香港旅余話2 トイレットペーパーの巻の巻
日本の駅や商業施設のトイレのなかには、一般家庭で使うサイズのトイレットペーパーではなく、大きな円盤容器にトイレットペーパーをセットしたものがある。
今回泊まった宿のトイレットペーパーがそれだった。
そこは香港にしては安い宿で、部屋の清掃やメンテナンスを極限まで減らしていた。大型の業務用トイレットペーパーを使うのも交換の手間を最小限に抑えるためだと思われた。
1巻きで、はたして何週間使えるのかまったく想像がつかないが、通常サイズのものよりかなり長いことは間違いない。それが3泊目に切れたのだった。
朝、部屋を出るとき、管理人にトイレットペーパーが切れたとwhatsappで連絡しておくと、オフィスの始業時間になって了解の返信が来た。
業務用のトイレットペーパーなど実際に見たこともないが、夕方、部屋に帰ると、でかいトイレットペーパーがベッドの上に置かれていた。それを撮ったのがヘッダの写真である📷比較のためにカードケースを並べてある。直径は30センチくらいありそうだ。
さて、どうやって交換するのか。
複雑なはずはないので、中央のつまみを90度回してみると、ロックが外れた。ふたをがばっと開けるとこんな具合である。中央に芯が残っている。
あとはこれにトイレットペーパーをセットして先端を下の穴から出せば完了だ。
さて、ここからは余談である。
気になるので、一般サイズと業務用サイズで長さを比べてみよう。
円周の長さは2πrだから、トイレットペーパーの一般的は長さは、
∫(2πr)dr=π(r2^2 − r1^2)
になる。^2は2乗を表し、r2はロールの外径、r1は芯の半径とする。ただし、簡単のために紙の厚さは無視した。
たとえば一般サイズでr2=5.5cm、r1=2cmとすると、ロールの長さはLa=π(5.5^2 − 2^2)=26.25πになる。
業務用サイズの正確な値はわからないが、仮にr2=15cm、r1=3cmとすると、長さLb=π(15^2 − 3^2)=216πになる。
その比はざっと、216÷26.25≈8.2。
この試算から、業務用のトイレットペーパーは一般サイズのものより約8倍長く、約8倍長持ちすることが予想される。実際には紙の質や厚さによるだろうけど、あながち外れていない気もする。