香港旅余話 関帝とゲーム
ある廟を訪れたときのこと。
堂内がいい感じだったので、管理人らしきおじさんに写真を撮っていいか聞くと、快諾という感じだったけど、注意点があるようだった。
わからない(我聽唔明)と言うと英語ならわかるかと聞かれ、注意点を英語で教えてくれた。祀(まつ)られた人物についてこちらから質問すると、どういう人物か教えてくれた。概要さえわかれば、詳しいことはネットで知ることができるだろう。
本尊の隣に関帝が祀られていた。
関帝は横浜や神戸の中華街にも関帝廟があるので日本人にも馴染みがある。そのとき、おじさんは、関帝は日本のゲームにも登場すると言った。私はゲームにはまったく疎いから何とも言えないが、関帝のような神様が登場するゲームなどあっただろうか。
私がいぶかしく思っていると、おじさんはスマホをちゃちゃっと操作してゲームの画面を見せてくれた。三国志だ。
ああ、なるほど。神様としての関帝ではなく、武将の「関羽」として登場するのだった。関帝は私のなかでは神様のひとりという理解だったけれど、もともとは関羽という、三国志に登場する後漢の武将なのだ。
地元では信仰を集めている廟なのだろうが、香港の小さな廟で、日本のゲームと話がつながっておもしろかった。そして、そんな話を聞かせてくれた管理人のおじさんに感謝したい。