思う派です。そんなことを考えながら次のページに進むと、同じ「Go Toイート」の話題が。
配慮が必要だった名称
読者からの投稿欄「声」にて、タイトルは「配慮ない名称 Go Toイート」
厚生労働省の調査によると、子どもの約7人に1人、ひとり親家庭の約半数が貧困状態にあります。東京都の調査では、毎日の食事が1回という子どももいるそうです。(神奈川県 福祉教育ボランティアのかた)
何不自由なく暮らしている私は、Go ToイートやGo To トラベルを利用していないだけで、なんとなく罪悪感があったけれど…
外食など容易にかなわぬ人々がいることを、国はどう思っているのでしょう。
そういう目線もありました。
配慮。気にしだしたらキリがないけど、ネーミング=言葉って難しい。全ての人にとって刺激の少ない言葉なんてあるだろうか。
たとえば、「Go toイート」だと、あらゆる状況の国民みなが「食べに行こう!食べに行きなさい!」みたいなとらえかたになってしまうから、今回問題を抱えてしまった飲食業界側からのお誘いみたいな感じで「Come to イート」(食べに来て~)だったら、行ける人が行くというとらえかたになるのかな。
苦しい。やはり個人の価値観によりますね。
新聞の1ページ違い。目線の違いによって、うったえる内容も変わってくる。いい年して、まだまだ社会の表裏が見えていないことに改めて気付かされました。
夢の切符が破れても
同じ「声」のページでは、もう一組対称的な記事を見つけました。
ようやくつかんだスウェーデン留学の夢の切符は、新型コロナ感染拡大の影響によりあっさり破られた。(福岡県 大学生)
この出だしを読んだだけで涙が出そうでした。どれだけここまで努力しただろう、たくさんの希望と期待を抱えていただろうに。もしこれが息子だったら……。
いつかまたチャンスはきっとくるよ、なんて無責任に心の中で励ましながら、目に止まったすぐ上の記事。
91歳の父は、長野県で一人暮らしをしている。(埼玉県 保育士のかた)
ある時、病気で生活は一変したそうです。
「これで俺の人生も終わりだ」と言ったとき、家族も途方に暮れた。ところが、やることがなく家にこもりがちになると心配したのは家族だけで、父はさっさと次のステージへ。
ご近所さんから頂いたLINEには、電動アシストの三輪自転車にまたがるお父さんの姿があったそうです。
父の柔軟性に脱帽した。生きるとは環境に合わせて調整すること。何度軌道修正してもいい。父に教えられ、私も力が湧いてきた。
読んだ私も力が湧いてきました。ありがとう。
夢の切符を破られてしまった福岡の大学生も、きっとこの欄を読むに違いない。きっとこの長野のお父さんを知り力が湧くに違いない、と勝手に願う、岐阜の主婦。
こうして朝から新聞に考えさせられ、泣かされ、感動させられ、心を揉みほぐして、私の一日がはじまるのでした。
丸一日(合間、合間だけど)かけた下書きが消えるというアクシデントがあり、「もうこの記事はやめた!」と思いましたが、もう一度書くことにしました。消えた記事のタイトル
何度軌道修正してもいい
が無事に残っていたからです。
配慮が必要な言葉もありますが、言葉に助けられることは日々たくさんありますね。それを探しに、また明日も新聞を読みあさります。