Ultron 75mm f1.9 VM
レンズキャップもフードもなかったプロトタイプ、あれから5ヶ月、意匠も新たに製品版として箱に収まって届きました。
外観の変更はあるかもしれないと、撮影期間が終了した時言われていたのでどんな意匠になって登場するのか楽しみでしたが、ネットでの発表の写真を見て期待がぐんと跳ね上がりました。
箱を開けると真っ先に飛び込んできたのは、ねじ込み式フードとセットになったかぶせ式のレンズキャップですが、これがなんとも格好良いのです。
これだけでこのレンズが欲しくなっても不思議でない仕上がりです。
発表でうれしかったのはブラックペイントにS.Cというスペックが選べることでした。昔のような真鍮の上にたっぷりと厚みのあるペイントというわけにはいかないでしょうが、それでもクロームブラックよりはブラックペイントのレンズは美しいと思います。特にブラックペイントのボディーが一台手元にあれば迷うことなしの一択です。
外国のユーザーの中には、ブラックペイントはS.CかM.Cのどちらでも選択ができるようにという希望もネットには上がっていましたが、ブラックペイントを前提に希望する人にはわかるな〜とも思いました。
次に嬉しかったのはねじ込みのフード、それもペイント仕様で用意してくれたことです。これでレンズとフードがトータルでブラックペイントに統一されてスッキリします。
さらには被せ式のレンズキャップですが、(これからが今日の本題です)
レンズと同じブラックペイント仕上げの上に、フォクトレンダーのロゴが微妙な凹凸で彫りこまれています。
光のあたり方で見えたり見えなかったり、手にとって指でなぞったり、角度を変えてすかしたり、いつまでも遊んでいたくなります。
長いフォクトレンダーの歴史ですから、過去にこれに似たキャップがあったかどうかはわかりませんが、聞いてみるとコシナ小林社長の意向が強く反映されているらしいとわかりました。
この2月から小林社長は会長に就任されたということですから、社長時代最後のこのレンズに残されたメッセージ?と勝手思ったりしています。
同じものが見えたり見えなかったり、光と写真とかぶせ式のレンズキャップ。