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【尾松亮】廃炉の流儀

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おまつ・りょう 1978年生まれ。東大大学院人文社会系研究科修士課程修了。文科省長期留学生派遣制度でモスクワ大大学院留学。その後は通信社、シンクタンクでロシア・CIS地域、北東ア…
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#政経東北

【尾松亮】地方自治を破壊するデブリ受け入れ計画|廃炉の流儀 連載56

 11月7日、福島第一原発(1F)2号機で溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の試験的取り出しが…

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【尾松亮】デブリ取り出し「奇妙な〝着手〟の定義」|廃炉の流儀 連載55

 東電は9月10日、デブリの試験的取り出しを始めたと発表した。取り出し装置で燃料デブリに触…

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【尾松亮】「前進」強調のためのデブリ取り出し着手|廃炉の流儀 連載54

 9月10日、東京電力福島第一原発で事故により溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の「試験的な取…

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【尾松亮】燃料デブリは放射性廃棄物ではない?(下)|廃炉の流儀 連載53

 福島第一原発事故で原子炉内外に広がった溶融燃料(いわゆる「燃料デブリ」)。これは「放射…

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【尾松亮】燃料デブリは放射性廃棄物ではない?(上)|廃炉の流儀 連載52

 福島第一原発では原子炉内外に広がった溶融燃料(いわゆる「燃料デブリ」)の取り出しが最難…

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【尾松亮】IAEAの安全レビューは利益相反|廃炉の流儀 連載51

 汚染水海洋放出に対して国際原子力機関(IAEA)がお墨付きを与える立場で出した包括報告…

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【尾松亮】IAEAのずさんな視察|廃炉の流儀 連載50

 国際原子力機関(IAEA)は1月30日、東京電力福島第一原子力発電所の処理水の安全性に関する新たな報告書を公表した。昨年10月に行われた福島第一原発の現地視察も踏まえた報告書で「1週間の視察期間中、関連する国際安全基準に合致しないいかなる点も見つからなかった」と結論づけている。  この視察については以下のように報じられている。「調査団は昨年10月下旬に日本を訪れ、日本政府や東電と意見交換を行ったり、福島第一原発の現地調査を行ったりした。IAEA職員に加え、放出に批判的な中

【尾松亮】「廃炉の最終形は地元で決める」の危険性|廃炉の流儀 連載48

 繰り返し本連載で指摘してきたことだが、福島第一原発の廃炉完了要件を定めた法律は存在しな…

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太平洋でも汚染水海洋放出「規制条約」を定めるべき|【尾松亮】廃炉の流儀 連載47

 1月30日、国際原子力機関(IAEA)は福島第一原発の汚染水海洋放出後初めてのレビュー報…

月刊 政経東北
10か月前
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「燃料デブリ880㌧」の嘘|【尾松亮】廃炉の流儀 連載46

 福島第一原発の事故で溶け落ちた核燃料と内部の構造物が混じり合った「核燃料デブリ」は、1…

月刊 政経東北
11か月前
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私たちは法的な抵抗を十分にやってきたか|【尾松亮】廃炉の流儀 連載45

 昨年8月24日、福島第一原発からの処理後汚染水の海洋放出が始まった。「漁業関係者を含む関…

汚染ゼロを目指す条約の知恵⑦|【尾松亮】廃炉の流儀 連載44

 OSPAR条約(1998年発効)は、放射性廃棄物の海洋放出ゼロを目指し、問題となる放射…

汚染ゼロを目指す条約の知恵⑤|【尾松亮】廃炉の流儀 連載42

 英国北西部セラフィールドで1994年に核燃料再処理工場が運転を開始して以降、海洋汚染の…

処理水放出「国際基準に合致」は嘘だ|【尾松亮】廃炉の流儀 連載40

 「福島第一原発の処理水の安全性について検証を行ってきたIAEA =国際原子力機関のグロッシ事務局長は会見で、『国際的な基準に準拠している』と述べました」(2023年7月4日TBS)とのことだが。  これは嘘だ。この「包括報告書」の中でIAEA自身が、安全基準の一つである「正当化(Justification)」について評価を放棄したことを認めている。該当箇所を訳出する。  「ALPS処理水の海洋放出について対応する国際安全基準への適合性を評価するように日本政府からIAEA