ハンガリー語のつれない綴り
◊ ハンガリー語(言語名としてはマジャール語)は印欧語ではなくウラル語族に属する。英語などと同じラテン字を使っているのでつい英語風に読みたくなるが、しれっと冷たくあしらわれてしまう綴りがいくつかある。
◊ 詳しくは弊サイトの下記ページにまとめてあるが、いかにも教科書的で無愛想なので、noteではもう少し雑記風に書いてみたい。
🟦 szは[s]
ハンガリー語を読むときに一番やっかいなのはおそらく「sz」の綴りではないだろうか。これはスズではなく英語のs[s] の音を表す。[ ]で囲った部分は発音記号だ。
[s]の音なんていくらでも出てくるので、「sz」の綴りはあちこちでお目にかかることになる。いくつか例をあげてみよう。これらの「sz」はすべて[s]の音だ。
バス busz
ビスケット keksz
デザート desszert
北 észak
車の修理 szerviz
これらをあえてカタカナで書くと、ブs、ケks、デッセrt、エーサk、セrヴィzという感じになる。英字は子音だけの音を示している。
🟦 では、sは?
「sz」の組み合わせが[s]の音を表すなら単体のsは必要ない……と思いがちだけど、じつは単体のsもあるから面倒だ。頭のなかで次のような変換をしないといけない。
綴り 発音
sz → [s]
s → [ʃ]
そう、単体のsは英語でいえばsh(たとえば、英cashのsh)の音を表す。身近な例でいえばBudapestの「s」だ。これはハンガリー語ではBudapeシュtと発音する。
単体のsが[ʃ]の音を表し、[s]の音は「sz」で表す。慣れるのに少し時間がかかるかもしれない。ハンガリー語には他にも知っておくべき綴りの規則があるけど、続きは気が乗ったときに書きたいと思います。