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【常磐病院】塩分摂取量が多い福島県民|耳寄り健康講座30
まだまだ暑い日が続いていますね。少し外を歩いただけで汗びっしょりになってしまいます。汗をかくと、水分と同時に、「塩分」をはじめとした身体に必要な栄養分も失われてしまいます。今回は塩分に焦点を当てて、お話ししていきたいと思います。
【塩分の役割】
われわれが塩分を最も意識するのは食事のときだと思います。味気ない食事よりも、少し塩気のあるもののほうがおいしく感じたりしますよね。ただ、塩分がもたらす身体の効果は、味覚への刺激だけではありません。塩分は、体内の水分バランスを調整する働きや、神経伝達物質の働きをサポートし筋肉の収縮や感覚の伝達を正常に保つ効果、血圧の維持、消化の促進など、さまざまな役割を担っています。
【塩分の過不足による不調】
塩分は取り過ぎても、少なすぎても身体に悪い影響を与えます。
塩分過多の状態が長期間続くと、高血圧につながってしまいます。これは、体内の塩分濃度を下げるために身体が水分を欲し、体内の水分量が増えることで心臓に送り込まれる血液量が増加。その結果、血管にかかる圧力が上がってしまうという仕組みです。高血圧は〝サイレントキラー〟とも呼ばれており、放っておくと、動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中、腎障害など、命に関わる病気へとつながる可能性が高まります。
一方、体内の塩分が少な過ぎても、血液の循環が悪くなり、血圧の低下、頭痛、吐き気、筋力の低下などの症状が現れます。さらに悪化してしまうと、健康を維持するために十分な量の血液を送り出すことができなくなり、急性心不全、腎不全などを引き起こす場合もあります。
【塩分の適量】
身体に必要な塩分量は、年齢・性別・活動量・健康状態などによって異なりますが、厚生労働省「日本人の食事摂取基準」によると、1日の塩分摂取量の目標は、男性7・5㌘未満、女性6・5㌘未満とされています。高血圧の予防・治療のためには、さらに少ない6㌘未満が推奨されています。
福島県が発表する県民の食塩摂取量は、1日当たり男性11・9㌘、女性9・9㌘で全国的に見ても摂取量が高い傾向にあります(※出典=平成28年国民健康・栄養調査)。食事に含まれる塩分量を知ることで、塩分の摂取量をコントロールできるようになるので、下記の料理および塩分量を参考に、日々の塩分摂取量に注意するようにしてください。
●和食
鮭おにぎり(1個)……1・4㌘
豆腐とわかめのみそ汁…1・5㌘
梅干し(1個)…………2・2㌘
きつねうどん(※汁も含む)……5・6㌘
●洋食
食パン(6枚切り1枚)……0・7㌘
コーンスープ……………1・1㌘
ハンバーグ………………3・8㌘
ミートソースパスタ……4・5㌘
●中華
チャーハン………………1・9㌘
中華スープ………………1・7㌘
エビチリ(170㌘)…3・5㌘
しょうゆラーメン(※汁も含む)……7・1㌘
●加工食品など
たまごサンドイッチ……1・2㌘
カレーパン………………1・5㌘
てりやきバーガー………4・2㌘
カップ麺(※汁も含む)……4・9㌘
※塩分量は参考値
しんむら・ひろあき 1967年生まれ。富山大学医学部卒。専門は泌尿器科。2015年から現職。
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