第一章[威厳]しゃべるな、黙れ

少壮:今回は「威厳」についてお伺いできればと思います。僕はどこか軽々しくて威厳がありません。どうしたら威厳をまとうことができるのかを教えてもらえますか。
塾長:結論を先に言えば、オーラを消そうとすることだね。
少壮:オーラを消す――ですか? 威厳といえば、オーラをむんむんさせているというイメージがありますが?
塾長:それは逆。威厳を出そうと押し出しを強めると、むしろ威厳は失われてしまう。
 言い換えれば、威厳とは他者からの誤解といってもいい。威厳は自力でまとうことができるものではなく、周囲の人たちが勝手に感じ取るものだからね。
 そのためにすべきことは、無駄口をきかないこと――これに尽きる。
少壮:言葉を慎むと?
塾長:そういうこと。私自身、根っからのおしゃべりで、そのためにずいぶん失敗してきたけれど、沈黙を習慣づけることでだいぶ改善した。
 つまらぬいざこざも減ったし、いくらか思慮深くなれたようにも思う。威厳を獲得するためには沈黙がいちばんなんだね。では、「沈黙」という切り口で話を進めていくとしようか。

〈内容〉第一章 [威厳]しゃべるな、黙れ
「からっぽ」はよくしゃべる  弁が立つからなめられる  無言だから統率できる  肚にしまい込める量が「度量」  暇人が議論する  断定するから自滅する  相手にならず黙殺せよ  仮病をつかって引きこもれ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?