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周エルカン 50mm f2
ELcan というレンズのことは知っていましたが、現物は見たことも触ったこともなく、多分これからも手にしてみることはないだろうと、自分にとってはとっくに諦めていた幻のレンズです。
それがなんと中国の新興メーカーによって復活したということは、数年前ネットで見聞きしていましたが、しばらくの間ほとんど忘れていました。
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オリジナルのズミクロン50よりも短くコンパクトに、7枚のレンズを4枚に減らし、必要最小限の写りに割り切って作られたであろう廉価版ズミクロンの筈ですが、そうは言ってもなかなかの美形に見えるのですから、撮ってみたくなる誘惑は止まりません。
オリジナルは70年台の初頭、軍用に作られたということですから、想像するに堅牢第一に考えられているはずです。貼り合わせのない4群4枚のレンズ構成も、絞りのツノ付きも、軍用での厳しい条件下での使い勝手を考慮してのことでしょう。
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唯一少し残念に思うポイントは、絞り配列がライカレンズとは逆になっていることです。それを除けばこの周エルカン実によくできています、絞りのクリック感も申し分なく、ヘリコイドのトルク感も悪くない、鏡胴の金属の削り出しも見事な仕上がりです。
ELcan本来の目的から考えて、絞り解放の写りはとくに注目するポイントではなく、そこそこと思ったのですが、それでもやはりズミクロンの血統、よく写ります。しかしなんと言っても痺れるのはf5.6〜f8あたりのキレのある描写、ううーんと唸りたくなるくらいの写りです。
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これまでに中国ブランドのレンズは2本ほど使ってみましたが、どちらも興味本位で少し使っては終わるというパターンでした。しかしこの周エルカンは違います、眺めていたい、手元に欲しい、そして自分の絵が撮れるレンズにしてみたいの思いが日増しに募るのです。
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