Foveon の旅 (1)
🔳🔳🔳禍でなければ、都会にいても秋色の気配漂う今頃はカメラを持って旅に出たい季節のはずなのに、3年目を迎えた今年もまだそういう気分にはなかなかなれません、、、、。
最初にシグマのカメラをそしてフォビオンというセンサーを知ったのは、アートディレクターでありながら自ら写真を撮り鮮烈なイメージをそのカタログで提示した、福井信蔵さんとDP1という存在でした。それがあまりに強烈だったため、今でもぼくの中では両者はピッタリと一体化したままですが、それももう14年も前のことになります。あのDP1のカタログによって、どれほど沢山のシグマユーザーが誕生したことか、、、、、ぼくもまたそのうちの一人だったのです。
それからDP2を手に入れ、次にSD14も中古で入手、フォビオンの魅力、難しさに惑わされながらも、言葉では尽くせないフォビオンの世界にどっぷりと浸かってきた10余年だったと思います。
やがてフォビオンは Quattro シリーズに入り、dp2 Quattroを最初に, そしてdp3Quattro、さらにはdp1とdp0を加えた4機種でユニークな筐体のレンズ一体型シリーズは完成します。そして次のステップで Quattro はSAマウントを備え、レンズ交換ができる sd Quattro の登場 (2016.6) になります。さらにセンサーサイズをAPS-Hにアップした高画素バージョン sd Quattro H も続きます。
dp3 Quattro が気に入っていたその頃は、sd Quattro の妙な位置にセットされたファインダーがどうしても馴染めなく、Quattro はdp2とdp3があればそれで良しとsd Quattro にはあまり乗り切れませんでした。
しかしそれから5、6年経って、sd Quattro の画像を見てみると、やはりフォビオンの良さがジンジンしてきます。残念なことにsd Quattroもsd Quattro H もその他のレンズ一体型 Quattroも現在はほとんどが製品リストから消えています。そしてベイヤーセンサーの fp とfp L はリストアップされていますが、フォビオンセンサーのカメラはdp1Quattro の1機種のみになっているのです。
こうなると、果たしてフォビオンのフルサイズセンサーはいつ登場するのだろうか?これまで何度も噂になりながら、いつかいつかを繰り返してきた期待が膨らみます。個人的にはAPS-Hで充分と思いますし、敢えてフルサイズに拘る必要はあるのかなとも思います。これまでフォビオンの一番の弱みはISOを上げられないという点でしたが、せめて800が無理なく使えるようになれば、フォビオンの世界は揺るぎないと思うのです。
それまでは sd Quattro でフォビオンを充分に楽しみたいと思います。